瓦屋根の複雑な不具合も難なく見抜く技術力で、丈夫で美しい仕上がりへ
西澤瓦店
福井県あわら市春宮の西澤瓦店は、瓦屋根工事や雨樋修理(あまどい)を中心に手掛ける屋根工事店です。金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)等の屋根工事は窓口となり相談に乗っています。全瓦連技能グランプリ入賞の実力を持つ代表の精魂込めた仕事で美しい瓦屋根をお約束します。
工事店の想い
PERSON
好奇心で飛び込んだ瓦職人の世界。厳しさもあったけどやりがいや面白さは間違いなし
西澤瓦店は福井県あわら市春宮に拠点を構える屋根工事店です。創業は2009年。代表の西澤輝将さん(以下、西澤さん)が瓦屋で10年の修業を経て独立開業した工事店です。
西澤さんが瓦職人を目指したのは、高校時代の電気屋でのアルバイトの影響が大きいといいます。電気屋がきっかけ?と少々不思議ですが、その点もふまえて、創業の経緯や仕事への想いについてお話を伺いました。
「アルバイトでアンテナ設置のために屋根に上がる機会があって、それで瓦を目にしていました。高校の求人票に1件だけ瓦屋があったんですよ。ものづくりが好きだったし、いいなあと思って問い合わせたらそこが家から車で1時間の場所で遠くてね。でも先方さんが『どこの瓦屋さんでも多分雇ってもらえますよ』って教えてくれたので、高校の先生に近所の瓦屋に問い合わせてもらって就職したんです」
当時、瓦屋はどこも人手不足だったため見習い希望はとても歓迎されたといいます。「家を継ぐ」「知人の紹介」という理由ではなく、「この仕事がしてみたい」という強い好奇心で、西澤さんは瓦の世界へ入りました。西澤さんはお兄さんが野球をしている姿を見て、あえてサッカーを選ぶ、あまのじゃくな子どもだったとのこと。そんな性格も、「瓦職人」という珍しい仕事に惹かれた要因なのかもしれません。
修業時代に一番苦労したのは人間関係。先輩たちは気性が荒く、手元を見て作業を覚えるのに精いっぱいだったそう。そして2年が過ぎた頃、慕っていた先輩の退職をきっかけに西澤さんも瓦屋を移り、そこでさらに8年間技術を磨いて2009年に西澤瓦店を独立開業しました。
経営が安定するまではチラシのポスティングをしたり、地域のフリーペーパーに広告を出したりしながら仕事の種まきに励みました。そのフリーペーパーには西澤さん執筆のコラムも掲載されていたため、それをきっかけに読者の方から屋根工事の問い合わせが来るようになったのです。
仕事の励みは、やはりお客さまからの声掛けだと西澤さんは言います。「またお願いね」と、リピートされることも多く、やりがいを感じているそう。今後も地域密着で仕事を受け、さらにスタッフ育成にも尽力していきたいと意欲的です。若手を育てるとしたら「見て覚えろ」ではなく、技術を手取り足取り教え、早めに一人前にしてあげたいと考えています。
「今は『見て覚えろ』という時代ではありません。技術を早く身に付けた方が、その後に『自分で考える時間』がたっぷり取れるのでその方がいいんです。僕の年齢や見習いの助走期間を考えると、そろそろ育てる準備が必要かな。5年後、10年後、自分が動けなくなった時に西澤瓦店が機能するようにしておかなければいけませんね」
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WORK
工事金額のみに着目せず、屋根状態やライフスタイルに合わせた臨機応変な施工を
福井県あわら市春宮の西澤瓦店は、瓦屋根工事や雨樋修理をメインに、金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)工事の相談にも乗っている屋根工事店です。若い頃から瓦屋根ひとすじの代表が仕事に誠実に向き合い信用を築いてきた地域密着型の会社です。
西澤さんがお客さまと接する上で気を付けているのは、説明の際にゆっくり話すこと。専門用語はわかりやすく言い換え、施工例の写真や屋根の現状写真を見せながら施工方法を丁寧に説明します。
実際の屋根工事の事例では、コロニアル屋根(※1)に平板瓦でカバー工法した例が挙がりました。コロニアルがアスベスト含有のタイプで、葺き替えとなると廃材処理費が高額になるため、お客さまがカバー工法を希望したそうです。
「これは難しい工事だったのですごく覚えています。平板瓦を勧めたのは建物の雰囲気に合っていたのと、耐久性や軽さを考慮した結果です。まずコロニアルについていた雪止め金具を外して防水シートを敷き、その後に瓦を葺くための下地を作りました。コロニアルと平板瓦だと軒先の出方が違うので、雨樋を付け直さなくても済むように葺き方を工夫しました」
また、雨漏り修理も問い合わせの多い相談です。西澤さんのもとには「他の瓦屋さんが見てくれたけど直らなかった」という相談も舞い込むそう。
「築50年くらいの家で、他の瓦屋さんが新しく葺き替えをした家でした。でもその瓦屋さんが見ても雨漏り原因がわからなくて僕に相談がきたんです。よく確認したら外壁と熨斗瓦(のしがわら)の水切り板金の納まりが悪くて、そこから雨がサッシを伝っていたんです。水切り(※2)板金を剥がして中の様子を確認し、水切りを入れ直して雨漏りを改善しました」
