地震に強い瓦・金属屋根を葺き続ける。雨漏り修理も行う老舗。雨樋修理も
松岡瓦店
三重県桑名市西金井の松岡瓦店は、この地で創業160年を迎える瓦屋根工事店です。メインは瓦屋根リフォーム・修理、金属屋根リフォーム・修理・雨漏り修理、その他雨樋修理にも対応可能。「下から見上げて線がピシッと通っている屋根が好き」という生粋の瓦屋根職人である代表が、美しく丈夫な屋根に仕上げます。
工事店の想い
PERSON
「瓦屋根葺きは残る仕事」そう実感した時に、この仕事に対する情熱がより一層深まった
松岡瓦店は三重県桑名市西金井に拠点を構える屋根工事店。雨漏り修理はもちろん、瓦屋根のリフォーム・修理を中心に、金属屋根リフォーム・修理、また雨樋修理も行います。「屋根は長く残るもの、自分の手掛けたものが残る緊張感は最高。現場のたびに一球入魂です」と熱く語る代表が、三重県の瓦屋根風景を守っています。
「父の代までは、現場全体が職人気質で気難しい雰囲気でした。お客さまにも割と厳しいことを言っていた記憶がありますね。でも私が代表になってから方針を変えたんです。お客さまに対して親切・丁寧に接し、コミュニケーションも多くしています」
松岡瓦店は、江戸時代からこの地で瓦屋根工事を仕事にしてきた歴史ある屋根工事店。
現在で六代目となる松岡瓦店代表の松岡弘起さん(以下、松岡さん)は、「職人は技術さえあれば」という老舗ならではの社風と伝統に一石を投じ、これまでのお客さまとの接し方を見直してきたと話します。
「今は技術さえあればという時代ではありません。競争の激しい業界でもありますし、これからは職人の屋根リフォーム・屋根修理の技術はもちろん、接客の品質も磨かなければいけませんね」
瓦屋根職人として働く祖父と父の背中を見て育った松岡さん。「後継ぎ」としての意識は、幼い頃から心の奥深くに宿っていたそうです。
「小学生の頃から、当たり前のように現場に出入りしていました。下から荷揚げを手伝って父に小遣いをもらってましたね。高校生にもなると、他でアルバイトするよりも時給が良かったので夏休みには喜んで働いていました。そうだなあ。『継ぐ』と考えていたと言うよりは、子ども心に『働くことすなわち屋根職人』というイメージかな」
そんなふうに「継ぐ」という想いがまだまだ漠然としていたため、高校卒業後は地元の企業へ就職。4年あまり会社員として働きながら、休日に父の現場を手伝う生活を送りました。
「すぐに職人修業に入らず、一度外で働いたのはとてもいい社会勉強になりました。それに、その4年間の生活が家業継承の気持ちを固めるのに役立ったというか……。休日に屋根工事の現場に手伝いに行くと、出入りの大工さんや職人さんに『まだ継がないのか』とか『そろそろか?』なんて色々声を掛けられるんですよ。そんな状況に後押しされて父も『やるか?』と僕に言うようになって。気持ちが固まったのはサラリーマン生活があったからですね」
そうして松岡さんは2000年に会社を退職し、翌年に修業のため愛知県の瓦屋根工事店に在籍、同時に愛知県瓦高等職業訓練校(※1)に入学しました。瓦店で働きながら瓦葺きの基礎を学ぶハードな毎日を過ごしたそうです。
「学校では瓦葺きの基礎を、瓦店では職人としての基礎を教わりました。親方からは『職人たるもの早くきれいにが第一』と言われたなあ。その親方が瓦屋根だけではなく、屋根に関する工事に詳しい人だったので、様々な屋根材や太陽光パネルの取り付けも教わったんです」
約3年に渡る修業期間。
松岡さんが瓦屋根職人としての仕事が楽しくなったのは、やはり本格的に瓦葺きをさせてもらった時だそう。あるテーマパーク内にある温泉施設の新築工事で、一棟の半面を任せてもらい、その達成感が仕事へのやる気に繋がったと言います。
「テーマパークに行けば自分の葺いた屋根が残ってる、これがいいなあと思いました。今も行くと無駄に温泉に入って、自分の葺いた屋根を眺めてしまいます」
松岡さんはその後2003年に実家の松岡瓦店へ戻り、2010年に代表に就任しました。
今後は、瓦屋根以外の金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)のリフォーム・修理の対応工事の幅を広げ、あらゆる屋根に強い工事店になりたいと意欲的です。
※1 愛知県瓦高等職業訓練校…働きながら、屋根施工に関する知識と技術を身につける訓練校
