自社施工でプロの屋根・雨樋修理を提供。地域と共に歩んできた老舗工事店
有限会社嶺岸建築板金
宮城県仙台市若林区の有限会社嶺岸建築板金は、主に金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)・金属系外壁の施工を手掛けています。塗装や大工工事など、その他の屋根リフォームは協力業者と共に対応。創業から90年以上、三代にわたり地域の屋根を守ってきた工事店です。
工事店の想い
PERSON
会社をともに切り盛りする父と子は、板金の道へ入った経緯も得意分野も対照的
宮城県仙台市若林区の有限会社嶺岸建築板金(以下、嶺岸建築板金)は、金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)や金属系外壁の施工をメインで手掛ける1931年創業の工事店です。雨樋(あまどい)修理や雨漏り修理にも対応しています。代表取締役の嶺岸隆幸さん(以下、隆幸さん)と取締役の嶺岸慎太郎さん(以下、慎太郎さん)に話を伺いました。
「板金業を営んでいる家に育ったので、板金は小さい頃から身近な存在でした。先代である父は毎日朝早くから土日も関係なく働いていて、ずいぶん忙しそうだなぁと思って見ていたのを覚えています。私は当初家業を継ぐ気はなかったので、大学を卒業した後はメーカーに営業職で入社しました。最終的には父からの勧めもあって継ぐことになったんですが、営業の経験があったおかげで、板金業に入ってからもお客さま対応では困らなかったかな」
家業に入るつもりがなかった隆幸さんとは対照的に、慎太郎さんは小さい頃から、漠然といつかは自分が後を継ぐと思っていたそう。高校を中退した頃に、ちょうど東日本大震災の復興工事で忙しかった家業を手伝ったことがきっかけで、本格的に職人の道を歩み始めました。もともと体を動かすのが好きなタイプでものづくりも好きだったため、板金職人の仕事は向いていると感じたそうです。
「正式に入社する前に瓦下ろしなどを手伝っていたんですけど、そしたらもう机に向かって何かをするというのは厳しいなと思うようになったんです。体を動かして働く方が合っていたんですよね。小さい頃は図工が好きだったので、板金の細かい作業も楽しかった。逆に苦労したのはお客さま対応かな。知識はあるので現場管理の人と話をするのは問題ないんだけど、お客さま対応はまた別だと感じています。まだまだ勉強中ですね」
そう話していた慎太郎さんですが、隆幸さんは慎太郎さんについて「今ではスタッフから一番頼りにされる存在になった」と語っていました。慎太郎さんは職人さんたちから技術的な相談をよくされるそうで、慎太郎さんが職人さんたちに厚く信頼されていることがうかがえます。
「うちの職人はみんな未経験から始めたので、新しく未経験の人が入ってきても問題なく育成できます。スタッフは比較的若い世代中心だし、40代の人も20代の子と仲良くやっているような職場ですね。休日手当や有給休暇などの福利厚生もしっかりしているので、働きやすい会社だと思いますよ。離職率も低いんです。会社として請けられる仕事を増やすためにも、今後はさらに職人を増やしていきたいですね。興味のある方はぜひご連絡ください」
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WORK
忘れられないのは、初めて自分の意見がお客さまに受け入れてもらえた時の喜び
宮城県仙台市若林区に拠点を構える嶺岸建築板金は、金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)・金属系外壁の施工を中心に、雨樋修理や防水工事・内装工事など家に関するリフォームを幅広く手掛ける工事店です。引き続き取締役の慎太郎さんに実際の施工について伺いました。
「ちょうど今、新築で工場の屋根を外壁とセットで施工しています。工場の場合、材料は基本的に全部重量物になってくるし、住宅より高さもある。レッカーを使う仕事も増えるので、より危険を伴います。あと大きい現場だと工期も長くなるから、同じ現場が続いてどうしても慣れてきてしまうんですね。慣れは油断に繋がるので怖い。日々気を引き締めるよう心掛けて、安全には特に注意して施工にあたっています」
また一般住宅の屋根リフォームでは、金属屋根の張り替えを行いました。リフォームの場合、家の中にはお客さまが住んでいる状態なので、既存屋根を解体して下葺きを終えるところまで、なるべく一日で完了させるようにしているとのこと。下葺きまで完成していれば、雨漏りの心配はなくなるからだと教えてくれました。
