1.雨樋の割れとそれを防ぐための対策(伸縮処理):はじめに
今回は雨樋の劣化の中でも、雨樋が割れてしまう現象と、その対応策として雨樋工事の際の伸縮処理を説明します。
2.雨樋の割れとそれを防ぐための対策(伸縮処理):樋の割れの原因となる伸び縮み
雨樋の劣化の中でも、災害がなければ割れはあまり起こりません。
ですが、雨樋がプラスチックの場合、熱で伸び縮みするので、伸びた雨樋同士がぶつかって、その現象が何度も続くことで、結果的に雨樋に割れが起こることがあります。
プラスチックは熱によって大きく伸縮してしまう性質を持っています。
具体的にどの程度かというと、10メートルのプラスチックで4センチ程度動くのです。
(参考:積水化学住宅用総合カタログ)
ちなみに金属屋根の材料として最近よく使われているガルバニウム鋼板も雨樋に使われていますが、ガルバニウム鋼板は鉄の板にアルミ亜鉛合金メッキを施したものです。
金属も熱で伸縮するものの、金属はプラスチックよりも伸び縮みが少ないです。
したがって、ガルバニウム鋼板で作った雨樋の方が、プラスチックの雨樋よりも割れにくいということになります。
3.雨樋の割れとそれを防ぐための対策(伸縮処理):伸び縮みに対する対策(伸縮処理)
(積水化学工業株式会社、住宅用総合カタログ 2017年3月版より抜粋)
では、このような伸び縮みがあって雨樋同士がぶつかって割れてしまう現象に対策はないのでしょうか。
勿論、メーカーとしては熱伸縮処理を行って、割れを極力防ぐようにしています。
具体的には、じょうご(写真のようなものです)を使って、雨樋同士にすき間を作って、熱で雨樋が伸びても雨樋同士がぶつからないようにするのです。
じょうごは縦といと軒といの分岐点となる役目以外にも、プラスチック雨樋の熱伸縮で雨樋同士がぶつかることを防ぐ効果も持っているのです。
したがって、じょうごは数メートルにひとつ設置するような規定があります。
4.雨樋の割れとそれを防ぐための対策(伸縮処理):まとめ
(積水化学工業株式会社、住宅用総合カタログ 2017年3月版より抜粋)
今回は以上となります。いがかでしたでしょうか。
今まで雨樋は熱で伸び縮みすると話してきましたが、最近は熱がかかっても、伸縮しにくい部材が開発されています。例えば、雨樋自体を熱に強くする加工を施す、雨樋の中に芯を入れて伸縮しにくくする等を各メーカーが行っています。
もっと詳しいことが知りたかったら、是非一度、雨樋工事のできる屋根工事店に尋ねてみて下さい。
参考・引用:積水化学工業株式会社、住宅用総合カタログ 2017年3月版
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