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「屋根工事」について

2018.03.19 屋根の結露

屋根の結露事例



1.屋根の結露事例:はじめに


皆さまは屋根の結露をご存知でしょうか?
冬の窓ガラスに発生する結露は見たことがあるけど、「屋根でも結露するの?」という方がほとんどだと思います。
屋根の雨漏りは室内に水が垂れるのでわかりますが、屋根の結露はなかなか発見することができません。
結露に気付いた時には、屋根がひどく劣化していることも多いようです。
また、結露は住宅瑕疵担保保険の適用外となっているため、お施主さまに補修費用の負担が発生することもあります。
そんな知られていない厄介な「屋根の結露」について、事例とその対策をご紹介します。

 

2.屋根の結露事例:屋根野地板劣化事例

結露事例1:ボロボロに野地板が腐朽した事例

結露事例1:ボロボロに野地板が腐朽した事例


先程の結露事例1の概要です。
・築10年未満
・木造2×4(ツーバイフォー)住宅
・屋根材:化粧スレート屋根
・断熱方式:屋根断熱
化粧スレート屋根材が1枚屋根から落下して、その原因を調べることで発覚しました。
屋根材をめくってみると野地板が結露により、水を含んだ状態となっていました。
その部分で化粧スレート屋根を留めている釘が腐食し、釘が切れてしまって化粧スレート屋根材の脱落が発生した事例です。

結露事例2:ボロボロに野地板が腐朽した事例

結露事例2:ボロボロに野地板が腐朽した事例

結露事例2の概要です。
・築10年未満
・木造2×4(ツーバイフォー)住宅
・屋根材:セメント屋根材
・断熱方式:屋根断熱
小屋裏収納スペースの棟部分の天井に染みが発生して、雨漏りではないかと発覚した事例です。
屋根材をはがしてみると棟部分の野地板が白く腐朽していました。
天井材をはがすと垂木・棟木まで劣化していました。

結露事例3:北面の野地板だけが結露した事例

結露事例3:北面の野地板だけが結露した事例

結露事例3の概要です。
・築2年未満
・木造軸組み住宅
・屋根材:金属屋根材(立平葺き)
・断熱方式:天井断熱
雨漏り調査の依頼で伺ったところ、北面の小屋裏野地合板が結露していました。
棟を挟んで、南面は全く結露していませんでした。

3.屋根の結露事例:屋根の結露の原因


屋根で結露したこれら事例の原因は以下の通りです。

結露事例1:
・屋根断熱の通気層に連結する排気孔がなかったためです。
棟の一部分だけに通気層の排気孔があり、その部分は結露していませんでした。
屋根断熱の通気層が垂木で閉ざされていました。
・室内側の防湿層の施工が不備でした。

結露事例2:
・屋根断熱の通気層を確保していなかったためです。
通気層の吸気孔・排気の孔もありませんでした。
・室内側の防湿層の施工が不備でした。

結露事例3:
・小屋裏換気が行われていませんでした。
・室内を冬でも室温20℃・湿度60%に常に保つように、加湿器が設置されていました。

いかがでしたでしょうか。
一口に結露と言っても、様々な原因があることが理解していただけたなら嬉しいです。

4.屋根の結露事例:屋根の結露の対策方法


ではどうやったら屋根の結露を防ぐことができるのでしょう?
結論から言うと、屋根結露を防ぐ対策は以下の通りです。

・小屋裏換気(屋根通気)をしっかり確保すること。
・室内側の防湿層をしっかり施工すること。
・屋根面側の防水をしっかり行うこと。
・屋根断熱の場合、安全を考えて、透湿ルーフィング・屋根通気と外壁と同じ通気構造にすること。

結露事例4:野地合板上面での結露

結露事例4:野地合板上面での結露

屋根の下地に貼るルーフィングの中でも、アスファルトルーフィングと呼ばれるルーフィングには透湿性がほとんどありません。
そのため、アスファルトルーフィングと野地合板の間(野地合板上面)で結露することがあります。
家を建設している時、雨が降って屋根の下地(野地合板)が濡れることにより屋根の下地が含水してしまいます。また屋根の下地と屋根材を留め付ける釘穴(釘孔)から浸水したりして入り込んだ野地合板上面の水分もあります。そういった場合、アスファルトルーフィングでは、入り込んだ水分を外に排出(排湿)することが難しくなります(アスファルトルーフィング・野地合板とも透湿抵抗が高いため)。
一方、透湿ルーフィングであれば、野地合板が濡れても、透湿して湿気を上方へ排湿することができるため、安全の可能性は高いと言えます。

 

5.屋根の結露事例:まとめ


屋根の結露事例を3つご紹介しました。
屋根断熱での事例が2つ、天井断熱での事例が1つです。
劣化の進行具合を見ると屋根断熱の方が著しい劣化につながっているようです。
・屋根に湿気を入れない(防水・防湿の徹底)。
・入ってしまった湿気を排湿する(小屋裏換気・屋根通気)。
・屋根を乾燥状態に保つ。(透湿ルーフィング・野地面通気)

上記3つに関して、気をつけることで屋根の結露を軽減することができます。
結露は住宅瑕疵担保保険の対象外となっています。
特に、屋根の結露は改修費用が高くなるため、設計・材料仕様の段階から気を付けたいですね!

また屋根の結露対策として4.に挙げた、「小屋裏換気(屋根通気)の確保」「室内側の防湿層の施工」「屋根面側の防水の徹底」「屋根断熱の場合の透湿ルーフィング・屋根通気と外壁と同じ通気構造にすること」については、別の記事で詳しく説明します。
詳しく知りたい方は是非そちらの記事も読んでみて下さい。

(株式会社神清 神谷昭範)

 

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著者:神谷昭範
kamiya akinori
1968年に愛知県生まれ。94年に慶應義塾大学大学院応用化学科修士課程を修了。同年、屋根材メーカーの神清に入社。2003年に常務取締役に就任する。屋根材の製造や設計・施工をはじめ、雨漏りの調査や診断なども幅広く手掛けている。

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