プロが手掛ける板金屋根と雨樋修理。完全週休2日で働きやすい職場も用意。
株式会社渡辺板金
新潟県上越市上吉野の株式会社渡辺板金は、大型鉄骨物件の板金屋根工事や外壁工事を中心に、金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)の修理や雨樋修理・交換等も行う板金工事店です。工場や倉庫、店舗等の大規模な案件を数多く手掛けているため、多種多様な屋根材に対応できます。
工事店の想い
PERSON
経営者になり知ったのは人材育成の難しさ。建設業界の将来に貢献できる手立てを考えたい
株式会社渡辺板金(以下、渡辺板金)は、新潟県上越市上吉野の板金工事店です。会社設立は1982年。しかし板金店として創業したのは現代表取締役の渡邊章さん(以下、渡邊さん)のおじいさんであり、おそらく70年以上前ではないかとのこと。創業時は住宅の屋根修理等を行う工事店でしたが、先代であるお父さんが大手ゼネコンから仕事を請けるようになり、現在は鉄筋の大型物件の工事を中心に手掛けています。
渡邊さんが子どもの頃は自宅に工場があり、当時から板金の機械や職人の姿を見ていたそうです。子どもの目に家業である板金業はどのように映っていたのでしょうか。これまでの歩みや、仕事への想いについてお話を伺いました。
「子どもの頃はね、どういう仕事なのか正直よくわかっていなかったです。建築関係だってことをぼんやり知っていたくらいで。父は大きな案件ばかりを扱っていたので、現場に遊びに行くということもありませんでしたしね。小学生の頃には、このまま大人になれば同じ仕事をするのかなと何となく考えていました」
高校生になり、渡邊さんは夏休みに現場でアルバイトをするようになりました。夏の屋外作業、しかも屋根の上は地上より高温になるため過酷な作業です。さらに登校に比べて朝が早く、体力的にはかなりきつかったのを覚えているそう。しかし、仕事自体にはすぐになじみ、高校卒業後はそのまま渡辺板金へ入社しました。
「高所作業には抵抗なかったけど、朝から夕方まで、労働時間が長いので初めはきつかったです。僕が高校生の時はまだ住宅の仕事もけっこうあったのでね。正式に入社した当時、父は営業担当になっていたので僕に作業を教えてくれたのは現場の職人さんたちでした」
2000年に渡辺板金へ入社し、2012年に先代から代表取締役を引き継ぎました。20代の早いうちからお客さまの会合へ参加し、20代後半には現場の見積りや段取りを組んでいたそう。当時、先代は60代前半で経営者として脂の乗った時期でしたが、「自分が元気なうちに」と渡邊さんへ経営を譲ったのです。
「父は僕がいくら失敗しても、『自分が元気なうちならいくらでもやり直せるから』と言って代表を退いたんです。いつまでも父に頼っているわけにもいかないと考えていましたし、それに現場はもうすでに僕が見ていたので、代替わりで大きく仕事内容が変わることはありませんでしたね」
今後は板金業だけにこだわらず、業態を広げていきたいそう。屋根工事だけではなく、外壁の塗装も一緒に請け負うなど、何ができるか構想中です。
「外壁塗装や足場工事も自社施工できて仕事が広がれば、それが人員確保にも繋がるんじゃないかなと思っています。人手不足の解消も大きな問題ですね。最近は僕の知人や社員から若い人を紹介してもらうのが主な採用ルートで、板金業に限らず建設業界で働いている人に声をかけています。色んな技術を持った人が集まれば、受注の幅が広がりますしね。ただ手を広げても行き届かなくなってはいけないので、僕の右腕になってくれるような番頭さん的な人に営業担当をしてもらって、組織づくりをしていきたいですね」
渡邊さんは人材育成の難しさを常に感じており、若い人が技術を身に付けていくにはどうしたら良いのか試行錯誤しているようです。自身の経験から、仕事中の失敗は頭ごなしに叱るのではなく、社員としっかり話し合って原因を探り同じことが起こらないよう努めていると、コミュニケーションの取り方の大切さについても語っていました。
詳しく見る
閉じる
WORK
板金職人の強みは納めの技術。現場での徹底したすり合わせが雨漏りしない屋根の施工に
新潟県上越市上吉野の渡辺板金は、屋根や外壁の板金工事を専門に行う板金工事店です。鉄骨建築物の大型案件が主な事業で、地域の建築会社や工務店から厚い信頼を寄せられています。
渡邊さんがお客さまへの対応で大事にしているのは、工事に関する細かな説明を怠らず、仕事への配慮をきちんと伝えてわかっていただくこと。渡辺板金に仕事を任せてもらうからには、そういった信頼関係を大切にしたいと考えています。
「主に大型物件の現場をやっているので元請けの監督さんとのやりとりが多いんですが、お客さまから『渡辺板金にお願いしたい』と思っていただくためには、お互いが工事について納得していなければいけません。監督さんであれば建築のことは既にわかっているので、板金の細かな納めについて口頭で詳しく説明して、齟齬(そご)のないよう努めています。現場担当の皆さんは経験豊かなので『この納めはこうしてほしいと』いう要望をいただく場合ももちろんあります。そんな時は『雨漏りしない屋根』を第一に考え、話し合いを重ねてその建物にベストな方法で施工します」
