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「屋根工事」について

2025.04.17 全国建築板金競技大会

日本一の板金職人を決める大会『第47回全国建築板金競技大会』に行ってきました!観戦レポート(後半)

1.日本一の板金職人を決める大会『第47回全国建築板金競技大会』に行ってきました!観戦レポート:競技中の様子 (建築技術の部(NYAC))


朝8時。緊張感が張り詰めた空気の中、技能競技の部(ZIC)、建築技術の部(NYAC)両会場で開始の合図が鳴りました。競技開始です!
競技は4時間。開始とともに選手たちが一斉に動き出すのは、この4時間が短いというのを練習で実感しているからでしょう。また、技能競技の部(ZIC)については、競技開始から30分の間、観戦者の立ち入りが禁止されています。それほど選手たちが集中する時間ということですね。

それではまず、建築技術の部(NYAC)の会場から見ていきましょう。
NYACの今年の課題は、「2世帯住宅のリノベーション計画」です。現在の住宅構造や家族構成、施主様の要望などの情報が与えられ、考えた提案内容をA2サイズのセクションペーパーに書き込みます。
「提案する」というと相手に向かって話すようなイメージがありますが、競技ではそれを2枚の紙に収めなければなりません。

選手たちを見ていると、どこから書いていくかも個性が出ています。左端から文字を書く人もいれば、中央に屋根の図面を書く人もいます。頭の中で考えた提案内容がどのようにすれば伝わるのか、選手たちは考えを巡らせます。

鋭い眼で一心不乱に向かう選手たちを見ていると、彼らの頭の中が覗いてみたくなりました。そんな時、ちょうど現れたのが粒来さんでした。(有限会社粒来板金工業の紹介ページ

粒来さんは、去年の第46回大会は建築技術の部(NYAC)で優勝、また一昨年の第45回大会では技能競技の部(ZIC)で優勝と、両部門の優勝経験を持つ覇者です。
今年は観戦で来ていたという粒来さんに、ご自身の経験談を聞きました。

「NYACは、まず2枚の紙をどのように使うかが重要ですね。評価してくれる人に、自分の考えたことをどれだけ分かりやすく伝えられるか、だと思います。全体を書くのか、施工箇所ごとに書くのかは選手によって変わりますし、文字にするのか、図にするのかも自由なので、そこから考える必要がありますね。」

それを聞いて選手たちを見ていると、全体図を描いた中に小窓のような吹き出しを作って、一部分の拡大図を書いている人が多くいます。しかも、素人の私が見ても「あぁここがポイントなんだ」「こだわっているんだな」というのが伝わってきます。

以前、NYACの会場で別の板金職人の方に話を聞いた時、「今回の課題が誰に向けた提案なのかで、書き方が全然変わるんです。」という話があったのを思い出しました。家の構造や板金屋根を知っている同業者に提案するのか、あるいはほとんど知識のない一般のお客さんに提案するのかで全く違うものになるとのことでした。当時、私はびっしりと書き込まれた図面を見て、選手たちの熱意は感じたものの、内容についてあまり理解できませんでしたが、今回選手たちが作成している図面はすごく見やすいと思いました。おそらくそれは、当時の課題が同業者向け、今回の課題が一般の施主様向けだからということでしょう。

2.日本一の板金職人を決める大会『第47回全国建築板金競技大会』に行ってきました!観戦レポート:競技中の様子 (技能競技の部(ZIC))


開始から30分が経過し、ついにZICの会場に足を踏み入れることができるようになりました。
選手たちは真剣な眼差しで展開図を書き進めています。
ここでも、経験者の粒来さんに話を聞くことができました。
「選手たちが書いている展開図ですが、まず寸法を出すのが大変なんです。図面で正確に書いたつもりでも、パーツに切り分けて組み立てると上手くはまらない。じゃあどこが悪かったのかというのを考えて、最初の展開図に戻って寸法を調整する、というのを何度も何度も繰り返します。」

選手たちが迷いなく書いている図面ですが、ここに至るまでには想像を超える思考錯誤があるのでしょう。そうして出来上がった展開図を今後は銅板に転写し、パーツごとに切り取っていきます。

ここで興味深かったのが、切り取った銅板のパーツに青いテープを貼っている選手たちです。これは後々加工をする中で、銅板に傷がつかないよう養生しているのだそう。銅板を加工するために使う道具はステンレスなどでできており、柔らかい銅は道具が当たっただけで表面に傷がついてしまいます。この難しい課題を一つ仕上げるだけでも至難の業ですが、完成した作品が傷だらけにならないように保護しているということですね。

