創業50年の実績とフラットな組織力で行う、野丁場専門の板金工事会社
YOKOBAN株式会社
岐阜県羽島郡岐南町のYOKOBAN株式会社は、金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)や金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)の工事、その他各種板金工事や屋根修理を中心に行う板金工事店です。岐阜県以外に名古屋市にも支店を構え、中部地方の建設工事に広く携わり、公共事業の施工実績も多数持っています。
工事店の想い
PERSON
共に働くスタッフに心を砕き、敬意を抱く。今の時代に合ったフラットな関係性を
YOKOBAN株式会社(以下、YOKOBAN)は岐阜県羽島郡岐南町に本社・工場を構える板金工事会社です。創業は1946年(昭和21年)。老舗の工事店として、この地域の建設業を見守ってきました。主な施工は、金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)や金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)の工事、その他各種板金工事です。自社工場にて板金加工も可能等、野丁場を中心に幅広い外装工事に対応しています。
代表取締役社長の横瀬雅哉さん(以下、横瀬さん)はYOKOBANの二代目経営者。この会社は横瀬さんのお父さんが創業したため、幼い頃から家業が工事店だとは知っていましたが、仕事の詳細までは理解していなかったといいます。
「私が小さい頃、自宅には事務所と社員寮が併設してあり、その当時の社員さんに遊び相手になっていただくなど、今思うと、小さい頃から会社との距離は近かったように思います。ただ、工場が別の場所にあったこともあり、どんな仕事かは見えてなかったので、仕事の具体的な内容まではわかっていませんでした。会社を継ぐのを意識したのは2011年頃、父が旭日双光章を授章した時ですね。それまで調理の道にいたんですが、それを辞めて家に戻りました」
横瀬さんは現在板金工事会社の代表取締役社長ですが、この仕事に就くまでは飲食業で調理師として身を立てたいと考えていたそう。調理の道に進んだのは、子どもの頃に両親が共働きだったため、家庭科の調理実習で作った料理をよく自宅で再現しており、それが面白かったという経験からでした。
「親が共働きで家に誰もいなかったから、勝手に作って食べていました。高校生くらいになるとパラパラチャーハンを目指したりしてね。でも、親に食べさせたっていう記憶はないなあ。お腹が空いたから作って食べていたという感じですね。小学生の時は読書が好きで江戸川乱歩の少年探偵団をよく読んでいました。家の徒歩圏内に市立図書館があったので、夏休みは通い詰めて、そこで江戸川乱歩は読破したんですよ。小学生から高校生まではそんな感じで過ごしていましたね」
横瀬さんがYOKOBANの前身である株式会社横瀬板金工業所に家業を継ぐために入社したのは2012年です。入社後2年ほどは現場で職人として働きました。建設現場は体力的に厳しい仕事ですが、体を動かして働くことに苦はなかったそうです。
「体が動き出してしまえば、そんなにつらいことはなかったかな。夏の暑さと冬の寒さはやっぱりきつかったですけどね。実は高いところが苦手で、鉄骨の上を歩くのは怖かったです。でも、足場や広い屋根とか、『落ちる』っていう心配がない場所ならどうにか耐えられました。板金加工の細かい仕事の技術については、先輩にみっちり教えてもらって身に付けたんです。その当時教えていただいた先輩方には頭が上がらないですね」と穏やかに笑われる横瀬さん。
建設業界の人手不足は慢性的な問題ですが、横瀬さんは早くも次の世代のことを考えています。
「会社の経営状態とかを考慮しながら、私より若い世代をどうにか将来の経営者として育てていきたいですね。スタッフの中から『私がやります』と腹をくくってくれる人が現れると嬉しいですよね」
横瀬さんが代表取締役社長になってからは、それまで会社として「押し付けていたのではないか」という慣習を見直しました。現場で活躍する社員の声をダイレクトに拾い、働きやすい環境や制度を整えるよう努めてきたそう。
「私は、社内での『フラットな関係性』を大切にしたいと考えています。若手と社長が対等に話せるような環境がいいですよね。そういう関係性を少しずつ築いているつもりなので、この先どうなっていくか楽しみです。社長一人では組織は成り立ちません。スタッフ一人ひとりがいるからこそ会社は動くんだということを考えると、入社してくれたスタッフ皆に敬意を払いたいんです。役職者がスタッフを呼ぶ時も敬称を付けますし、役職を振りかざさない意識を全員で持つことが大切だと考えています」
