今回はその色の劣化について書こうと思います。
雨樋の主流はプラスチックなので、雨樋を切っても全て同じ色です。塗装で色を付けているのではありません。
しかしながら、雨樋は年数がたつと色が変わっていきます。
2.雨樋の色落ちとその原因:樋に起こる「白化現象」と「黒化現象」
(積水化学工業株式会社、住宅用総合カタログ 2017年3月版より抜粋)
その場合は、以下の2つの現象が長年の紫外線に当たることによって起こってしまいます。
白化現象(はっかげんしょう):
紫外線などで細かい穴ができて、それが光に当たると反射で白く見える現象。一般に「色が抜けている」ように言われます。
黒化現象(こっかげんしょう):
化学反応を起こして、黒くなる現象。一般に「こげ茶などに日焼けしている」ように見えます。
紫外線に当たり続けることで、このどちらが起こるかはまちまちです。白化現象ばかり起こる場合もあれば、黒化現象が起こる場合もあります。
3.雨樋の色落ちとその原因:白化現象と黒化現象が起こりやすい樋の部位
今まで一般的な話について話してきましたが、では、どういった条件だと白化現象が起こりやすく、どういった条件だと黒化現象が起こりやすいのでしょうか。
結論から言うと、色、部材、屋根の方向、屋根の部位によって、一般的に色の劣化が変わると言われています。
まず雨樋の色が濃い場合(例:黒色、しん茶色)は白化の傾向が多く、雨樋の色が薄い場合(例:白色、ベージュ色)は黒化の傾向が多いです。
また、軒とい及び竪といなどの本体(「長物」とも言われています)は押出成型を行って製造しています。押出成型をしやすくする材料配合によって、白化現象が起こりやすいと言われています。また、ジョイントやじょうごは金型成型を行って製造しています。その材料配合により、黒化の現象が起こりやすいと言われます。
更に紫外線の当たる量によって、色の変化の違いがあります。一概には言えませんが、一般的に家の方向だと、南面や西面が紫外線が強く色も劣化しやすいです。
屋根の部位だと、下屋に使用する雨樋の部分(例:はいといエルボ、はいとい落とし口)が紫外線に強く当たってしまうため、色の変化が起こりやすいと言えます。
4.雨樋の色落ちとその原因:いつから色落ちが始まるのか
(積水化学工業株式会社、住宅用総合カタログ 2017年3月版より抜粋)
では、どのくらい期間が経つと、色が変わっていくのでしょうか。
今まで書いてきたように、紫外線の強さや部位などによって非常に言いにくいのですが、ひとつ言えるのは、5年くらい経つと、劣化が始まると言われています。
段々色が薄くなる程度が多いのですが、10年位経つと、色が薄くなったように感じる方もいらっしゃる程度です。
ですので、屋根をリフォームするとき、雨樋を確認すると雨樋も付けてから10年以上経っている場合が多いので、屋根のリフォームと同時に塗装で塗り替えたり、雨樋を付け替えたりなど雨樋工事をする場合が多いです。
以上です。いがかでしたでしょうか。
最近では、白化現象や黒化現象が起こりにくい「高対候」と言われる雨樋も出てきています。
そういったものについても、雨樋工事の際に検討されるのもひとつかもしれません。
あまり目立つものではない雨樋ですが、これを機会に是非検討してみて下さい。
参考・引用:積水化学工業株式会社、住宅用総合カタログ 2017年3月版
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