「仕事を始めたばかりの頃、色で迷っているお客さまに対応したことがあって、僕はブラックパールという色をお勧めしたんです。ブラックパールは瓦の色と似ているから、色褪せてもわかりにくいし僕は気に入っている色なんですね。お勧めの理由を丁寧に説明したら、お客さまが『じゃあそれでお願いする』と言ってくれて。初めて自分の意見がお客さまに受け入れてもらえた気がして、すごく嬉しかったのを覚えています。接客にはちょっと苦手意識があったので、余計に印象に残っているのかもしれないですね」
嶺岸建築板金では、雨漏り修理にも対応しています。台風の後は特に問い合わせが増えるそう。天候が落ち着いたら現地に行き、まずは雨漏り箇所をお客さまに確認してから目視点検を行います。スタッフの安全面を考慮し、足場が掛かっていない段階では屋根の上に上がらないようにしているとのこと。外から確認するか、ベランダから見える位置であればそこから確認するなど、可能な範囲で点検を行います。目視でだいたいの原因は特定できるそうです。
「屋根からの雨漏りの場合、原因として多いのは棟(※1)周りですね。コーキング(※2)で補修できるようならコーキングで部分的に直していきます。屋根が風で飛んでしまいそうなほど傷みがひどければ、張り替えやカバー工法(※3)を提案する場合もあります」
宮城県仙台市の屋根工事について尋ねました。仙台市は沿岸部で特に風が強いため、板金の役物(※4)の重なる部分は風向きを考慮して施工しています。重なる場所に強く雨がぶつかると雨漏りに繋がるためだそうです。また宮城県は雪が多く降るイメージがありますが、仙台市はそれほどでもないとのこと。1年を通して施工しやすい地域だと教えてくれました。
「仕事をする上で気を付けているのは、挨拶や言葉遣いなど基本的なことですね。お客さまは専門的なことはわからないので、難しい言葉はなるべく使わずに工事内容を説明するようにしています。うちのスタッフはみんな、職人でも自分で見積りを作るし請求書も書くし、経営者の視点で仕事ができるように育成しているので、誰がリーダーになってもお客さまとスムーズにやり取りできる体制になっていますよ。安心してお任せいただければと思います」
※1 棟・・・屋根が交差して山型になったその部分。または、屋根の頂上にある水平な部位
※2 コーキング・・・継ぎ目の隙間を埋める目地材
※3 カバー工法・・・金属屋根や外壁の重ね張りをするリフォーム方法
※4 役物・・・屋根の役物は防水、端部の固定、外観の印象付けのため先端部や勾配の頂部にとりつける部品
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MESSAGE
年に1回のアフターサービスで、困った時に頼ってもらえる地域の板金店に
「年末年始にはアフターサービスとして、お客さまのところへカレンダーを持ってご挨拶に伺っています。僕が入社した時にはすでにやっていたし、物心ついた時には年末年始になると家にカレンダーの箱があったような気がするので、もうかなり長く続けているんじゃないかな。1年に1回お客さまにお会いして様子を伺うことができる貴重な機会になっていると思います。地域の工事店として、何かあった時に頼っていただける存在でいたいですね」
嶺岸建築板金のアピールポイントを尋ねると、「スタッフみんな、変に強いこだわりとかはなくて、良いと思ったことはすぐに吸収する臨機応変さがあるところかな」と慎太郎さん。応援を頼まれた現場で自社にはない良いところを見つけたら、自社の現場でもどんどん取り入れるようにしているのだとか。昔気質の職人さんは「こうあるべき」という強い独自の考えを持っている人が多いイメージがありますが、慎太郎さん自身を含め、嶺岸建築板金の職人さんは柔軟な考え方をする人ばかりだそうです。
最後に「やねいろは」をご覧になっている、雨漏りや金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)の劣化でお困りのお客さま、そして屋根リフォーム・屋根修理を検討しているお客さまにメッセージです。
「うちは基本的には自社職人が施工しているので、ヒアリングで聞き取ったお客さまの要望をしっかり現場に伝えることができます。営業と職人の間で話が通ってないと、お客さまはどうしても不安になりますよね。自社施工であればそういう事態は避けられるので、ストレスなく安心して任せていただけるのではないかと思います。まずはご相談からで大丈夫です。お問い合わせ、お待ちしています」
