現状や地域の環境を踏まえて、適切な屋根・雨樋修理を行う地元密着の工事店
井上板金工業所
山梨県甲州市塩山上塩後の井上板金工業所は、主に金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)・金属系外壁の施工や板金加工を手掛けています。太陽光工事や電気工事の相談も可能。創業から70年以上、地域で板金業を営んできた歴史ある工事店です。
工事店の想い
PERSON
「現代の名工」である祖父と先代の父から受け継いだ技術、そして自ら築いた繋がりを大事に
山梨県甲州市塩山上塩後に拠点を構える井上板金工業所は、金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)や金属系外壁の工事を中心に請け負っています。雨樋(あまどい)修理や雨漏り修理など屋根リフォーム全般に対応可能です。創業は1949年、現在三代目となる代表の井上拡樹さん(以下、井上さん)は山梨県板金工業組合の青年部長も務めるなど、自社の工事を日々真摯に行うだけでなく業界の発展にも尽力しています。
「板金が家業だったので、小さい頃からずっと身近にあるものでした。もちろん最初はどういう仕事なのかよくわかってなかったけど、大きくなるにつれて手伝いに行くようになって、屋根の工事なんだと知っていった感じですね。実際に仕事として始めたのは高校を辞めた後です。当時まだ祖父も現役で、ちょうどお寺の施工をしていた時でした。急勾配のお寺の屋根の上で作業する祖父を見ながら、ただただ『あんなところよく歩けるな』『怖いな』と思っていたのを覚えています」
おじいさんは、厚生労働大臣によって表彰された卓越した技能者「現代の名工」に選ばれている職人だそうで、一緒に仕事ができたのはとても良い経験だったと井上さんは言います。お寺の工事はそれほど頻繁にあるものではないので、早いうちから貴重な工事に携われて良かったと振り返っていました。
「仕事を始めてすぐの頃は、とても苦労しましたよ。昔は今のように丁寧に教えてもらえることなんてなかったから、先輩職人の仕事を観察して技を盗んで、見よう見まねでやっていくしかなかった。何回も失敗して学んでいきましたね」
板金をやり出した以上は、いつかは後を継ぐだろうと考えていた井上さん。会社は2015年に代替わりとなりました。基本的な仕事のやり方は先代の頃から変えず、お客さまも先代から引き継いで長いお付き合いをしています。変わった点は作業場の移転や、加工の機械類の新調など。手動だった機械が自動になって、加工のスピードも上がったそうです。
「代表になって、心構えも変わったかもしれませんね。自分で仕事を取ってこなきゃならないから、自然と付き合いの幅も広がりました。以前は板金組合の青年部長をしていたので、その時に県外にも色々な繋がりができましたよ。所属している消防団の仲間が建物関連で困った時は呼んでもらえたりね。地域に根差して仕事ができていると思います」
井上板金工業所の今後の目標はリフォームに力を入れていくこと。現在も新築とリフォームどちらも手掛けていますが、今後はリフォームの案件を増やしていきたいと考えているそうです。また現地調査の際に役立つドローンの導入も検討中。足場がない調査段階での職人の安全面を考慮し、今後進めていきたいと話してくれました。
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WORK
どう修理するかの判断基準は劣化具合。お客さまの意向を考慮し、プロ視点でアドバイス
山梨県甲州市塩山上塩後の井上板金工業所は、雨漏り修理や雨樋修理を含め、金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)や金属系外壁の施工を行っている工事店です。
「屋根修理では、コロニアル(※1)のカバー工法(※2)が多いですね。だいたい塗装するかカバーするかの選択になることが多いんですが、判断基準は屋根の劣化具合かな。既存屋根がかなり割れていたり表面がぼそぼそしているような感じだと、塗装してもまたすぐダメになってしまうんです。それなら最初からカバーした方が結果的には良いとアドバイスしていますね。逆に既存がしっかりしていれば、塗装の方が予算を抑えられるので、それをお客さまにお伝えして決めていただいています」
これまでに印象的だった現場は、井上さんに代替わりしてから行った初めてのお寺の屋根の葺き替え工事だそう。お寺の屋根の銅板工事は手間がかかる難しい工事。銅板は柔らかいため扱いにも一層神経を使います。井上さんはそれまでおじいさんやお父さんと一緒に施工した経験はありましたが、この時は初めて自分で全体の施工を行ったため、一般住宅とはまったく違う配慮が必要で大変だったと教えてくれました。
「屋根の雨漏り修理もよくあります。まずは屋根に上って原因を探しますが、わかりにくい場合も多いです。穴や割れがないか、納め方がおかしくないかをチェックしたり、天井裏も入れるなら確認しますね。お客さまから漏れている場所を聞いて、その周辺を入念に見たり。部分的に剥がして中に水が流れた跡がないかを確認できれば一番確実ですね。部分的に直しても、屋根全体が劣化していれば数年後また同じことになりかねないから、全面補修が望ましいかな。予算や事情がお客さまによって違うので、相談しながら進めていきます」
下地に特に問題がなく穴などが見つかった場合、まずはコーキング(※3)で簡易的な補修をして様子を見るのも一つの手だと井上さんは言います。そこだけが問題なのかどうか、原因を明確にするためにも有効な方法だそうです。
山梨県甲州市の屋根工事について尋ねました。山梨県は地域によって雪の積もり方が違うという特徴がありますが、2014年の大雪以来、雪止め金具はつけるようになったとのこと。雨樋の金具の間隔を狭くするなどの対策もするようになったそうです。また、甲州市は以前は瓦屋根がほとんどで、板金工事は瓦屋根の谷部分や、瓦屋根の一部分が銅板になっている腰葺きなどが主でしたが、近年金属屋根が増え、現在では新築の多くで板金工事が行われていると教えてくれました。
