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「屋根工事」について

2026.05.29

瓦屋根の修理費用相場|放置で2〜3万が20〜30万になるケースも

瓦がひび割れていたり、少しズレていたりするのに気づいていても、「とりあえず雨漏りしているわけじゃないし、もう少し様子を見よう」と後回しにしていませんか。

実はこの「様子見」が、後から大きな出費につながるケースは少なくありません。

今回、兵庫県丹波市で長年瓦工事に携わってきた職人さんに話を聞いたところ、こんな印象的な言葉が返ってきました。

兵庫県丹波市の職人さん
2〜3万円で直せたものを放置して、20〜30万円になってしまうお客さまは実際にいます。棟の劣化箇所や部分的に割れた瓦の隙間から雨水が入り、下地まで傷んでしまうと修理の規模がまったく変わってくるんです。

小さなひび割れでも、放っておくと雨水が少しずつ侵入し、目に見えない部分でじわじわと傷みが広がります。気づいたときには大規模な工事が必要になっていた、というのは決して珍しいことではないのです。

この記事では、瓦屋根の修理にかかる費用の目安を症状・工事の種類別にまとめるとともに、費用が大きく変わる理由や、信頼できる業者の選び方まで解説します。「うちの屋根、大丈夫かな」と気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

瓦屋根修理が必要なサイン

「屋根のことは、普段あまり気にしていない」という方がほとんどではないでしょうか。実際、住んでいる人がじっくり屋根を目にする機会はなかなかないため、傷みに気づくのが遅れてしまいがちです。

まずは、修理が必要なサインとして代表的なものを確認しておきましょう。屋根の上を直接確認するのは難しいですが、地上から屋根を見上げたり、2階の窓から1階の屋根を眺めてみるなど、定期的に気にかけておくだけでも早期発見につながります。

ひび割れ・欠け

強風や経年劣化によって瓦にひびが入ったり、一部が欠けたりすることがあります。小さなひびでも、そこから雨水が入り込むことで下地への影響が出始めます。

棟(むね)のズレ・隙間

屋根の頂部や傾斜の合わさる部分にあたる棟は、劣化すると隙間が生じやすい場所です。「棟の劣化箇所から雨水が入り、下地まで傷んでしまうことがある」と職人さんも話していたように、見た目以上にリスクの高い部位です。

棟が劣化・崩壊した瓦屋根の事例

棟が劣化し、崩れてしまっている事例

下の記事では、瓦屋根の棟の劣化について詳しく解説しています。棟の劣化について理解を深めたい方は、ぜひこちらもご一読ください。

漆喰(しっくい)の剥がれ

棟瓦を固定している漆喰が剥がれてくると、瓦がズレやすくなります。施工の質や立地・気候条件によってバラつきがありますが、早いケースでは10〜15年ほどで劣化が始まることもあるため、定期的な確認が必要です。

瓦のズレ・浮き

台風や地震の後などに起こりやすく、わずかなズレでも雨水の侵入口になります。見た目には大きな問題がなさそうでも、念のため点検しておくと安心です。

大きな台風の後に問い合わせがあったお宅の屋根

大きな台風の後に問い合わせがあったお宅の屋根

これらのサインに気づいたとき、「まだ雨漏りはしていないから大丈夫」と判断するのは少し早いかもしれません。次のセクションでは、実際にどのくらいの費用がかかるのかを見ていきます。

症状・工事別の修理費用相場

瓦屋根の修理費用は、症状の種類や工事の規模によって大きく異なります。「見てみないとわからない」というのが職人さんの正直なところだそうですが、目安として知っておくだけでも、いざというときの判断に役立ちます。

工事の種類 費用の目安
部分補修(ひび割れ・差し替え) 2〜5万円程度
漆喰補修 3〜20万円程度
雨漏り修理 5〜50万円程度
葺き替え 80〜400万円程度

部分補修(ひび割れ・瓦の差し替え)

瓦のひび割れや一部の欠けに対応する工事です。被害が表面にとどまっており、下地への影響がない場合は比較的費用を抑えられます。

アンテナ落下で割れた瓦(施工前)
 
瓦1枚交換後の屋根(施工後)

お客さまから「テレビのアンテナが落下した際に、瓦が1枚割れたようなので、見て欲しい」との連絡がありました。瓦1枚の交換で、費用は1万5千円~2万円程度。

漆喰補修

棟瓦を固定している漆喰が剥がれてきた場合の補修工事です。放置すると瓦のズレや雨漏りにつながるため、早めの対応が肝心です。

雨漏り修理

雨漏りの原因や範囲によって費用の幅が大きく変わります。原因箇所が特定しやすい場合は部分補修で対応できますが、下地まで傷んでいると修繕の規模が一気に広がります。費用が抑えられるのは応急処置や軽微な漏れのケースで、本格修繕となれば金額は跳ね上がります。