働きやすいように、そして意見が言いやすいように。横瀬さんは業務についてはもちろん、共に働くスタッフについても心を砕いています。YOKOBANは現場作業で技術が必要な板金工事会社ですが、未経験者を積極的に採用し、仕事を覚えながら会社と共に成長してもらいたいと願っているのです。
「直近5年間で採用したスタッフ達は、みんな建設業の経験者がいないんです。現場職でも営業職でも、高校卒業してすぐ、大学卒業してすぐだともちろん経験なんてありませんよね。営業職にしても建築板金業界の知識があればもちろん嬉しいですが、うちに入社する人は経験ゼロだったりします。同業他社さんからうちに来るというのは意外とないんですよ」
年間の売り上げ目標を果たすため、社内では様々なプロジェクトが動き出しています。2024年現在、新社屋の建設も終了し、そちらに移り基盤を作っていっています。それに伴い雇用も増やし、入社してきた人には成長のための協力を惜しまないと、横瀬さんは語っていました。
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WORK
受注だけを意識しない。その後の動向も見据えた野丁場の施工を部署一丸となって選定
岐阜県羽島郡岐南町のYOKOBANは、金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)や金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)、その他板金工事全般を施工する板金工事会社です。ビルや社屋、公共事業等の大規模な建設工事や改修工事を主に行っています。公共事業の施工実績も高く、2021年(令和3年)完成の岐阜市役所新庁舎、さらに2023年(令和5年)1月に新しく開庁した岐阜県庁の屋根工事の施工に携わっており、地域での信頼が厚いことが伺えます。
YOKOBANは営業・設計管理・工事・建材事業、四つの部署が連携し、施工を行います。営業部が受注、またはこれから受注予定の案件を、設計管理部や工事部とのミーティングですり合わせ、方針や工程を決定します。
「まず『判断』が最初の仕事ですね。仕事をする上で当然のことなんですが、できないことをできると言ってしまうと、大変なことになってしまいます。営業部の見積り段階でこのような内容でいけるのかどうか、設計管理と工事の方で判断しなければいけません。できないとなった場合、お客さまの意向とかけ離れない程度の提案をする必要も出てくるわけです。例えば、意匠重視で求められている工事に対して、そうするためには『じゃあここはこうしないと納まらない』となると、営業部は着地点を社内で決定し、次にお客さまと交渉しなければいけません。方針決定に至るまで、社内的にはバタバタしますね。建物の形状や使用材料で予算も施工方法も変わるので、受注するだけに意識を持って行かず、その後のことも検討して動くのが大切ですね」
岐阜県庁の工事でYOKOBANは屋根を担当。数種類の屋根材を場所ごとに使い分けて施工しました。大型物件を見積りする場合、先方が求める予算と施工案の折り合いを付けるために、YOKOBAN側から予算内で可能な工事案をプレゼンします。そのときに意識しなければいけないのは、デザイナーの求める意匠を損なわない形で決められた予算に基づいた見積りを作ることです。公共事業工事は多岐にわたる承認申請等の手続きが重なるため、どのような会社でも対応できるわけではありません。
そして、予算とのすり合わせ以上に厳しいのが板金施工の納まり。例えば今回の県庁の場合、竣工後に雨漏りが発生するなどあってはならない事態です。そのような事態を避けるため、図面の段階で雨漏りが起きそうな施工を指摘し、設計図を改変していく作業も必要になってきます。
「施工前の段階が大変なんです。設計図を確認しながらじっくり精査していかなければならないのですが、YOKOBANには設計図をおこし、現場で打ち合わせをする部署があるので、スムーズに対応できます。でも、密な打ち合わせを行って、納まりが決定しても公共事業の場合はこちらで独自に動くわけにいかないんです。許可承認を得た図面しか現場作業に繋げられないので、その対応がスムーズにできるのが弊社の強みでもありますね。YOKOBANは下請けとは言っても一次でしか入らないので、一次下請け業者としての責任を背負っています。今回の県庁のほか、岐阜市の市役所、県内全域の市庁舎もやらせてもらっている関係で、公共事業への対応に慣れているのがYOKOBANの大きな特色ですね」
