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「屋根が 古くなってきた」について

2018.02.23 金属屋根の軒先劣化とその原因

金属屋根の軒先が劣化!?その原因とは?




1.金属屋根の軒先が劣化!?:はじめに


今年2018年の冬は大雪が降るなど非常に気候の変化が激しかったですね。
お昼が少し暖かくなってきたので、やっと少し過ごしやすくなってきたのではないかと思われる方も多いのではないのでしょうか。

さて、屋根業界以外の方には、まず知られていないのですが、屋根リフォームなどで目にすることがある屋根の劣化があります。
それは、金属屋根材で作られた屋根の先端(軒先部)に錆が発生している、というものです。

金属屋根の軒先部(屋根の先端)

金属屋根の軒先部(屋根の先端)

定期的に再塗装のメンテナンスをしていても、残念ながら軒先部の錆は発生します。
結果、20~30年で葺き替えが必要となってしまう可能性が高い金属屋根の軒先部の劣化とその原因を紹介いたします。



2.金属屋根の軒先が劣化!?:金属屋根は軒先が劣化


実際に屋根リフォームで見かけた金属屋根の軒先部の劣化はこのようなものです。

金属屋根の軒先部(金属屋根材:心木あり瓦棒葺)

金属屋根の軒先部(金属屋根材:心木あり瓦棒葺)

金属屋根の縦葺タイプ(屋根の流れ方向に長尺となっているタイプ)を葺き替えするとこのような劣化をよく目にします。
金属屋根材の軒先部(金属屋根材裏面及び唐草水切り)が腐食しています。
この現場では、以前のメンテナンスで、表面の再塗装は既に行われていました。

金属屋根の再塗装後の劣化/塗膜のはがれ

金属屋根の再塗装後の劣化/塗膜のはがれ

ではなぜ今回はメンテナンスとして、更なる塗装ではなく、葺き替えを提案して施主さまにご納得頂けたのでしょうか。
理由は、金属屋根の軒先部の錆が進行して、孔開き状態となっていたからです。
縦葺タイプは軒先部が唐草水切りにしっかり固定されて初めて、耐風性能(風に対する強さ)を発揮するため、このように軒先部が腐食すると屋根全体を葺き替えしなければなりません。

 

3.金属屋根の軒先が劣化!?:その原因は?


金属屋根材の裏面はその塗装がサービスコート(1コート・1ベーク/1度塗り・1度乾燥)と呼ばれていて、表面の塗装(2コート・2ベーク)に比べて、耐久性は重要視されていません。
なぜかと言うと裏面は劣化しにくいと考えられているからです。
その理由としては、以下の2つがあります。
①裏面には、紫外線が当たらない
②裏面には、水分が浸入しない
しかし、実際には水分が浸入して想定外に軒先部の劣化が進行しています。
その水分による劣化の仕組みは以下の通りです。
・金属屋根の軒先部裏面には、わずかな雨水浸入(軒先部や棟部から)や結露により湿潤している
・金属屋根は野地板・ルーフィングとの密閉度が高く、一度浸入した裏面の水分は排出されにくくなっている
・特に、軒先部は唐草水切りにつかみこんでいるため、雨水が溜まる構造となっている
これらが要因で、長時間、軒先部裏面は水分と接して、軒先部表面に比べて劣化が進みます。

さらに、裏面に対しては再塗装などのメンテナンスは行えません。
そのため、金属屋根の表面をメンテナンスしていても、軒先部裏面の劣化が金属屋根の寿命を決めることになります。

軒先部裏面が腐食している様子

軒先部裏面が腐食している様子

一般に鉄の静水中・腐食速度は0.1mm/年と言われています。
軒先部裏面で、雨水や結露水などとの接触時間が年間の1/5とすると0.02mm/年となります。
屋根材の肉厚が0.35mmであるため、17.5年で屋根材に孔が開くことになります。
築20年を経過すると軒先が劣化して孔が開く現象と大体、合致します。

4.金属屋根の軒先が劣化!?:まとめ


金属屋根の軒先部の劣化に関して、劣化事例とその原因をご紹介しました。
金属屋根にお住まいの方は、軒先部の劣化を見て、メンテナンス方法や葺き替え時期を判断してください。
裏面に対しては再塗装などのメンテナンスは行えないので、再塗装をしてももったいないです。
しっかりと屋根工事店さんに確認してもらって、メンテナンスを行いましょう。

因みに、金属屋根材の原料となるコイル(原版となります)は大手メーカーが生産しています。
それを加工して、屋根材を作ることや軒先・けらば・棟などの納まりなどは、金属工事店さんなどが担当になります。
早期に、屋根業界としての軒先部劣化対策が示されることを期待しています。

(株式会社神清 神谷昭範)

 

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著者:神谷昭範
kamiya akinori
1968年に愛知県生まれ。94年に慶應義塾大学大学院応用化学科修士課程を修了。同年、屋根材メーカーの神清に入社。2003年に常務取締役に就任する。屋根材の製造や設計・施工をはじめ、雨漏りの調査や診断なども幅広く手掛けている。

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