1.ビニール系ルーフィングのハイトントン:はじめに
皆さま、春になりましたが、体調は崩していませんでしょうか。
私は早速体調を崩しながらこの記事を書いています。
皆さまは是非体調管理には気を付けて下さいね。。
ところで、最近屋根工事店さんと話していて、不思議な名前を聞きました。
「ハイトン」、「ハイトントン」・・
最近屋根のリフォームをするときに出てくるものだそうです。
それがいったいどういうものか、今回屋根工事店の方に話を伺ってきました。
2.ビニール系ルーフィングのハイトントン:ハイトントンとは?
「ハイトントン」という聞き慣れない名前。
これは下葺き材(ルーフィング)の一種だそうです。
ルーフィングとは、屋根の下の板と屋根材の間に貼るもの。
ルーフィングが存在することで、屋根材の下に雨水が回ってしまっても家の中まで水が入ってこない構造になっています。
今は改質アスファルトというアスファルトを使ったルーフィングがあったり、樹脂系と言われる軽いルーフィングがあるのですが、30、40年前はトントン葺きと言われる杉の薄い皮を重ねて、それをルーフィングとする工法があったり、アスファルトフェルトと言われる紙にアスファルトを浸み込ませたルーフィングを使う工法が主流だったようです。
そんな中、パナソニック(当時は「ナショナル」と呼ばれていました)が、出したのが「ハイトントン」。
これはビニール系を素材とするルーフィングでした。
このルーフィングは屋根の板に屋根工事店が貼るときに軽くてピタッと貼れるという利点があり当時は画期的でした。
他のルーフィングより施工が簡単ということもあり、よく使われたのです。
ちなみに、商品としては1976年から2005年頃まで存在していたようです。
3.ビニール系ルーフィングのハイトントン:ハイトントンの欠点
しかしながら、施工性が高いハイトントンも年数が経つにつれ、欠点が出てきてしまいました。
写真のように縮んでしまい、ピタっと貼った分、その縮みにハイトントンが耐え切れず、釘とその縮みで割かれた感じになってしまいました。
ビニール系なので寒いときに縮むようです。
100mm程度重ねるように施工マニュアルに載っていたようですが、やはり縮んでしまうと重ねた部分も剥がれてしまいます。
今回ハイトントンの話を教えて下さった屋根工事店は、「雨漏りがする」と施主さんから連絡があり、屋根を点検してみたらルーフィングがハイトントンで、屋根の下が見えてしまう感じだったそうです。
これを見た屋根職人さんは屋根の下が見えてしまっている箇所にルーフィングを挟み込んで応急処置を行いました。
他の箇所からもハイトントンの縮みで屋根全体が劣化していくと思いますが、とりあえず応急処置だけをしてほしいと頼みがあり、今回は縮みが大きい部分にのみ、写真のようにルーフィングを入れたと言われていました。
ですが、やはり数年経つと他の部分からも同じような現象が出てくることが予想されるため、数年後には屋根のリフォームをしないといけないかもしれません。
いかがでしたでしょうか。
30、40年経つと屋根の部材の劣化に伴い、どうしても全体的に屋根の防水機能は低下してきます。
ですが、なぜ屋根の防水機能が劣化したのか知っておくことも大事だと思いましたので、こういった事例を紹介させて頂きました。
「雨漏りした」などのお困りごとがあれば是非経験豊富な屋根工事店さんに相談してみて下さいね。
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