葺き替え

既存の瓦をすべて撤去し、新しい瓦に替える工事です。費用はお客様の予算・屋根の広さ・瓦の種類・足場代によって大きく変わります。一般的な2階建ての場合は150万円以上になることが多いようです。「見積りを出してみないとわからない部分が大きい」と職人さんも話していたように、まずは相談・見積りを取ることが大切です。

費用の幅が大きいのは、屋根の状態は外から見ただけでは判断できないため。表面上は小さなひび割れに見えても、下地まで傷みが及んでいるケースでは、費用が大きく変わることがあります。

築40年・瓦のズレが多発した屋根(施工前)
 
外回りフルリフォーム後の屋根(施工後)
 お客さまより「築40年近い建物のため、屋根全体に瓦のズレや曲がりがあるので点検してほしい」と依頼。地域では近年大規模災害が多く、安心のためにも屋根瓦、雨樋、外壁の部分塗装を提案し、建物の外回りのフルリフォームを行いました。費用は足場や塗装工事を含め、250〜275万円。

また、工事店側の実感としては「すべてはお客さまの予算次第」でもあるそう。「現地調査の結果、先々を考えれば全面葺き替えがお勧めだけど、そんなに長く住まないし安く済ませたいから応急処置だけしてほしい、という要望も少なくないんですよ」とのこと。

屋根の状況とプロとしての見通し、そしてお客さまの要望をすべて合わせて、最適な提案を行っていると教えてくれました。

気になる症状がある場合は、まず専門業者に点検を依頼することをおすすめします。

以下の記事では、瓦屋根リフォームの補助金について解説しています。リフォームをお考えの方は、こちらもご参考ください。

 

放置するとどうなる?修理を先延ばしにするリスク

「雨漏りさえしていなければ大丈夫」と思っていても、実際には見えないところで傷みが進んでいるケースがあります。屋根の修理を先延ばしにすることで、どのようなリスクがあるのかを確認しておきましょう。

下地まで傷むと修理費用が一気に跳ね上がる

瓦のひび割れや棟の隙間から雨水が侵入すると、瓦の下にある防水シートや木材の下地まで傷み始めます。表面の補修だけで済んでいたものが、下地の修繕まで必要になると、工事の規模はまったく別物になります。

冒頭でも触れましたが、早期に対応していれば数万円で済んだ修理が、放置することで10倍近い費用になるケースもあります。

雨漏りが始まると二次被害に発展することも

下地への浸水が続くと、やがて室内への雨漏りが始まります。そうなると屋根だけの問題にとどまらず、天井や壁の内部の木材腐食、さらにはシロアリの発生といった二次被害につながるリスクがあります。

建物全体の耐久性にも関わるため、雨漏りが起きてからでは対処できる範囲が大幅に狭まります。

修理が必要なサインに気づいたら、「まだ大丈夫」と判断せず、早めに専門業者に相談することが結果的に費用を抑えることにつながります。

瓦屋根のメンテナンス、適切な時期は?

瓦屋根は耐久性の高い屋根材として知られていますが、だからこそ「うちはまだ大丈夫」と点検を後回しにしてしまいがちです。実際には、定期的に手を入れるかどうかで、屋根の寿命は大きく変わります。

兵庫県丹波市の職人さんによると、「工法・年代にもよりますが、瓦はノーメンテでも20年はもつ耐久性があります。ただ、やっぱり定期的にメンテナンスをする方がさらに長持ちしますね」とのこと。手入れを続けることで、4050年以上もつ事例も多いそうです。

参考:瓦の耐久性|株式会社鶴弥

築年数を目安に点検を

メンテナンスの時期の目安として、築年数が一つの基準になります。

築年数 状態の目安 推奨アクション
10年前後 漆喰の初期劣化が始まるころ 一度点検を依頼
20〜25年 漆喰の剥がれ・瓦のズレが出始める 修繕の要否を確認
30年以上 下地の傷みが進んでいる可能性あり 葺き替えも視野に

台風・地震の後は早めの点検を

築年数に関係なく、台風や地震の後は屋根への影響が出やすいタイミングです。強風による瓦のズレや、揺れによる棟の乱れは外から気づきにくいこともあるため、気になる場合は早めに専門業者へ相談することをおすすめします。

台風で瓦が20枚飛ばされた屋根(施工前)
 
廃番瓦を調達して復旧した屋根(施工後)

お客さまから「台風により、屋根の瓦が20枚ほど飛ばされました」とご連絡がありました。修理時、この瓦が廃番だったため、他の瓦工事店から集めて復旧しました。費用は足場代を含めて3040万円。

