皆さんはルーフィングという言葉を耳にしたことはありませんか?
ルーフィングとは、瓦やスレートなどの下に敷く防水シートのことです。
引用元:リフォーム現場調査パーフェクト教本完全保存版|株式会社リフォーム産業新聞社 P.108一部抜粋
雨が直接当たる瓦などの屋根材を一次防水層とすれば、ルーフィングが二次防水層で瓦やスレートのすきまから内側に入り込んだ雨水が、内側にある木材にしみこまないようブロックする役割を担っています。
ルーフィングシート、下葺き材 なんて言い方もされています。
今回はこのルーフィングの中から「透湿ルーフィング」というものをご説明します。
2.透湿ルーフィングを知ろう:透湿ルーフィングとは
透湿ルーフィングとは、湿気だけ透過させ、水分はブロックする性質を持たせた防水シートのことです。
現在、国内で多くのお家に施工されているのはアスファルトルーフィングと言われる、紙にアスファルトをしみこませて防水としたシートです。樹脂などを混ぜ、温度変化しにくく釘穴を開けてもすきまができにくいよう改良された改質アスファルトという製品もあります。
アスファルトは昔から防水材として使われていますが湿気を透過させる機能はありません。
一方、透湿ルーフィングは、ポリエチレン不織布などでできており、からみあった繊維が水は通さないが湿気は通します。
日本の家は、木造住宅が多いため、湿気が大敵なのはもちろんですが、なぜ今、屋根の防水シートに湿気を通す機能が求められているのでしょうか?
昔の家は隙間が多く風通しが良かったですが、現代の家は気密性が高く断熱材の使用により冬や夏は室温と外気温との差が大きくなっています。
すると冬は室内の温かい空気が天井のほうに上がり、外気との気温差で天井裏の湿度が上がったり結露したりします。
また、皆さんのお家の最上階の天井はどんな形をしていますか?平らですか?斜めですか?
最近、吹き抜けや屋根裏収納、ロフトなどを売りにした間取りをよく見かけます。
このようなお家は天井裏(小屋裏)という空間がないため、屋根断熱といって屋根の内側に沿って断熱材が貼られています。
そのため、断熱材と野地板の間で寒暖差が発生し、野地板の表面に結露が生じてしまいます。
ルーフィングは野地板の上面(屋根材側の面)に貼られている為、ルーフィングが湿気を透過させなければ野地板内に水滴がしみこんだままでルーフィング側からは湿気は出ていきません。結果、野地板が濡れている状態が長く続き、腐食やカビを誘発します。
屋根を面で覆っている野地板の腐食やカビを放置すれば、屋根の骨組みである他の木材にも腐食が及び深刻な事態に発展してしまいます。
もちろん、透湿ルーフィングが貼られていても、屋根の外へ湿気を排出する口がなければ湿気は屋根内部に停滞するだけなので、透湿ルーフィングは換気ルートを確保した環境で施工される必要があります。
いかがでしたか?
雨漏り防止のための防水シートが、気密性の高い住宅において、木材を弱らせる一因となってしまうのは悲しいですよね。
日頃目に触れることはない屋根の内部ですが、現代の家の機能や構造に応じて、家を長持ちさせるために防水シートも変革しているのですね。
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引用:
・P.62~69、通気不良を防ぐ屋根断熱の新工法 野地板にMDF採用、瓦メーカーが開発「
日経アーキテクチュア」、2021年5月
・リフォーム現場調査パーフェクト教本完全保存版|株式会社リフォーム産業新聞社
・https://sumai-pro.com/essay/building/equipment/post-17720
屋根は変わる。|透湿防水ルーフィングシート ウートップ® サーモND プラス 2SK |
建築・設備のこと | 住まいプロ(検索年月日:2021/5/28)
・https://www.tajima.jp/juken/index02_01.html
屋根下葺材 下葺材の構成 | 田島ルーフィング株式会社(検索年月日:2021/5/28)
・https://www.tyvek.co.jp/about/
タイベックとは│旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ ホームページ(検索年月日:2021/5/28)
・https://kamisei.co.jp/news/10531
【新築時に役立つ】ルーフィング種類別メリット・デメリットを屋根プロが徹底比較しました! | 三州瓦の神清 | 地震や台風に強い防災瓦・軽量瓦・天窓・屋根・リフォームのことならなんでもご相談ください。(検索年月日:2021/5/28)
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