みなさんは「塗装」と聞くとどんなものを想像しますか?
例えば、自動車の塗装。
これが一番なじみのあるものかもしれません。
色が変われば全く違う印象になりますよね。
または、建物の塗装。
「外壁塗装」や「屋根塗装」という言葉を耳にしたことはありますか?
自動車と同様に、外壁や屋根の色が変わるだけで、建物の印象は大きく変わります。
また、見た目だけでなく、塗装をすることで建物にとって良いことがあるのです。
そこで、今回は外壁や屋根の塗装工事について取り上げてみたいと思います。
塗装の前に、そもそも「外壁」とは何でしょうか。
答えは、文字の通り建物の外まわりを構成する壁です。
建物の最も外側にあるため、外壁のデザインが結果として
建物全体のデザインに大きく影響を与えます。
では、建物のデザインを司る外壁には、どのような種類があるのでしょうか。
これまでの外壁に多かったのはセメントと砂と水を混ぜ合わせた「モルタル」でした。
しかし、現在では「サイディング」と呼ばれる板状の外壁材が主流となっています。
サイディングとは、日本語にすると「羽目板」「下見板」ということになるようです。
現在では、陶器のような風合いの窯業系サイディングが主流ですが、
金属の質感そのものを活かした金属系サイディング、
さらには樹脂系サイディングというものもあります。
では、これらの「モルタル」と「サイディング」の外壁には、
塗装が必要なのでしょうか。
答えは、どちらにも塗装が必要です。
「モルタル」は防火性・耐久性に優れており、仕上げの方法も様々です。
しかし、モルタルで仕上げた外壁は経年劣化によってひび割れや浮き、
色あせが起こることもあるため、長く保たせるためには、
塗装を定期的に行う必要があります。
その際には、仕上げにどんな性質の塗料を選ぶかも重要です。
また、「サイディング」の場合にも塗装は必要です。
しかし、はじめから塗装が必要かというと、そうではありません。
窯業系・金属系サイディングなどには、製造の過程で表面に塗装が施されています。
しかし、施工をした後に雨や風、紫外線にさらされ続けると、表面は色あせたり、
表面が白く粉をふいたように(チョーキング現象)変化したりします。
このときが塗装工事のサイン。
こういった状態の時には、外壁工事を検討してみてくださいね。
ちなみに、一般的に塗料の性能は、
アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、遮熱、光触媒の順に
等級が上がっていき、その分価格も高くなります。
さらに、この順で耐用年数も長くなっていくため、
どれくらいの予算で、どれだけの性能を求めるのかを
事前に検討しておくことも大切です。
では、屋根の塗装についてはどうでしょうか。
一般的に、定期的なメンテナンスとして塗装が必要とされるのは
「化粧スレート屋根」と「金属屋根」です。
化粧スレートは、セメントと繊維材料を混ぜ合わせて、
数ミリの薄さにした板状の屋根材です。
「化粧スレート」という言葉よりも、商品名の「カラーベスト」や
「コロニアル」というような名称で呼ばれることもあります。
金属屋根はその名の通り、加工した板金を組み合わせた屋根です。
これらの屋根材には、定期的に塗装が必要です。
まず、「化粧スレート」の場合は、雨風や紫外線によって経年劣化が進行すると、
表面の塗装のはがれや錆、カビなどが発生してしまいます。
これらに塗装を行うことで屋根自体の美観を保つだけでなく、
表面の塗装がはがれてしまったところへの防水機能の補完ができるようになります。
また、化粧スレート屋根への塗装を行うと、化粧スレートが重なり合う部分に
塗料が入り込み隙間をふさいでしまいます。
しかし、この隙間は雨水を外にはけさせるために空けておくべき重要な部分です。
そこで必要になるのが「縁切り」という作業です。
縁切りは、塗料でふさがった隙間に専用の工具を用いて
隙間を空けていく作業を指します。
これが行われていないと、雨水がうまく外にはけず、
水が屋根の内部にとどまり、雨漏りの原因となってしまうのです。
不安な場合は、屋根工事店の方へ施工後の写真撮影をお願いし、
「縁切りは行われているかどうか」を口頭での説明と写真を見ながら
確認することもおすすめです。
「金属屋根」の塗装は、見た目を変えるだけでなく、
屋根材の耐食性、耐候性に影響を与えるものです。
この塗装がはがれてしまうと、錆の発生を防ぐことができず、
屋根材が腐食され雨漏りの原因になることもあります。
そのため金属屋根については10年毎など定期的に塗装を行うことが
屋根を長持ちさせる秘訣と言えます。
このように、塗装は見た目を変えるだけでなく、屋根材自体の機能を
高める作用もあることを頭の片隅においてもらえると嬉しいです。
建物の塗装で、面積と金額のどちらも大きくなるのが「外壁」と「屋根」です。
広い面積を一括して塗装を行えば、足場代の節約などとても効率的です。
しかしその分施工金額も高額になることがあります。
だからこそ、事前にどれくらいの予算で、
どのくらい長持ちする塗装を行うかを、工事店の方と
しっかり打ち合わせしておくことをおすすめします。
塗装のことでお悩みの方、ぜひ一度「やねいろは」までご連絡ください!
参考:http://www.nyg.gr.jp/toha/index.html
日本窯業外装材協会、窯業系サイディングとは (検索日:2018年11月26日)
参考:社団法人日本金属屋根協会(2006)、
「素材からみる金属屋根と外壁」、社団法人日本金属屋根協会
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