そしてこの養生作業は、いろんな職人さんに聞けば聞くほど個性がありました。
先ほど紹介した、銅板に養生をする方もいれば、逆で道具を養生する方もいました。また、そもそも養生が必要ないように、普段から道具をピカピカに磨いておいて、傷をつけない道具にしておくという方もいました。目的は一つでも、やり方は三者三様で面白いですね。


今年の技能競技の部(ZIC)の課題は、置時計です。職人さんたちに話を聞いていると、①「円」と②「組み立て」が難関のようです。

① 円
職人さんたちが話していたのは、「時計の盤面がはまらない」ということでした。また、粒来さんに話を聞いても、「円は5回に1回ずれる」とのこと。そもそもコンパスを使うときにずれる、そしてハサミで切るときに線の内側か外側かでコンマ数ミリのずれが生まれるのだそう。今回は、時計の盤面が奥まっているというのもあり、かなり難しいのでしょうね。

② 組み立て
課題の置時計は、一番下に土台、その上に時計本体、その上に屋根のようなデザインがあって、一番上がアーチ状の形をしています。個々のパーツも難しいですが、これらを組み立てた時にズレが生じたり、うまく乗せられなかったりするそうです。


そして残り1時間を切るころには各会場たくさんの観客が集まってきました。ここからは写真の撮影も禁止され、会場内は一層の緊張感が張り詰めます。
NYAC部門の会場では、最初は真っ白だった紙が真っ黒になっています。今回の課題では、施主様の要望として「室内に板金の壁をデザインする」という内容が入っています。自由度が高い分、出来上がっていく作品は選手一人ひとりで全く違うものになっており、各自が今日のために考えてきたアイディアを存分に表現しようとしているのが見て取れます。

競技時間の終了が間近となったZIC部門の会場では、時間に追われながらも必死にパーツを組み立てている選手や、作品を磨き、ミリ単位での調整をしている選手もいて、私たち観客は固唾を飲んで見守ります。

そして終了時間の12時。各会場で終了の合図が鳴りました。4時間の長丁場を終えた選手からは緊張感が一気に抜け、選手たちの頑張りを称え労う拍手で会場が満たされました。
やり切ったという満足感が見て取れる選手もいれば、時間内に時計の針が取り付けられずに悔しそうに歯を噛みしめる選手もいました。

3.日本一の板金職人を決める大会『第47回全国建築板金競技大会』に行ってきました!観戦レポート:結果速報(まとめ)


そして後日、一般社団法人日本建築板金協会より競技大会の結果が発表されました。
【技能競技の部(ZIC部門)】

1位 溝口 隆之(岡山県)
2位 西嶋 拓也(山口県)
3位 清野 悠太(秋田県)
4位 朝妻 享大(鳥取県)
5位 菊地 和浩(茨城県)
6位 小山内 唯斗(青森県)
7位 桶本 真弘(京都府)
8位 西田 登(奈良県)
9位 坂東 右京(大分県)
10位 池尻 達也(香川県)

【建築技術の部(NYAC))

1位 片野 裕勝(北海道)
2位 益子 到(茨城県)
3位 黒川 尚彦(愛媛県)
4位 永徳 太(神奈川県)
5位 橋本 直明(三重県)
6位 高山 欣也(大阪府)
7位 駒見 和俊(埼玉県)
8位 小野原 新太(東京都)
9位 栗本 真佑(愛知県)
10位 東 武志(香川県)

1年に一度の板金職人の熱き戦い、全国建築板金競技大会。
板金施工の技巧を近くで見ることができるチャンスです!
来年も是非観戦してみたいと思ったイベントでした!

引用・参考:
第47回全国建築板金競技大会【実施要項】
https://www.zenban.jp/wp/wp-content/uploads/2024/11/ddf52b7656790321fdf91310c872cdaa.pdf
第47回全国建築板金競技大会【課題及び審査基準(抜粋)〈技能競技の部〉】
https://www.zenban.jp/wp/wp-content/uploads/2024/11/7a43b490245fac0d98df7860977e6f58.pdf
第47回全国建築板金競技大会【課題及び審査基準(抜粋)〈建築競技の部〉】
https://www.zenban.jp/wp/wp-content/uploads/2024/11/d64bd7c679d807fd979788bf86e8b6e2.pdf
第47回全国建築板金競技大会【結果発表】
https://www.zenban.jp/wp/wp-content/uploads/2024/11/d7f62e455741b5e69956579a7257860e.pdf

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