1.瓦屋根業界で働く女性営業マン!:はじめに
屋根や瓦に関わる仕事というと。
男性の営業マンや職人さんのイメージが強くないでしょうか?
かくいうやねいろは事務局の私もそう思っていた一人。
しかし、「瓦屋で営業マンとして働く女性たちがいる」というお話を聞いた時から。
やねいろは事務局スタッフは「ぜひ一度お目にかかりたい!」と切望し続け、ようやくお会いすることができました。
今回は、そんな瓦屋で営業マンとして働く、有限会社しばやまの舟木さんと井手さんにお話を伺いました。
有限会社しばやま:九州を中心に屋根に関する資材・副資材・工具等の販売をしてを行っている企業。(参照:有限会社しばやまHP、https://shibayamakawara.com/)
2.瓦屋根業界で働く女性営業マン!:どうして屋根の世界に?
舟木さんと井手さんは会社内では先輩・後輩の関係。
そんなお二人がどうして「屋根」に関する仕事に就くことになったのかを伺いました。
舟木さんは高校卒業後、有限会社しばやまで事務職として数年間勤務。一度会社を離れ、その後営業としてのキャリアがスタートし、今年で10年目に入ったそう。
「昔は人と接しない仕事をしたかったのです。家にいながらでもできる仕事ですね。しかし、実際には高校卒業後にこの会社に入社し、事務職として働くことになりました。結婚を機に退社したのですが、また復帰しようと思い帰ってきたのです。しかし、その時会社は営業職不足で、事務職ではなく営業職として入社することになった、これが始まりですね」
一度この会社で勤めた経験があったから、仕事復帰の相談をしたところ、まさか営業職になるなんて。思いもよらない展開に驚いたという舟木さんですが、「やってみないと分からないから」と新たなスタートを切ります。
一方で舟木さんの後輩にあたる井手さんは、短大卒業後に新卒で入社。
「もともとは福岡市内で働こうと思っていたのです。ドラマに出てくるような華やかなOLに憧れていましたね。でも、大学の求人を見ているときに、たまたま地元が同じ会社の募集があり、そこに惹かれて応募しました。その後入社し、もうすぐ5年目を迎えようとしています」
もともと屋根や瓦に関心があって入社したわけではないというお二人。
そんなお二人が、この仕事を通して見えてきたものを話してくれました。
3.瓦屋根業界で働く女性営業マン!:屋根業界で働く中で見えてきたもの
「この会社では屋根に関するあらゆる商品を取り扱っているので、膨大な商品知識が必要になるのです。ですので、はじめはカタログを隅から隅まで覚える。これを徹底して行っていましたね」と舟木さん。
屋根材を幅広く扱うからこその、商品知識。しかし、それだけでは進まないのがこの屋根に関するお仕事。
屋根をひとつ作っていく中には、いくつもの工程があり、屋根がどのように出来上がるかを理解していなければ、お客さまとの話はもちろん、見積もりをつくることも容易ではありません。
「お寺に使われる『本葺き』という瓦は、少し前まで手計算で必要な瓦の枚数を出していたので、その時は数学の計算をしているみたいで大変でしたね」と舟木さん。
また、営業職だからこその悩みもあったそう。
「はじめて営業に出たときは、何を話して良いか分からず怖かったですね。世間話がこんなに大変なのかと。だからすぐに商品説明をしていました。でも、一度話をしてみれば、段々とお客さまとも仲良くなれて、それが嬉しかったですね。はじめた当時では考えられませんが、今だと雑談8割、商品の話2割ですね」と明るい笑顔で舟木さん。
井手さんに入社してからのお話を伺うと、「入社してから半年間ほどは、事務所で仕事しながら商品を覚えていきました。その後は先輩や上司の営業に同行していましたが、行く先々で『なんでまたこの業界に!?』『新卒で瓦屋!?』と驚かれることが多かったです。でも、何度も通ううちにお客さまである工事店の方と話ができるようになり、瓦はもちろん、これまでになかった新しい知識が得られました」
そう話してくれた井手さんですが、入社当時は20歳。
「入ったばかりの頃は、お客様のところへ伺っても『大丈夫と?』って言われていました。担当が自分なのに、お客さまから電話がかかって来ない。その代わりに上司に電話がかかってきていることもありました。そういうところで言うと、信頼を築くことが一番大変だったと思います」
「しかし、一つひとつ経験を積むごとに知識も増え、徐々にお客さまから『分かるようになってきたね』と言われるようになって、嬉しかったですね」と井手さんから笑顔がこぼれます。
「屋根の知識がついてきて、お客さまとも話ができるようになってから、自分の人見知りが少しずつ直ってきたなぁとも思います。この仕事に就いたからこそですね。あと、瓦を運ぶので、腕の筋肉も付きました」
女性の営業マンが少ないとは言えど、有限会社しばやまでは、代々女性営業マンが活躍してきました。そんな先輩方の背中を見てきたお二人は、男性だから女性だからに縛られない、日々屋根工事をする職人さんと同じ方向を向いて進む、まっすぐな方々でした。
4.瓦屋根業界で働く女性営業マン!:わたしの好きな屋根!