嶺岸建築板金では、朝と夕方の1日2回、毎日ミーティングを行っているとのこと。遠い現場の日は朝が早くなるため難しい場合もありますが、基本的には毎朝顔を合わせて一緒にコーヒーを飲み、しっかり話をしているそう。スタッフ間のコミュニケーションを大事にしているからこそ、情報共有も漏れがなく、円滑に仕事を進められるのだと感じました。
(2024年4月取材)
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取材後記
有限会社嶺岸建築板金
社員が一丸となり乗り越えた震災
東日本大震災の後、復興のための工事で仕事が増えたり慎太郎さんが入社したり、いろいろな変化があった嶺岸建築板金。仕事が増えたことでスタッフを増員し、大型物件に対応できるようになったり福利厚生など会社の体制を整えるきっかけになったりと、震災は会社が成長するひとつの転機だったようです。被災後の過酷な状況の中でもなんとか仕事をしていこうと、嶺岸建築板金のスタッフが一丸となって頑張っていた様子が伝わってきました。
どこでも活躍できる人材を育てる
嶺岸建築板金の職人は全員、見積りや発注、請求書作成などの事務作業もできるとのこと。それは隆幸さんが以前会社勤めをしていた経験から、「職人だからといって現場のことしかできないのは違うんじゃないか」「どこの会社に行っても通用する人材に育ってほしい」という考えを持っているからだそう。隆幸さんは若い世代の未来を預かることに強い責任感を持っている方なんだと感じました。
屋根修理・屋根リフォーム事例(有限会社嶺岸建築板金)3件

雨樋工事(取替)
Y.M様 (宮城県仙台市太白区)
更新日 2024.12.26
before
after
- 建物種別
- 一戸建て
- 価格
- 10〜20万円
- 施工期間
- 0〜1日
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工事店プロフィール(有限会社嶺岸建築板金)
一番の強み |
長い歴史を持ちしっかりとした実績と技術がある一方で、他社の良い所を吸収する意欲が高く柔軟な社風があるところ |
会社名 |
有限会社嶺岸建築板金 |
対応工事 |
|
従業員数 |
社員:10名 |
建設業許可 |
大工工事業、左官工事業、石工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、ガラス工事業、塗装工事業、防水工事業、内装仕上工事業、熱絶縁工事業、建具工事業(宮城県知事許可(般―5)第17954号)
屋根工事業、板金工事業(宮城県知事許可(般―4)第17954号) |
保有資格者 |
一級建築板金技能士:1名
二級建築板金技能士:2名
二級建築施工管理技士:1名
研削砥石の取取替え等の業務に係る特別教育:3名
高所作業車運転者:7名
職長安全衛生責任者:7名
石綿取扱作業従事者:1名
玉掛作業者:7名
フルハーネス特別教育修了者:8名
足場点検実務者:6名
建築物石綿含有建材調査者:2名
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者:3名 |
特徴 |
リフォーム業
金属屋根工事業
その他屋根工事業
雨樋工事業 |
対応エリア |
東北地方
|
アフターフォロー体制 |
東京海上日動火災保険株式会社の超ビジネス保険に加入済です。
施工後は主にカレンダーを持参して年末のご挨拶に訪問し、外観を見させていただいております。 |
やねいろはケア |
未対応 |
代表者 |
嶺岸 隆幸 |
代表者経歴 |
有限会社嶺岸建築板金 代表取締役
仙台商工会議所 所属
仙台技能職連絡協議会 所属
1985年3月:宮城県立仙台向山高等学校 卒業
1985年4月:東北学院大学 入学
1989年3月:東北学院大学 卒業
1989年4月:河淳株式会社 入社
1991年7月:河淳株式会社 退社
1991年8月:嶺岸鈑金 入社
2006年4月:有限会社嶺岸建築板金 代表取締役 就任 |
所在地 |
〒984-0844
宮城県仙台市若林区種次字中野東35―1
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|
営業時間 |
毎週月~土曜日 8:00~17:00 |
定休日 |
日曜日、祝日、年末年始休業、大型連休(ゴールデンウィーク)、夏季休業(お盆休み) |
外壁工事の依頼も可能です。有限会社嶺岸建築板金の「かべいろは」掲載記事はこちら