公共事業の他は、物流倉庫等の大規模な新築工事と改修工事が主な取扱い案件です。1万平米以上の広さのある倉庫や工場は、一般住宅と違い受注から完工まで時間と手数がかかりますが、これまでの実績であらゆる現場の想定ができると横瀬さんは胸を張ります。お客さまからは「この工事は、YOKOBANさんにしかできない」という言葉とセットで難しい工事の依頼が多数寄せられますが、それらの期待に応えるだけの組織力と機動力を、YOKOBANは備えているのです。
「YOKOBANは、住宅ではなく工場や倉庫などの野丁場専門の施工会社なのですが、そういったお客さまから『お声がかかれば、応えていく』という信条で動いています。ゼネコンなどのお客さまからの問い合わせに、簡単にできません、やりません、は言いません。難しいなと思っても解釈を変えて、私たちができる最善策を必ず見つけてお応えします。特に改修工事は、これまでの実績からあらゆる事態を想定して不具合の解決策を導き出しますね。雨漏り修理は原因解明が大きなカギですが、『原因がわからないのがわからない』というほど、自信を持って修理完了まで持っていきます。弊社は大きな物件の工事が多いので、場所によってはドローンを活用して、隅々まで見て点検をします」
岐阜県羽島郡岐南町の金属屋根工事の特性について尋ねました。
岐阜県は大きく北と南に分かれています。南側は岐阜市に本社を構えるYOKOBANがある美濃地方、そして北側は飛騨高山を代表とする飛騨地方が広がっています。北と南は地形や天候の違いがあり当然施工の違いも出てきますが、岐阜市や羽島郡周辺は、気候に左右される工事はほとんどないそうです。
「ごくたまに雨や風が強い時がありますが、一般住宅の現場とは違い、大規模な現場の工事が雨で休止になることはほとんどないですね。ただ、足元は鋼板で濡れていると滑って危険性が増すので、その点は現場責任者が管理をしています」
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MESSAGE
創業50年で培った組織力。社員の力はもちろん、各方面から協力を仰げるのが大きな強み
YOKOBANのアフターフォローは、施工内容による自社保証書の発行、その他自社施工物件については直接お問い合わせいただければ即時対応しています。保証内容は工事により異なるため、契約時に確認が必要です。
「あってはならないのですが、万が一の不具合には誠意をもって対応しています。私たち板金屋は施工時にどれだけ雨漏りしない工夫を凝らせるか、それが仕事なんです。大規模現場では、図面からは見えてこない納まりの悪さが必ずといっていいほど見つかります。『図面のまま施工すると漏れる』という事態をどう納めるか、いかにしてこれまでの経験や知見を総動員させるかが大切です。引き渡し後の不具合も同様で、何が起こっているのかを見極めて対応しております」
最後に「やねいろは」をご覧になっている、工場や倉庫の雨漏りや金属屋根の劣化でお困りのお客さま、そして倉庫や社屋、店舗等の屋根リフォーム・屋根修理を検討しているお客さまへメッセージです。
「野丁場専門のYOKOBANの強みは大規模工事に対応できる組織力です。年間の工事件数はスタッフの人数が確保されていないと対応できません。現在のスタッフの過半数が工事部門のスタッフで、最大その人数までがひとつの現場に配置できるんです。そしてそこに協力会社の人数が加われば倍以上の人数になって、ますます機動力が増し、物件の規模を問わずあらゆる方面に対応が可能になります。部署間の連携も取れていますし、それらを総じて『YOKOBANの組織力』として、捉えていただけたらと思います。社内だけではなく板金組合や各方面の協力工事店、弊社のOB、あらゆるところで繋がっていて地域をまたいだ仕事もできます。様々なケースの相談に乗れますので、倉庫等の板金工事のことならお気軽にお問い合わせください」
YOKOBANは、会社創業から50年の歴史の中で、年間400件超、総数15000件以上の案件に携わってきた実績と経験があります。それらを活かし、あらゆるパターンの工事を想定して施工方法を編み出し、地域に貢献してきました。培われたノウハウは各現場で熟練の職人たちの手によりブラッシュアップされ、さらに洗練されたものになります。体制盤石な企業ならではの良好な循環、それによって出来上がった揺るぎない組織力を目の当たりにした取材でした。
(2023年2月取材)
(2024年7月加筆修正)
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取材後記
YOKOBAN株式会社
好奇心旺盛で新しいもの好き