西澤さんは、瓦屋根修理の依頼を受けると、まず瓦屋根全体を点検します。経年劣化が著しい瓦屋根は、修理が必要になると次々と不具合が出てくるものです。屋根の状態を見極め、修理代何十万円を何度も出すよりも1度に全葺き替えを行った方がコスト的に安く済む場合は、そう説明するようにしています。
「20万円の修理が5回で100万円です。何年もしないうちに全葺き替え工事にとなると、その修理代はどぶに捨てるようなものなので、住宅の修理はどこかで思い切りが必要な時もあると痛感します。屋根の重さを気になさるお客さまには、瓦の種類でも重さに違いがありますので、屋根に合った軽い瓦を提案することも可能です」
福井県あわら市の瓦屋根工事の特性は、屋根の落雪対策に雪止め瓦を設置することです。福井県は積雪のある地域。西澤さんは瓦屋根を守るには雪止め瓦が大切だと考えています。
「屋根から落ちてきた雪が軒先で止まって凍ると大変なことになるんです。瓦に雪がくっついてその重みで軒先が折れてしまい、大掛かりな修理が必要になります。お客さまの中には『屋根の雪は勝手に落ちるだろう』と思っていらっしゃる方もいるんですが、雪止め瓦の必要性を説明して、なるべく僕は設置するようにしています」
※1 コロニアル・・・セメントを固めて塗装した板状の屋根材。化粧スレート
※2 水切り・・・水が一部分に溜まらないようにするための金属板
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MESSAGE
技術に自負あり。しかしおごらずに基本を守り、安全で長持ちする瓦屋根を提供したい
西澤さんは、「全瓦連技能グランプリ2022」で総務大臣賞を受賞するほどの高い技術の持ち主で、瓦屋根リフォームや修理の品質に関しては誰にも負けないという自負があります。また、自分の技術におごらずガイドライン工法(※3)を遵守する誠実な姿勢も貫いていて、安全で丈夫な瓦屋根に仕上げるのがモットーです。
「もしお客さまから『金額が高い』と言われても、僕はガイドライン工法を譲りません。自分の仕事には責任があるので、価格について相談されたらガイドライン工法を外さず材料を見直して安くする方法を提案します。完工後、万が一不具合があればすぐにアフターフォローに伺うので、気になることは気兼ねなく連絡してくださいね」
最後に「やねいろは」をご覧になっている、雨漏り修理や瓦屋根の劣化でお困りのお客さま、そして瓦屋根リフォームや屋根修理を検討しているお客さまへメッセージです。
「工事に関しては100パーセント自分の目が行き届いた状態です。もしも予算で迷ったら相談に乗りますし、金額だけではなく数年先のお客さまの生活を見据えた工事を考え、提案させていただきます。決して押し売りはしないので、見積りだけでも気軽に聞いてくださいね。1人でやっているので、対応にお時間をちょうだいするかもしれません。でも、お客さまの安全に関わる緊急性の高いものには急いで駆け付けます」
西澤さんはお客さまのライフスタイルに寄り添って施工を考えます。ご年配の方が暮らす家に高額な全葺き替えは必ずしも必要ではありません。家とご家族に配慮する心のこもった対応に、西澤さんにお願いしたいと強く感じた取材でした。
※3 ガイドライン工法・・・最新の実験データに基づいた、全日本瓦工事業連盟推奨の施工方法
(2023年5月取材)
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工事店プロフィール(西澤瓦店)
一番の強み |
全瓦連技能グランプリ入賞の実力を持つ代表が精魂込めて、美しい瓦屋根の施工をしているところ |
会社名 |
西澤瓦店 |
対応工事 |
|
従業員数 |
社員:1名 |
保有資格者 |
一級かわらぶき技能士:1名
瓦屋根工事技士:1名
研削砥石の取替え等の業務に係る特別教育:1名
足場の組立て等作業主任者:1名 |
特徴 |
リフォーム業
瓦屋根工事業
雨樋工事業 |
対応エリア |
中部地方
|
アフターフォロー体制 |
損害保険ジャパン株式会社の全瓦連第三者賠償保険制度・瑕疵保障保険制度に加入しています。
何かございましたらご連絡ください。ご対応させていただきます。 |
やねいろはケア |
未対応 |
代表者 |
西澤 輝将 |
代表者経歴 |
西澤瓦店 代表
福井県屋根工事業協同組合 青年部 所属
1996年3月:あわら市立金津中学校 卒業
1996年4月:福井県立金津高等学校 入学
1999年3月:福井県立金津高等学校 卒業
1999年3月:地元瓦店1 入社
2001年2月:地元瓦店1 退社
2001年3月:地元瓦店2 入社
2008年12月:地元瓦店2 退社
2009年1月:西澤瓦店 創業 代表就任 |
所在地 |
〒919-0632
福井県あわら市春宮1-14-24
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|
営業時間 |
毎週月~土曜日、祝日 8:00~18:00 |
定休日 |
日曜日、年末年始休業 |
備考 |
2022年3月:全瓦連技能グランプリ総務大臣賞受賞 |