家の屋根材として多く使われているカラーベスト。
「カラーベスト」は、化粧スレートというセメントを主材料とする屋根材のうち、最も代表的な一製品の名前です。
カラーベストは屋根材のなかでも価格が安く、また、色やデザインが豊富なことが人気の一因となっています。
一方で、カラーベストはその表面の塗装(コーティング)が劣化すると、中心となる素材のセメントだけでは防水の機能が働かず、屋根全体が劣化していくため、10年単位での定期的な塗り替えメンテナンスが必須とされています。
カラーベストにヒビが入ったり汚れがひどくなったりした時、どんな修理方法あるのでしょう?
カラーベストを使った屋根の修理方法は、「塗装工事」「葺き替え工事」「カバー工法」の3つに分けられます。
◆塗装工事・・・表面の汚れや塗料の剥がれへの対策で、洗浄と塗り替えを行います。
◆葺き替え工事・・・屋根材の劣化が激しい場合に屋根下地ごと張り替え、新しい屋根材を葺き替えます。
◆カバー工法・・・屋根材の劣化が見られる場合に、葺き替え工事とは異なり、元の屋根材を撤去せずに上に新しい屋根材をかぶせる方法です。
また、カラーベストの修理では、ひとつ特徴的なことがあります。
それは「部分修理ができない」ということです。
ヒビ割れやかけた部分の修理は状態によってはシーリング材と呼ばれる充填材で補修ができ、一部補修という意味合いでの部分修理は可能です。
しかし、状態の悪いカラーベストを1枚だけ差し替える部分修理ということは、カラーベストにおいてはできません。
対して、瓦屋根は比較的簡単に1枚だけ差し替えることが可能です。
同じ屋根でも部分修理に違いが出る。
それは、屋根材によって葺く工法が異なるからです。
カラーベストは、横長の長方形の板状で、厚さが数ミリの軽い材料です。
薄い素材ですが屋根一面全体ですべて重なっているのでその分強度があるとはいえますが、
重ねて葺いているため1枚だけ剥がして直すことできません。
カラーベスト1枚の上半分が、上に葺いてあるカラーベストの下半分と重なっているため、もし下の1枚を剥がすと上の1枚も剥がさないといけなくなるという連鎖で、結果、一面全部を剥がすことになってしまうのです。
電動サンダーなどの工具で部分だけ切るということも、薄い素材であるため間違って野地板まで切ってしまう可能性が高く、実際は部分だけ切るのは難しいというのが現実です。
カラーベストを使った屋根の全面修理は選択肢が多い一方で、割れたカラーベストを部分的に差し替える工事はしにくいため、メンテナンスとなると全体的な話となります。
当初の金銭的な負担を軽くでき、軽量で色やデザインの多彩さが売りのカラーベスト。
新築・葺き替えの時には、メンテナンスの必要性など長い目で見て、どんな屋根材にするか選んでいきたいものですね。
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