「android端末からiPhoneに変えたら、世界が変わったんですよ」と楽しそうに話していた横瀬さん。普段から新しいものが好きで、新製品の材料や道具も積極的に取り入れたくなるそうです。YOKOBANの組織力の成長は、横瀬さんの柔軟なものの考え方が大きく影響しているのかもしれません。そして、横瀬さんの魅力がもうひとつ。各種の大きな事業に関わっている会社の代表取締役社長ながら、ゆったりと穏やかな話し方。言葉選びに慎重なその様子がとても印象的でした。
社員との対話を重視
横瀬さんは休憩時にスタッフと色々な話をするそう。それは、「社内で役職にこだわらず、対等に意見を交わせる関係を築いていきたい」という気持ちの表れからです。会社によっては、「社長」という人は雲の上の存在で、特に新入社員が気軽に話しかけるなんてできないですよね。社長と社員が「直接意見交換をする機会がある」ことがとても驚きでした。きっと数年後、YOKOBANは社員が意見を交わすのが当然の環境になっているのではないでしょうか。
福利厚生を充実させて働きやすく
YOKOBANは社員の働く環境も整備しています。横瀬さんが抱く「対等な関係性を」等のソフト面のほか、フィットネスクラブの法人会員になるなど福利厚生面を整え、社員が自由に使えるようにして楽しんでもらっているそう。「今、健康ブームでしょ。職人たちなんて日頃から動いているから不要かなとも思うんだけど。ほら、『見せる筋肉』をつける野望とかさ。強制ではないんですけど、健康づくりの手伝いになればと思ってね」と横瀬さん自身も楽しそうに話していました。
雨漏り修理は原因解明が当然
雨漏り修理について尋ねたところ、「わからないことがわからない」と横瀬さんからパンチのあるワードが飛び出しました。雨漏りは原因解明が何より大切ですが、屋根の水の流れは予想もつかない動線に及ぶこともあり、ベテランの屋根職人でも原因解明に時間がかかる時があります。YOKOBANにかかると、原因が探せ出せないなんて考えられないとのこと。年間400件以上の現場をこなす老舗工事店の頼もしさを見ました。
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工事店プロフィール(YOKOBAN株式会社)
| 一番の強み |
各部署の連携の良さが常日頃から発揮され、その組織力が実績に裏付けられているところ |
| 会社名 |
YOKOBAN株式会社 |
| 対応工事 |
|
| 従業員数 |
社員:49名 |
| 建設業許可 |
屋根工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、板金工事業(岐阜県知事許可(般―1)第3826号)
大工工事業、左官工事業、石工事業、ガラス工事業、塗装工事業、防水工事業、内装仕上工事業、熱絶縁工事業、建具工事業(岐阜県知事許可(般―3)第3826号) |
| 保有資格者 |
一級建築板金技能士:13名
二級建築板金技能士:3名
一級建築施工管理技士:2名
二級建築施工管理技士:4名
第二種電気工事士:1名
建設マスター(屋根工):1名
建設ジュニアマスター:1名
巻上げ機運転者:3名
丸のこ等取扱従事者:4名
研削砥石の取替え等の業務に係る特別教育:21名
高所作業車運転者:20名
職長安全衛生責任者:19名
石綿取扱作業従事者:3名
玉掛作業者:29名
職業訓練指導員:3名
監理技術者:3名
登録建築板金基幹技能者:11名
一級建築士:1名
二級建築士:1名
建築積算士:1名 |
| 特徴 |
リフォーム業
金属屋根工事業
その他屋根工事業
雨樋工事業 |
| 対応エリア |
中部地方
近畿地方
|
| アフターフォロー体制 |
日本商工会議所ビジネス総合保険制度に加入しています。
ご希望に応じて保証書を発行します。 |
| やねいろはケア |
未対応 |
| 代表者 |
横瀬 雅哉 |
| 代表者経歴 |
YOKOBAN株式会社 代表取締役社長
1996年3月:岐阜県立岐南工業高等学校 卒業
2002年2月:株式会社横瀬板金工業所 入社
2004年8月:株式会社横瀬板金工業所 退社
2004年12月:ジャパン株式会社 入社
2012年9月:ジャパン株式会社 退社
2012年10月:株式会社横瀬板金工業所 入社
2016年7月:株式会社横瀬板金工業所 取締役 総務部長 就任
2022年9月:株式会社横瀬板金工業所 代表取締役社長 就任
2022年10月:YOKOBAN株式会社 社名変更 |
| 所在地 |
〒501-6003
岐阜県羽島郡岐南町平島1-202
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|
| 営業時間 |
毎週月~金曜日 7:45~17:15 |
| 定休日 |
土曜日、日曜日、祝日、年末年始休業、大型連休(ゴールデンウィーク)、夏季休業(お盆休み)、設立記念日(6月1日) |