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「屋根が 古くなってきた」について

2018.04.07 瓦屋根の棟劣化

瓦屋根は棟が劣化する




1.瓦屋根は棟が劣化する:はじめに


一般の方には、あまり知られていませんが、屋根リフォームなどでよく目にする屋根の劣化があります。
それは、瓦屋根の棟部(屋根の頂部)において、しっくい(※1)のはがれが発生している現象です。

瓦屋根の棟部(屋根の頂点)/ しっくいのはがれ (屋根材:J形瓦)

瓦屋根の棟部(屋根の頂点)/ しっくいのはがれ (屋根材:J形瓦)

瓦屋根自体は問題がないのですが、残念ながら棟部・しっくいのはがれは発生します。
結果、20~30年で部分補修が必要となる瓦屋根の棟部の劣化とその対策を紹介いたします。

(※1)しっくい:瓦屋根の一番上の部分(棟瓦)とその下の部分(桟瓦)の間にある空洞を埋めるためのものの総称(であることが多い。厳密には異なるが)。以前は砂や粘土を敷き詰め、その表面を白く塗っていたが、現在はしっくいとして、「なんばん(しっくい)」と呼ばれる石灰や炭酸カルシウム、繊維を混ぜたもの(最初から白いため最後の塗り工程が不要)を使うことが多くなった。なお、しっくいは白と黒が大多数。しっくいの白と黒の使い分けはその周りに使う瓦の色により異なる。

2.瓦屋根は棟が劣化する:瓦屋根は20~30年で棟が劣化する


実際に屋根補修で見かけた瓦屋根の棟部の劣化はこのようなものです。

瓦屋根の棟部 / しっくいのはがれ(屋根材:S形瓦)

瓦屋根の棟部 / しっくいのはがれ(屋根材:S形瓦)

台風の強風により、瓦が飛散したため、補修に入った現場です。
棟部を見てみるとしっくいがはがれ、その奥にある葺き土(黄土色)が一部崩壊しています。
このようなしっくいのはがれは築年数が20年以上を経過した屋根で見られる現象です。
しっくいがはがれてもすぐに雨漏りすることはありませんが、この現場のように、葺き土が崩壊してくると補修が必要となります。
補修としては、しっくいの塗り直しが一般的と言えます。

3.瓦屋根は棟が劣化する:その原因と対策は?


しっくいがはがれる原因としては、しっくいと葺き土の間の密着力の低下です。
わかりにくいので、その断面写真を示します。

棟部の解体途中 / しっくいと葺き土の関係

棟部の解体途中 / しっくいと葺き土の関係

しっくいは石灰が主成分の白い粘土状のもので、撥水性があり、雨水の浸入を防ぐ効果があります。
写真のように棟部の葺き土の外表面に厚み10mm程度で塗られます。
しっくいの役割としては、大きく2つあります。
1つ目は雨水により葺き土が浸食されることを防ぐ、防水材の役割です。
2つ目は見た目が白くきれいなため、意匠的な役割です。
はがれの原因としては、経年でしっくいにひび割れが発生し、葺き土としっくいの間に隙間ができ密着力が低下し、風、雨などの外力によりはがれが発生します。

はがれるとメンテナンスとして、しっくいの塗り直しを行っていました。
そのため、20~30年程度の周期で劣化し、部分補修が必要となっています。

現在は、その劣化対策も普及しています。
瓦本体の耐久性が高いので、それに見合うようにと(しっくい+葺き土)の代わりに南蛮漆喰(なんばんしっくい)1種類で仕上げる施工方法があります。

南蛮漆喰による棟部の施工

南蛮漆喰による棟部の施工

南蛮漆喰1種類で棟部を施工することで、しっくいと葺き土のような隙間ができることはありません。
南蛮漆喰自体はしっくいと同じように防水材であるため、雨水による浸食もわずかです。
この仕様であれば、瓦本体の耐久性に近い寿命が期待できるため、部分補修も大幅に削減することにつながります。

4.瓦屋根は棟が劣化する:まとめ


瓦屋根の棟部の劣化に関して、劣化事例とその原因をご紹介しました。
瓦屋根にお住まいの方は、棟部のメンテナンスが必要となります。
しっくいの塗り直しもいいですが、棟部を南蛮漆喰で葺き直しされることをお勧めいたします。そのときは、耐震補強も併せて行ってください。(費用は少しアップするぐらいです。)
これらのメンテナンスは瓦屋根工事店さんしかできませんので、やねいろはに登録されている工事店さんにご依頼ください。

(株式会社神清 神谷昭範)

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著者:神谷昭範
kamiya akinori
1968年に愛知県生まれ。94年に慶應義塾大学大学院応用化学科修士課程を修了。同年、屋根材メーカーの神清に入社。2003年に常務取締役に就任する。屋根材の製造や設計・施工をはじめ、雨漏りの調査や診断なども幅広く手掛けている。

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