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WORK
瓦屋根の耐震性をもっと世間に広めたい。丈夫で頑丈な瓦施工でお客さまに安心を
三重県桑名市西金井にある松岡瓦店は瓦屋根のリフォーム・修理、金属屋根リフォーム・修理、雨漏り・雨樋修理から新築工事まで手掛ける屋根工事店です。
松岡瓦店では、常に迅速な対応を努めています。屋根リフォーム・屋根修理の依頼の連絡がきた場合には、すぐに駆け付けて事情を伺っているそうです。
「僕がまずお客さまに尋ねるのは、屋根を『どう直したいか』ですね。予算や工期などなるべくお客さまの要望に沿えるようにしています。コミュニケーションを取って話をたくさん聞くために、早めに伺うようにしているんです」
また、最近は地震への不安から屋根リフォームの際、瓦屋根から金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)に変えたいという要望が増えています。しかし、最近使われている防災瓦は地震に強く耐久性も高いため、耐震性ありきで金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)を希望するお客さまには、瓦の種類や耐震性を丁寧に説明しているそう。
「屋根リフォーム相談のお客さまの中には瓦屋根からガルバリウム鋼板(※1)などの金属屋根にリフォームしたいという方もいます。よくよく話を聞いた上で、本当は瓦屋根が希望だけど……と迷っているようなら、防災瓦や最近の施工例などをあげて瓦屋根と建物構造の関係性など説明しています。やはり僕自身が瓦葺き職人なので、瓦の話になると熱くなる傾向にあるかもしれませんね」
雨漏りの修理事例に関しても、松岡さんの瓦屋根職人ならではの眼力が活かされています。
先日、棟(※2)からの雨漏りで現場に急行しましたが、明らかな瓦の割れやズレは見当たらなかったとのこと。しかし点検の結果、経年劣化による棟部分の葺き土の劣化が原因だと判明し、修理に至ったそうです。
「瓦の破損がないと、棟の雨漏りは原因が探りにくいですね。そのお宅は葺き土(※3)の劣化が原因で、のし瓦(※4)の勾配が落ちてきていたんです。そうなると雨水が瓦の下へ入りやすくなってしまいます。原因解明に難航するかなと思ったのですが、これまでの雨漏り修理の経験が役に立ちました。雨漏りは色々なケースがあるんです。単に降雨では平気だけど強風や台風の時だと雨漏りするとか、1日の雨だと漏らないけど3日降り続くと雨漏りするとか……、そんなこんなを見極めるには、現場の数をこなすしかありませんね」
また、松岡瓦店では日本瓦・スレート瓦ではなく、輸入瓦の葺き替えにも対応しています。先日は、フランス製の瓦で新築工事を行いました。
「すごく大きな家でした。フランス瓦はひとつが大きくてとても重量があるので荷運びも設置にも慎重になりました。色も3色あるので、同じ色が続かないようランダムに見映え良く置くにはどうしたらいいかと、考えながら作業を進めていったんです」
ここ三重県桑名市の気候の特徴は、1シーズンに数回ある降雪。北の地域では、和瓦屋根に関しては雪止瓦を設置するのが標準工事です。
「金属屋根だと雪止め金具の凹凸が美観を損なうので、取り付けはオプションにしています。和瓦には標準装備で設置。これがないと雪が積もると一気に滑り落ちてきてしまうので、近隣への安全対策でもありますね。冬場は雪止瓦や雪止金具だけを設置してほしいという相談もありますよ。また、台風の通り道にもなることもあります。台風に備えて全ての瓦を釘で屋根に留め付けるなど組合のガイドライン工法に沿って、施工しています。」
※1 ガルバリウム鋼板…アルミニウムを多く含むサビに強い素材
※2 棟・・・屋根の頂上
※3 葺き土・・・瓦を固定する材料
※4 のし瓦・・・壁とのつなぎ目や冠瓦(屋根の登頂部分)とのつなぎ目に使う平板の瓦
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MESSAGE
世代を超えて声をかけてもらえる誇りを胸に、屋根職人としてこの地に深く根を張っていく
松岡瓦店では、完工後のお客さまにとくに定期点検は設けていません。松岡さんは、近隣を通る際に屋根の状態を目視で確認したり、お客さまが外に出ていれば挨拶をしたりしています。