「そろそろかもしれない」と思ったタイミングが、実は最適な点検時期です。定期的なメンテナンスは、大きな修繕費用を防ぐための一番の備えになります。

また、台風や地震による被害は火災保険が適用できる場合があります。業者への問い合わせの時点で、相談に乗ってもらえるか確認してみるといいでしょう。

信頼できる業者の選び方

瓦屋根の修理や点検を依頼するとき、どの業者に頼むかは非常に重要です。残念ながら、屋根工事の分野では悪質な業者によるトラブルも少なくありません。

兵庫県丹波市の職人さんに、信頼できる業者を見分けるポイントを聞いたところ、こんな話をしてくれました。

兵庫県丹波市の職人さん

おどすような言い方をする業者には気をつけてほしいですね。『この瓦、今すぐ直さないと大変なことになりますよ』といった言い方で不安をあおったり、早く契約させようとしたりする業者は要注意です。

具体的には、以下のような点を確認しておくと安心です。

点検・見積りの内容が丁寧か

信頼できる業者は、現地調査の結果をわかりやすく説明し、どこがどう傷んでいるのかを写真や図で示してくれます。説明が曖昧だったり、調査もそこそこに高額な工事を勧めてくる場合は注意が必要です。

見積りの内訳が明確か

工事費用の内訳が明示されているかどうかも重要なポイントです。「一式〇〇万円」とだけ記載されている見積りは、後から追加費用が発生するリスクがあります。材料費・工賃・諸経費などが項目ごとに記載されているかを確認しましょう。

急かすような営業をしてこないか

「今日中に決めないと工事費が上がる」「この状態では今すぐ工事しないといけない」といった言い方で契約を急がせる業者は要注意です。信頼できる業者であれば、施主が納得するまで丁寧に説明し、判断の時間を与えてくれます。

確認ポイント 信頼できる業者 要注意な業者
点検・説明の丁寧さ 写真や図を使って丁寧に説明してくれる 説明が曖昧、調査もそこそこに工事を勧めてくる
見積りの内訳 材料費・工賃・諸経費など項目ごとに明示 「一式〇〇万円」のみで内訳がない
営業の姿勢 納得するまで説明し、判断の時間を与えてくれる 「今日中に決めないと」と契約を急がせる
言葉の使い方 現状をわかりやすく、冷静に伝えてくれる 「このままでは大変なことになる」と不安をあおる

参考:屋根工事の点検商法のトラブルが増えています|国民生活センター

屋根工事は高額になることも多く、一度依頼すると簡単にやり直しがきかない工事でもあります。内容をしっかり比較したうえで依頼先を決めることをおすすめします。

瓦屋根の塗装は必要?

屋根のメンテナンスを調べていると、「屋根塗装」という言葉を目にすることがあります。ところが、瓦屋根の場合、塗装が必要かどうかは瓦の種類によって異なります。

兵庫県丹波市の職人さんによると、「普通の瓦は焼き付けで仕上げているので、塗装は基本的に必要ありません。昔はセメント瓦といって塗装が必要な瓦もありましたが、今はほとんど使われなくなっています」とのことでした。

塗装が不要な瓦

一般的な粘土瓦(和瓦・洋瓦など)は、高温で焼き固めることで表面が仕上げられています。もともと塗装を前提としていないため、塗装をしても効果が長続きしないばかりか、かえって瓦の通気性を損なうケースもあります

塗装が必要な瓦

セメントを原料としたセメント瓦やモニエル瓦は、表面の防水性を保つために定期的な塗装が必要です。ただし、これらの瓦は現在新たに使われることはほとんどなく、築2030年以上の建物に残っているケースが中心です。

台風で落下したモニエル瓦(施工前)
 
モニエル瓦をグリーンに塗装して差し替えた施工後

お客さまから「台風により屋根の瓦が2枚落ちました」とご連絡。現地調査したところ、モニエル瓦(現在は製造・流通していない瓦)だったため、同業者に問い合わせをして分けていただき、グリーン色に塗装して差し替える形で復旧しました。足場代、軒天の修理も含め、費用は20~30万円。

「屋根の塗装を勧められたけれど、本当に必要なのか?」と迷ったときは、まず自宅の瓦の種類を確認してみてください。判断が難しい場合は、専門業者に相談するのが確実です。

屋根工事のご相談ならやねいろはへ

「屋根の状態が気になるけれど、どこに相談すればいいかわからない」という方には、屋根工事専門のマッチングプラットフォーム「やねいろは」をご活用ください。

「やねいろは」は当社規定の掲載基準をクリアした、顔が見える地元の屋根工事店のみ掲載。お客さま自身が直接、地元の屋根工事店に依頼が可能です。

今回ご紹介した兵庫県丹波市の職人さんも、やねいろはに掲載している工事店のひとつです。屋根工事依頼をお考えの方は、まずはやねいろはでお住いのエリアを検索してみてください。

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屋根の修理は、早めに動くほど費用を抑えられる可能性が高くなります。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

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