渡辺板金では、工場や倉庫、店舗等の新築改修工事を数多く手掛けています。工場の屋根は折半屋根が大半で、経年による劣化のカバー工法(※1)の施工依頼が多いそう。屋根のハゼ部分(※2)にカバー工法用の金具を設置し、既存屋根の同等の折半屋根を葺いていきます。
「折半屋根の葺き替えはかなり難しいので、依頼のほとんどがカバー工法ですね。葺き替えとなると折半屋根(※3)やフレームを撤去して新しいものを取り付ける必要がありますが、工場が稼働している場合は晴れ間での作業が絶対です。1日の作業で撤去から設置までやるとなると現実的にとても厳しいので、改修はカバー工法になりますね」
渡邊さんにこれまでの仕事で強く印象に残っている現場は?と尋ねたところ、千葉の大手鉄鋼メーカーの案件が挙がりました。これまで地元で手掛けていた現場とは建物の規模が格段に違い圧倒されたそうです。
「屋根が果てしなく広くて先が見えないくらいの大きさでね。折半屋根の葺き替えで3ヵ月くらいかかったんですけど、毎日同じ作業の繰り返しでした。当時は屋根材の裏にアスベストがあったので、屋根材を剥がしたらまずアスベストを掃除機で吸って、次に新しい金具を取り付けて屋根材を葺くという作業を5メートルくらいのスパンで繰り返したんです。200メートルとか300メートルある屋根だったので、何カ月も同じ作業をやりましたね」
雨漏り修理も問い合わせの多い案件です。渡邊さんはこれまでの経験から第一報の電話で原因が想像できるとのこと。建物の立地条件や近日の気象状況等をヒアリングし、ある程度の予想を立ててから現場調査に入ります。
「屋根からなのか外壁なのか、お電話でだいたい想像がつくんです。まず室内を見せてもらって部屋の中心に漏れているようなら、屋根に上がって目視点検をします。錆(さ)びが原因で、屋根材自体に穴が空いているとか、雪止め金具が傷んで、そこから漏れていることが多いですね。金属同士が触れているのでどうしてもそこが錆びやすいんです。あまりにも屋根全体が錆びていたら、修理ではなく葺き替えてはどうかと提案しています」
新潟県上越市の屋根工事の特性について尋ねました。新潟県上越市は、積雪があるため冬は工期に変動が起こりやすいそうです。屋根に雪が積もった場合、新築物件を預かっている時は屋根や周辺の除雪作業を行ってから作業に入る日もあります。また、上越市周辺は冬の風が強いため、施工に風対策は欠かせません。
「工期が詰まっている案件は、除雪作業をして仕事をする時もあります。その日のうちに終わらなかったらブルーシートで覆って養生するとか、建物内部に水が回らないように注意しています。風対策としては、立ち上げを大きめに取るとか、粉雪なんかは吹き上げると建物内部まで入り込んでくるので、屋根と外壁の取り合い等の隙間を極力なくすように施工します。屋根材によっては隙間にスポンジ状のパッキンを入れて、風から守るつくりにするんです」
※1 カバー工法・・・金属板どうしの端を折り曲げて引っ掛けることにより継ぎ合わせた場合の、折り曲げた部分のこと
※2 ハゼ部分・・・金属板どうしの端を折り曲げて引っ掛けることにより継ぎ合わせた場合の、折り曲げた部分のこと
※3 折半屋根・・・波型に折り返した金属板を施した屋根。ガレージや工場、体育館、住宅のカーポートなどに使われる
詳しく見る
閉じる
MESSAGE
様々なケースに幾通りもの納めを提案できる対応力。70年の経験と実績が柔軟な施工に
渡辺板金の強みは?と尋ねたところ、渡邊さんは迷いなく「大規模な工事が多いので、大きな案件になってもすぐに協力工事店さんに声をかけられることですね」と回答。そのような頼もしい横の繋がりは、渡邊さんが誠実に仕事に向き合い、また地域の組合活動にも真摯に参加した成果です。
渡辺板金では、完工後の万が一の不具合や施工不良には早急に対応しています。アフターフォローは施工した工事店として誠実に、かつ臨機応変に動いているとのことです。
最後に「やねいろは」をご覧になっている、雨漏り修理や金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)の劣化でお困りのお客さま、そして屋根リフォーム・屋根修理を検討しているお客さまへメッセージです。
「祖父から続く渡辺板金の70年以上の実績は強みだと思っています。色んな経験の上で色んな検証をして、ミスのない施工方法を身に付けてきました。様々な形の屋根そして納まりについて、あらゆるケースに使えるよりよい仕上がりを幾通りも知っているのが強みです。折半屋根の新築工事、改修工事に関してお問い合わせお待ちしております」
「ミスのない施工方法を身に付けてきた」こうはっきり言えるのは、渡邊さんが自社の技術力に確固たるものを感じているから。取材を通じて、渡辺板金が背負う揺るぎない実績と地域での信用の厚さを感じました。
(2023年2月取材)
(2025年8月加筆修正)
詳しく見る
閉じる
・当社及び記事作成者は、当サイトに掲載されている記事や情報の内容に関しては十分な注意を払っておりますが、それらについての正確性や確実性、安全性、効果や効能などを保証するものではございません。
・当サイトに記載された情報のご利用については、ユーザー自身の責任において行われるものとし、ユーザーが当サイトから入手した情報に基づいて直接的または間接的に被ったいかなる損害について、当社および記事作成者は一切の責任を負いません。
取材後記
株式会社渡辺板金
職人同士仲が良く、雰囲気良好!
