瓦屋根のことを調べていくと、瓦を「葺く」という言葉を目にすると思います。
「知ってた?屋根瓦の歴史」でもご紹介したように、瓦は長い歴史を持っています。
その為、関連用語も古くからのものがあり「葺く」もその一つです。
「葺」は音読みでは「シュウ」、訓読みでは「ふ」く、と読みます。
「茅(かや)や板、瓦などで屋根をおおう」という意味です。
例えばモデルハウスに行ったときなどに「この屋根は何で作られていますか?」ではなく「この屋根は何葺でしょうか?」と聞くと、一目置かれるかもしれませんね。
さて、今回は「屋根葺材」のご紹介です。
屋根葺材とは、屋根で葺かれている瓦などの素材のことを言います。
屋根の葺き替えや、新居建築の際の参考にしていただければと思います。
日本の戸建てでよく目にするのは「粘土瓦」なのですが、実は他に6種類あるんです。
・粘土瓦
粘土を焼いて形成された瓦です。
古くから日本家屋の屋根として使われています。
断熱性や遮音性に優れ、本体自体は半永久的に使うことのできる素材です。
・セメント瓦
セメントで形成された瓦です。
粘土瓦と比べると安価ですが、定期的な塗装などのメンテナンスや経年劣化による割れが発生するというデメリットがあります。
セメントのみの屋根材だと、日本のような寒暖差が大きく湿度も高い国には合わないため、現在はセメントに繊維などで混ぜて強くしたセメントハイブリッド瓦などが出てきています。
・金属系
軽く自由な加工が可能な屋根材です。
全般的に耐久性に優れ、防水性も高いのが特徴です。
また、緩い勾配でも使用できるというメリットもあります。
・植物系
茅(かや。具体的には、ススキや稲藁、葦など)、檜皮(檜の皮)、木の板などです。
水はけが良く通気性が高いので暑い地域に適しています。
ただし、火事のリスクが高いので、都会には適さないと言えます。
現在は、文化財などにのみ使用されています。
・石材
天然の粘板岩などを薄く加工して作られた屋根材です。
現在ではほとんど輸入した粘板岩を使っています。
あまりお目にかかる機会はないかもしれませんが、実は東京駅の屋根の一部で使用されているようです。
・アスファルトシングル材(化学工業製品)
不燃布やグラスファイバーにアスファルトをコーティングし、その上に砂などをまぶしてコーティングした屋根材です。
柔らかく施工性に長けています。
アメリカでは80%を占めているそうです。
簡単に施工できるため、日本でも今後広がっていくと思われます。
ただし、アスファルトシングル材は屋根の下地の木材に直接貼っていくので、屋根の下地の木材が他の屋根材よりも腐りやすくなることは我慢しないといけません。
いかがでしたか?
石材の屋根など、おしゃれな感じがしますね。
ぜひご近所などで、粘土瓦以外の葺材を使っているおうちを探してみてください。
参考:『瓦屋根工事技士 研修用テキスト第七版』 一般社団法人全日本瓦工事事業連盟、瓦の歴史と産地 P130
参考:http://www.zentouren.or.jp/kawara/rekishi.shtml 全国陶器瓦工業組合連合会、粘土瓦の歴史(検索日:2018/2/9)
参考:http://www.yane-takumi.net/compare/cement/ 屋根修理の専門店やねの匠、屋根材比較(検索日:2018/2/9)
参考:https://riverstone-roofing.com/basic/20150216_sonota/ 石川商店、【屋根瓦ってどれ?】正しい屋根材の基礎知識〜その他〜(検索日:2018/2/9)
参考:http://www.nurikae.club/tips/24017 塗りかえ倶楽部、知っておきたい瓦の種類ですよ!!(検索日:2018/2/9)
参考:http://roofstyle.nisc-s.co.jp/article/20160817b.html ROOFstyle、屋根材にも歴史有り!東京駅 スレート屋根の物語(検索日:2018/2/9)
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