ところで、前の章で、「材工共の価格」という言葉が出てきましたね。
「材工共の価格」を工事価格と言い換えてしまいましたが、
「材工価格」とは一体どういう意味でしょうか?
実は私が調べた限り、明確な定義は見つからなかったのですが、
材工価格とは、「材料費と人件費を合計した価格」と一般的に捉えられています。
工事は材料だけではできません。
工事は材料とそれを使って作業する職人さんがいて完成するものです。
食材を調理する料理人と同じですね。
塗装工事の場合は、塗料メーカーが塗装工事の材料費に加えて
一般的な人件費も算出して設計価格を出していますが、他の工事の場合は
設計価格というと、部材の定価を示す場合もあります。
例えばタイベックという屋根工事のときに使う下葺き材のメーカーがありますが、
そのメーカーが出しているタイベックルーフライナーは
材料価格のみ提示されています。
このように、材工共の価格を出す場合もあれば、
材料のみの価格を出すこともあるので、設計価格を見るときは
材料のみの価格なのか、材料費と人件費を合計した金額かを確認する必要があります。
また、もうひとつお伝えしたいことがあります。
それは、材工価格はあくまでメーカーが決めた価格であって、実際に工事をするのは
メーカーではないため、メーカーが定めた設計価格(材工価格)と
実際の工事価格は異なるということです。
メーカーが定めた設計価格はある前提の中で計算されています。
今回の塗料メーカーの設計価格だと300m2の価格というところが前提ですね。
ですが、実際の工事は気候や立地によって工事のしやすさが変わります。
同じ大きさの家の塗装工事であっても、工事がしやすいところであれば、
工事価格は多少安くなりますし、工事がしにくいところであれば、
逆に工事価格は少し高くなります。
それは工事がしにくいところだと作業に時間がかかり、結果として
人件費も高くなるためです。
こういったことを踏まえ、メーカーの材工単価はひとつの基準程度に
捉えておくのが良いかもしれません。