「僕が葺いた瓦屋根は、平常の気候であれば、10年くらいではガタがこない仕事に努めています。でも、何か不具合があれば、連絡をくださればすぐに点検に参りますよ。年賀状でご挨拶をしているので、それで連絡先を控えていただければ嬉しいです」
最後に「やねいろは」をご覧になっている、屋根の劣化でお困りのお客さま、そして屋根リフォームや屋根修理を検討しているお客さまへメッセージです。
「親切丁寧に仕事をしていく所存です。お客さまとの雑談や挨拶を大切にして、『話しかけやすい職人』でありたいと思っています。現場の清掃や整理整頓などにも気を付けて、安全第一で完工を迎えます。屋根の不具合などございましたらお気軽にお問い合わせください」
「工事中に隣の家から、『うちの屋根はおじいさんにやってもらったのよ』と声をかけられる機会があるんです。地元の方々と世代を超えて繋がっているのが、何よりのうちの誇りですね」
地域の方々からの信用が厚いのは、松岡さんを含む、曾祖父や祖父、父や松岡瓦店の職人たちの実直な働きぶりが認められているからに違いありません。松岡瓦店は、これからもバージョンアップを重ねながら、三重県桑名市に深く深く根を下ろしていくでしょう。
(2020年6月取材)
(2025年7月加筆修正)
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屋根修理・屋根リフォーム事例(松岡瓦店)3件

屋根工事(取替)
K.A様 (三重県桑名市)
更新日 2022.01.19
before
after
- 建物種別
- 一戸建て
- 価格
- 0〜5万円
- 施工期間
- 0〜1日
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屋根工事のクチコミ評価(松岡瓦店)1件
新着クチコミ
ユーザーからのコメント
工事中、天井掃除もキレイにしてもらって、ついでに家に買ってあった断熱材まで天井裏に敷いてもらいました。とっても助かりました。仕上がりもキレイで満足しています。
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工事店プロフィール(松岡瓦店)
一番の強み |
屋根の悩みがあったらすぐに駆け付けて、多くのコミュニケーションを取ってお客様の要望に応えるところ |
会社名 |
松岡瓦店 |
対応工事 |
|
従業員数 |
社員:2名、専属外注:1名 |
保有資格者 |
一級かわらぶき技能士:1名
瓦屋根診断技士:1名
瓦屋根工事技士:1名
巻上げ機運転者:1名
研削砥石の取替え等の業務に係る特別教育:1名
職長安全衛生責任者:1名
石綿取扱作業従事者:1名
足場の組立て等作業主任者:1名
玉掛作業者:1名
ROOGA施工管理者:1名
シャープ住宅用太陽光発電システム施工研修受講修了者:1名 |
特徴 |
リフォーム業
瓦屋根工事業
金属屋根工事業
その他屋根工事業
雨樋工事業 |
対応エリア |
中部地方
近畿地方
|
アフターフォロー体制 |
施工内容により保証書を発行しています。
何か気になることがあればすぐに点検に参ります。 |
やねいろはケア |
未対応 |
代表者 |
松岡 弘起 |
代表者経歴 |
松岡瓦店 代表
全日本瓦工事業連盟 所属
三重県屋根工事業組合連合会 所属
1993年3月:桑名市立明正中学校 卒業
1993年4月:三重県立桑名北高等学校 入学
1996年3月:三重県立桑名北高等学校 卒業
1996年4月:東洋ゴム工業株式会社 入社
2000年8月:東洋ゴム工業株式会社 退社
2000年8月:松岡瓦店 入社
2001年3月:松岡瓦店 退社
2001年4月:愛知県瓦高等職業訓練校 入学
2001年4月:姿屋根工事店 入社
2002年3月:愛知県瓦高等職業訓練校 卒業
2003年3月:姿屋根工事店 退社
2003年4月:松岡瓦店 入社
2010年1月:松岡瓦店 代表 就任 |
所在地 |
〒511-0922
三重県桑名市西金井153-3
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|
営業時間 |
毎週月~土曜日、祝日 7:30~19:00 |
定休日 |
日曜日、年末年始休業、大型連休(ゴールデンウィーク)、夏季休業(お盆休み) |