そんなお二人に、多種多様な屋根材の中で、一番好きなものをお聞きすると、「やっぱり瓦ですよ~」と息ぴったりな答えが返ってきました。
まずは舟木さんに好きな屋根材を伺いました。
「私は石州(※1)のS型(※2)のグリーン系の瓦ですね。グリーン系の色味が良いのは、私がグリーン色が好きだから。瓦の型は、本当は和型(※3)の方が、空気の流れを作れるので屋根にとっては良いですが、でも洋風な瓦に惹かれるのでS型にしました。そして、どうして石州の瓦かと言うと、石州瓦は100年瓦と呼ばれるほど、長持ちする瓦なのです。せっかく自分の家に葺く屋根であれば、好きな色で長持ちするのが良いですね」
そして井手さんは「見た目、デザインで言うと、三州(※4)の栄四郎瓦のUUライト色シリーズですね。混ぜ葺き風が好きですね。最近は和モダンな感じもかっこいいなと思うようになってきたので、いぶし(※5)のフラットタイプ(※6)とかも良いなぁと思いますね」と話をしてくれました。
(※1)石州:瓦の産地の一つ。三州(愛知県)、淡路(兵庫県)、石州(島根県)が三大産地。
(※2)S型:スパニッシュ瓦。屋根に葺くと、洋風な仕上がりになる。
(※3)和型:昔ながらの和風な瓦。波打ったような形の瓦。
(※4)三州:瓦の産地の一つ。(※1)参照。
(※5)いぶし:いぶし瓦。瓦を燻化(くんか)させているため、表面にいぶし銀をまとった瓦。
(※6)フラットタイプ:平らな形状をした瓦。
5.瓦屋根業界で働く女性営業マン!:まとめ
屋根業界で働くお二人。平日は九州を車で長距離移動したり、朝は早く、夜は遅くなることもしばしば。そんなお二人の心休まる休日は、舟木さんは2人のお子さんの部活のお弁当を作ったり、井手さんは学生時代の友人たちとご飯を食べに行ったり家でのんびり過ごしたりするそう。そして、仕事がきっかけではじめたゴルフが、趣味になりつつあると話をしてくれました。
最後に、舟木さんにこの仕事の醍醐味を伺うと、「もちろん、この業界にかかわらないかもしれませんが、女性だから真面目に取り合ってくれないこともありました。そこで諦めずに、何度も行っていましたね。でも、女性が少ない業界だからこそ、しっかり耳を傾けてくれる方もいますし、瓦の配達に伺ったときも手伝ってくれる紳士な方も多いのですよ。もちろん屋根に関わる資材や工具は重たいものもあるので、運んでいるときにぎっくり腰になってしまったこともありましたが、これまでの先輩方もやってきたことですし、やってみたらできるんじゃないかなと思っています」と話をしてくれました。
そして、屋根業界ではたらきたい女性にアドバイスも頂きました。
「ヒールを履いて屋根材を置いているパレットの上を歩くときには要注意ですね。特に木パレットにヒールが引っかかって、こけてしまうこともしばしば。そこだけは気を付けた方が良いですね。私も瓦を犠牲にしてしまったことがあったので…」とやねいろは事務局スタッフも、大きくうなずくアドバイスでした。
屋根に興味はなくとも、屋根のない家に住んでいる人はいない。
身近にあっても普段は意識しない屋根。
そんな屋根に携わる女性たちは、まっすぐでしなやかで安心感にあふれる方々でした。
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