長年勤めている職人が多い渡辺板金。職人同士は気心が知れており、現場の雰囲気がとても良いと渡邊さんは胸を張ります。しかし目下の悩みは人手不足で、若い職人の育成もしていきたいと話していました。渡辺さんは、福利厚生の整備、年ごとの待遇の見直しなどに尽力しています。体力勝負の建設業界ですが、待遇を手厚くし、人員確保のため働く環境を整えることに重きを置いているのだと感じました。
職場環境を劇的に改善。完全週休二日制も
渡邊さんは近年職場改革に非常に力を入れて取り組んでいます。その成果が完全週休2日制(土日)であり、残業少なめの職場環境にもなりました。また30年事故が無いことも新入社員の方には良い環境ではないかと渡邊さん。以前は渡邊さんも社内改革に多少躊躇していましたが、やはり時代が変わっていく中で板金業もアップデートしていかないといけないと一念発起。格段に働きやすい職場環境となりました。スタッフが働きやすい環境づくりのために邁進する経営者の姿に応援したい気持ちが高まりました。
・当社及び記事作成者は、当サイトに掲載されている記事や情報の内容に関しては十分な注意を払っておりますが、それらについての正確性や確実性、安全性、効果や効能などを保証するものではございません。
・当サイトに記載された情報のご利用については、ユーザー自身の責任において行われるものとし、ユーザーが当サイトから入手した情報に基づいて直接的または間接的に被ったいかなる損害について、当社および記事作成者は一切の責任を負いません。
工事店プロフィール(株式会社渡辺板金)
一番の強み |
創業70年以上の老舗板金店の看板に恥じない技術力があり、仕事と人柄からくる高い信頼性にともなう同業関係者とのつながりが広いところ |
会社名 |
株式会社渡辺板金 |
対応工事 |
|
従業員数 |
社員:9名 |
建設業許可 |
屋根工事業、板金工事業(新潟県知事許可(般―4)第19941号) |
保有資格者 |
一級建築板金技能士:6名
丸のこ等取扱従事者:5名
研削砥石の取替え等の業務に係る特別教育:5名
高所作業車運転者:5名
職長安全衛生責任:3名
石綿取扱作業従事者:3名
足場の組立て等作業主任者:2名
玉掛作業者:5名 |
特徴 |
リフォーム業
金属屋根工事業
その他屋根工事業
雨樋工事業 |
対応エリア |
中部地方
|
アフターフォロー体制 |
ご要望に応じて保証書を発行しています。
何か気になるところがあればご連絡ください。 |
やねいろはケア |
未対応 |
代表者 |
渡邊 章 |
代表者経歴 |
株式会社渡辺板金 代表取締役
上越商工会議所 所属
1997年3月:上越市立直江津東中学校 卒業
1997年4月:新潟県立高田工業高等学校 入学
2000年3月:新潟県立高田工業高等学校 卒業
2000年4月:株式会社渡辺板金 入社
2012年4月:株式会社渡辺板金 代表取締役 就任 |
所在地 |
〒942-0241
新潟県上越市上吉野230-1
大きな地図で見る
|
営業時間 |
毎週月~土曜日 8:00~17:30 |
定休日 |
日曜日、祝日、年末年始休業、大型連休(ゴールデンウィーク)、夏季休業(お盆休み) |
外壁工事の依頼も可能です。株式会社渡辺板金の「かべいろは」掲載記事はこちら