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「屋根工事」について

2017.12.08雪と屋根

大雪で屋根に被害を受けてしまったときは?タイプ別の原因と修理方法

1.はじめに

そろそろ雪が降り始める季節になりましたね。
雪が降っても家の中が暖かいのは、家の中を回る外壁や屋根があるから。


今回はそんな雪がたくさん降ってしまって、屋根が被害を受けてしまったときの修理方法について説明します。
ひとくちに大雪で屋根が被害を受けたと言っても、いろいろな場合があります。
タイプ別に見ていきましょう。


 

2.大雪のタイプ別被害:屋根が破損(屋根材の割れ、樋が曲がっているとき、釘の飛び)した

雪の被害で一番多いのが、屋根の破損です。
具体的には、雪の重みで屋根材が割れている、屋根と下の板を留めて付けている釘が外れている、雨といが曲がっているなどがあります。
これは大量の雪が屋根材の上に乗ったことで、その重みに屋根材が耐えられずに破損してしまったことが原因と思われます。また凍害と呼ばれる現象も屋根材の割れの原因となります。
いずれの場合も、破損している屋根材や釘、雨といを取り換えることが必要になります。


屋根材が瓦の場合は、同じものがあれば、その部分だけを取り換えるので、比較的修理も少額で済みます。
例えば日本瓦と呼ばれる和型の瓦はJIS(日本工業規格)で定められた53A形、53B形と呼ばれるものもあり、その場合は年数がたっていても寸法が同じなので、差し替えもそこまで難しくはありません。


屋根材が金属屋根の場合も瓦のときと同様ですが、金属屋根は近年材質が変化し、ガルバリウム鋼板が主流になりました。
最近は、ガルバリウム鋼板以外の金属を多く扱っている業者は少ないこともあり、同じ材質の屋根材を探すのは、瓦よりも難しいかもしれません。


樋の取り換えについては、金属屋根の場合と同様に、樋の材質や形状が近年の住宅洋風化によって変化しており、同じものが無い場合も多々あります。
ただし、半円の樋(業者の間では半丸と呼ばれています)の場合は、樋メーカー各社が今も扱っているため、差し替えできる場合もあります。


ここまで部分取り換えについて書いてきましたが、屋根材や樋で同じものが無い場合は、残念ながら、全面取り換えをせざるを得ない場合もあります。
また屋根を下から見たら屋根が破損しているだけに見えても、実際に屋根に上がってみると、雨漏りはしていなくても、屋根が破損しているその下側が長年の雪で浸みている場合もあります(雨漏りの一歩手前の状態です)。こういった、破損している屋根の箇所を取り換えるだけでは、屋根の機能が回復しない場合もあります。
全面取り換えの場合には、屋根の上に屋根材を載せるカバー工法と屋根を取り換える葺き替えの二種類があります。土台がしっかりしている家だと、葺き替えよりリーズナブルなカバー工法で済む場合もあります。


いずれにしても、長く住む家なので、雪の被害があったら屋根工事店に自宅の屋根の状態を見てもらうことをお勧めします。


 

3.大雪のタイプ別被害:屋根が曲がってしまった

雪が溶けて屋根を見てみると、屋根が曲がっているときがあります。
これは、屋根材自体は、雪の重みに耐えきれても、家の柱や梁(はり)と呼ばれる家を支える部材が劣化してしまって雪の重みに耐えきれなかった場合が多いです。
いわゆる、屋根材ではなく家の躯体を含めた設計と劣化の問題と言えます。


この場合は、屋根材を変えるだけでは不十分で、躯体と呼ばれる柱や梁の補強や、屋根を支える束や垂木の取り換えなどが必要になっていきます。


こういった場合は屋根工事店に相談することもひとつですし、お近くの工務店(大工さん)に相談してみるのもひとつだと思います。

すがもりの構造(屋根の物理学 宮野秋彦著より抜粋)

4.大雪のタイプ別被害:大雪で雨漏りしてしまった(凍害、すがもり)

大雪が降った後に、雨漏りしている場合があります。
こういった場合は、何が起きているのでしょうか。


ひとつには、「2.屋根の破損(屋根材の割れ、樋が曲がっているとき、釘の飛び)のとき」で書いたように、屋根が破損していてそこから雨水が浸入しているということが考えられます。
2.では、屋根が破損している理由は、①雪による重み、②凍害と書きました。


ここで耳慣れない言葉が出てきましたが、「凍害」って何でしょう?
凍害とは、劈開面(へきかいめん)の水分が凍結して氷晶(アイスレンズ)が形成されると剥離が生じ、それが繰り返されることで経年劣化が進行して屋根材が破損する現象をいいます。
簡単に言うと、雪が溶けて屋根材が水を含んでしまい、その水が夜から朝にかけて氷に変わり、昼に水に戻るということを繰り返して、屋根材が氷に引っ張られて壊れてしまうことです。


凍害は地域に合った屋根材を使わないことで起こります。
一般的には、寒い地域では、含水率が低い(水をあまり含まない)瓦が適しており、また水を吸収しない金属屋根も適しています。
含水率が低い瓦というと、一般的には非常に高い温度で焼かれた瓦であり、島根県の瓦(石州瓦と呼びます)がそのひとつと言われています。
そのほかにも、地元で焼かれた瓦は、その地元の気候にあった瓦なので、そういった瓦もお勧めです。


またもう一つ書いていた、「すがもり」も雨漏りの原因になります。
これも聞き慣れない言葉だと思いますが、何でしょう?
すがもり(すが漏り、すが漏れとも言います)とは、家の室内からの熱で屋根の上の雪が溶けて水になり、その水が家の先端(軒先)に流れて氷柱(つらら)を作り、つららが堤防の役目をして水をせき止めながら大きくなり、その堤防が家の柱の上まで来ると、溜まった水が屋根の下の板から浸みて室内に流れ込む現象です。
分かりやすく言うと、家の端のつららが大きくなって屋根の上まで氷ができて、その氷に水がせき止められて屋根の上に小さな池ができてしまって水が侵入すること、と言えます。


こうなってしまった場合は、家の中の熱が屋根の上まで行かないことが重要です。
具体的には、
・屋根の野地面や天井面に断熱材料を施工する(家の中の熱を屋根からシャットアウトする)
・天井に断熱材料を施工したうえで、屋根裏を換気する(屋根を冷たく保つ)
・融雪屋根システムを導入して軒先部分を加熱することで氷柱(つらら)の発生を防止する(水の堤防となるつらら自体ができないようにする)


まとめると、雨漏りしている原因が凍害の場合は凍害に強い屋根材に取り換えること、すがもりの場合は、家の熱をシャットアウトするために断熱材を使ったり換気材や融雪屋根システムを設置するという対策があります。


 

5.まとめ

今回は以上となります。いがかでしたでしょうか。


大雪による屋根の被害は色々な場合があります。
雪の対策は特に家の構造を理解しているプロでないと難しいと思います。
経験豊富な地元の屋根工事店ならその地域の気候を知っているので対策も十分に分かっていますので、一度お近くの屋根工事店に相談することを強くお勧めします。


参考・引用:
宮野秋彦、屋根の物理学

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