やねいろはインターン生のイシカワです。
私事になるのですが、この冬、好物のみかんをほとんど食べることができませんでした。
というのも、お店に売ってあるものは値段が高く、買おうと思えなかったからです。
私の実家はみかんの産地だったからこそ、500円で20個以上のみかんが買えたのだということを実感しています。
ところで、家の屋根に使われている瓦ですが、みなさんはどこで生産されているかご存知ですか??
多くの方が気にしたことがないと思うのですが、瓦にも名産地があるのです。
特に有名なのは、愛知県の三州・島根県の石州・兵庫県の淡路で、瓦の三大名産地として知られています。
今回は、三大名産地で作られる瓦の特徴について紹介します。
では、最初に三州(愛知県)の瓦について紹介します。
三州瓦は、全国で最も多く使われている瓦として知られており、これまでにも多くの研究・開発が行われてきました。
その中の一つが塩焼瓦と呼ばれるものです。
塩焼瓦とは瓦を焼く途中に塩を入れることによって作られたもののことで、表面上に赤褐色の皮膜ができます。
その製造に初めて成功したのが三州でした。
現在その塩焼瓦が釉薬瓦へと進化していますが、三州瓦は全国的な知名度があり、地域の産業に根付いていることを証明する「地域ブランド」に認定されています。
これも、多くの人々の研究・開発の積み重ねによるものなのです。
次に石州(島根県)について見ていきましょう。
石州の瓦の特徴は焼成温度の高さです。
通常の瓦は1000度ほどで焼かれるのに対し、石州瓦は1300度ほどで焼成されます。
そのため強度が高く、寒さ・凍害にも強いことから、寒冷地方でよく使われています。
ではなぜ焼成温度が高いのでしょうか?
理由の一つに原料の土と釉薬があります。
石州瓦で使用される都野津陶土と釉薬(ゆうやく)、来待(きまち)はともに耐火度が高いため、1300度という焼成温度に耐えられるのです。
このため、石州瓦には食器や土鍋としての使い道もあります。
普段目にする瓦とは異なる使い道にびっくりしました。
最後は淡路(兵庫県)についてです。
淡路瓦の特徴は、何と言っても景観の美しさです。
淡路で主に製造されているいぶし瓦は、きれいな銀色の瓦に仕上がります。
原料である粘土の粒子が細かいため、いぶし瓦に適しているのだそうです。
その美しさから、屋根だけでなく、鬼瓦にも使用されています。
淡路瓦は家の屋根だけではなく、全国の寺社にも多く使用されています。
しかし、淡路瓦の淡路島ではさらに多くの場所で見ることができます。
例えば、図書館などの公共施設、学校、またコーヒーチェーン店の屋根など、瓦のイメージがほとんどない建物にも使われています。
瓦の三大名産地について、簡単にですが紹介してみました。初め、瓦に違いがあるとは思いもしませんでしたが、実際に調べてみると、三つの名産地で作られる瓦には、それぞれ特徴があることがわかり、驚きました。
瓦を選ぶ際には、それぞれの瓦の見た目だけではなく、性質や特徴を理解して選ぶことで、より愛着がわくのではないでしょうか。
参考:http://www.kawara.gr.jp/01_rekishi/rekishi.shtml
瓦web 人にやさしい三州瓦オフィシャルサイト、三州瓦の歴史
http://www.sekisyu-kawara.jp/howto/quality/
石州瓦工業組合、石州瓦の品質
http://www.sekisyu-kawara.jp/howto/quality/
取扱商品、株式会社タツミ
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