次にウッドショックによる影響について挙げてみましょう。
・DIY木材、家具など木製商品の価格上昇
・建築物の建材の変更や工期変更、完工遅延
現在、日本では木材の7、8割を、特に梁は9割を外国産に頼っているといわれています。
建材が調達できず、工事が予定どおり進まなくなります。また予定していた木材が間に合わず代替品の使用を余儀なくされるケースも多発します。梁に使う木材の種類や重量が変わると家の強度などの計算や設計をしなおさなければならず、やはり遅延につながります。
ただ、5月末の日本屋根経済新聞の記事によると、大手ハウスメーカーについては在庫の早期確保や調達ルートを広げるなどの対応により、現時点では木材の品薄による住宅着工や竣工への影響はないとのことです。
しかし6月中旬のリフォーム産業新聞の記事によると、ウッドショックによる外材不足は深刻化していく流れにあり、地方の建築会社では7月着工する物件の半分が材木在庫の不足で見通しがたっていないという声もきこえています。
また、木材の仕入れ値は5月末時点で梁は3~5割ほど高くなっており工務店の仕入れ価格は2倍になるものもあるとのことです。
6月末の日経アーキテクチュアによると、欧州の木材は、コンテナ到着でいったんは緩和されたものの、夏~秋はまた、害虫やコンテナ価格の高騰が原因で、更に輸入価格が上がる見込みとのことです。一方、ツーバイフォー材の米国相場は、住宅ローンの滞納者増加が影響してか、下がり始めたとのことです。
工期遅延に関しては、5月の段階で一か月の工事遅延が発生している住宅会社もあり、建材の変更も含め、住宅会社とお客様との対立や訴訟に発展する恐れもあります。
また、6月下旬のリフォーム産業新聞では、末端への影響の大きさには材木販売店の在庫の少ない業態にも一因があるとのことで、材木の保管は費用がかかるため、今後は工務店と材木販売店が早い段階で情報を共有、連携し、適切な在庫を確保する仕組みの構築が必要とのことです。
・国産木材や住宅の価格上昇
現在、日本国内の山に、建材にできる木はいっぱい生えていますが、伐採や製材にはお金がかかり簡単には供給できません。少ない国産建材を皆が取り合うため価格が高騰します。もともと国産木材だけで住宅を作っていた工事店さんにも影響が及んでいます。
実際、6月下旬のリフォーム産業新聞によれば、地元に産地を持つ大手材木店でも通常扱う材木の半分以上は輸入材のため、品不足で国産材の仕入れ値も輸入材と同じだけ値上がりしたとのことです。
一方で、以前から、木の生産管理者と製材者、建築メーカーを上手くつなぐことで国産材利用推進の活動をしている団体にとって今回の騒動は活動拡大の契機となるかもしれません。
大手がSDGsの観点から国産材を積極利用する事業の計画もあるとのことです。
また6月下旬の日経アーキテクチュアでは、国内材と海外の木材の原木の性質の違いについても書かれており、国産木材の安定供給を可能にするインフラや、国産材の強度に応じた使い分けが今後の課題とのことです。大手不動産や建設会社が木材調達~加工~組立て~販売を一期通貫で行う会社を設立して取り組みを始めています。
住宅の価格については、実際のところ木材の費用は全体の工事費の2割程度ということなのですが、今後、木材不足による国内住宅市場の停滞などが発生すれば、不動産会社や工務店に悪影響が及ぶ恐れがあります。
前述のリフォーム新聞の記事によれば、実際に中規模の工務店では6月からの新築受注の制限を始めているところも多いとのことです。
一方でリフォームについては、材木を新たに取り付ける必要のない住居設備のリニューアルなどは、さほど影響はないとのことです。ただし全面改装など大掛かりなものの場合、新築以上に待たされる場合があるとのことです。
6月の日経アーキテクチュアによれば、大手の住宅メーカーが6月から一戸あたり数十万円程度の値上げを行うとみられています。
以上、木材供給不足による影響についてお話しましたが、2021年5月現在の価格の高騰は異常なので供給不足を利用した投機が原因かもしれません。価格高騰については時間が経てば落ち着いてくるのではないでしょうか?