「地元で長くやってきているので、地域に合った施工をご提案できます。甲州市は山が多いんですが、例えば山の近くの家でコロニアルの希望があった場合、湿気が多くて苔が生えやすいから他の屋根材にした方がいいなどのアドバイスをしますね。長年の経験から専門家視点でメリット・デメリットをお伝えできるので、気になったことは何でもご相談いただければと思います」
※1 コロニアル・・・セメントを固めて塗装した板状の屋根材。化粧スレート
※2 カバー工法・・・金属屋根の重ね張りをする屋根のリフォーム方法
※3 コーキング・・・継ぎ目の隙間を埋める目地材
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MESSAGE
お客さまのお役に立つため、できることは何でもお手伝いする精神で
事前の打ち合わせでは、お客さまに納得していただいてから工事に入るためにも、まずはしっかりとお客さまの希望をヒアリングします。施工の説明はカタログや実際の事例写真を見せながら、なるべく専門用語を使わずわかりやすくなるよう心掛けているそうです。
「施工前の打ち合わせから見積り作成、それから施工まで私が担当しています。施工はうちの職人と一緒にやりますが、私は最初から最後まで現場にいますので、お客さまの要望を取りこぼしなく職人と共有できるんです。あと、板金以外のついでの工事もお手伝いしていますね。例えば屋根の上裏が腐っていて落ちそうだった時は、剥がしてベニヤを張りました。キャンプ場のドーム型テントの入口の前に、雪除けの出屋根を鉄骨で組んだりね。少しでもお役に立てればと思っているので、基本的に頼まれれば断らず、どうすればできるかを考えています」
お寺の工事で屋根の上の鬼の補修を依頼された際、下ろしてみると補修は難しそうだとわかり、最終的には一から作り替えることになりました。銅板工事は繊細で難しい仕事ですが、経験のある井上板金工業所なら安心です。
最後に「やねいろは」をご覧になっている、雨漏りや金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)の劣化でお困りのお客さま、そして屋根リフォーム・屋根修理を検討しているお客さまにメッセージです。
「先ほどお話したように、ついでの工事も、どんな些細なことでも、ご連絡いただければ現地調査に伺います。完工後はご希望のお客さまには保証書の発行もできますし、責任施工なので万が一不具合などがあればすぐに駆けつけます。建物についてお困りごとがありましたら、ぜひ井上板金工業所へご連絡ください。お待ちしています」
取材は、井上さんと奥さんの光子さんが二人で受けてくれました。光子さん曰く、実は井上さんは、仕事の時以外は口数が少なく物静かな人なのだとか。光子さんは話好きで、よく現場にも顔を出しお客さまと雑談しているそうです。周囲からも「バランスがいいね」とよく言われるとのこと。うまく役割分担ができていて、素敵な夫婦関係だと感じました。
(2023年10月取材)
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取材後記
井上板金工業所
頼もしい未来の職人
後継について話を聞くと、一番上の息子さんはすでに別の道に進んだそうですが、現在4歳の息子さんは、今まさに板金に興味津々とのこと。保育園に行かず作業場にいたがる日もあり、大人の真似をして器械を使いこなして板金を折って遊んでいるそうです。井上さんは「生活と共に板金があるのが見ていてわかるので、このまま自然に職人を目指す道を進んでくれたら」と期待を込めて話していました。井上板金の将来が楽しみですね!
板金が繋いだ夫婦の出会い
井上さんは県内外に色々な繋がりがあるという話でしたが、実はやねいろはも、他県の研修で井上さんと出会いました。研修以外にも、所属している消防団など地域の付き合いも多いそうで、光子さんは「すごく飲み会が多いんです。この辺りの文化ですね」と話します。幅広い付き合いは仕事に繋がることも多いですが、それだけではなく、実は井上さんと奥さんの出会いも先輩板金屋さんの紹介だったのだとか。公私ともに地域に根差してきたことが、お話からひしひしと伝わってきました。
屋根修理・屋根リフォーム事例(井上板金工業所)1件

屋根工事(取替)
T.S様 (山梨県笛吹市)
更新日 2024.12.16
before
after
- 建物種別
- 一戸建て
- 価格
- 75〜100万円
- 施工期間
- 5〜6日
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工事店プロフィール(井上板金工業所)
一番の強み |
創業70年以上の老舗板金店が地域で長く続けてきたからこそわかる地域の特性に合わせた工事を提案できるところ |
会社名 |
井上板金工業所 |
対応工事 |
|
従業員数 |
社員:2名 |
保有資格者 |
一級建築板金技能士:1名
二級建築板金技能士:1名
丸のこ等取扱従事者:1名
高所作業車運転者:1名
職長安全衛生責任者:1名
足場の組立て等作業主任者:1名
玉掛作業者:1名 |
特徴 |
リフォーム業
金属屋根工事業
その他屋根工事業
雨樋工事業 |
対応エリア |
中部地方
|
アフターフォロー体制 |
日新火災海上保険株式会社の統合賠償責任保険に加入済です。
ご要望に応じて保証書を発行します。 |
やねいろはケア |
未対応 |
代表者 |
井上 拡樹 |
代表者経歴 |
井上板金工業所 代表
甲州市商工会 所属
1995年3月:甲州市立塩山中学校 卒業
1995年4月:井上板金工業所 入社
2015年1月:井上板金工業所 代表 就任 |
所在地 |
〒404-0045
山梨県甲州市塩山上塩後269-4
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|
営業時間 |
毎週月~土曜日 8:00~17:00 |
定休日 |
日曜日、年末年始休業、大型連休(ゴールデンウィーク)、夏季休業(お盆休み) |
外壁工事の依頼も可能です。井上板金工業所の「かべいろは」掲載記事はこちら