はじめに
住宅の経年劣化や自然災害などを背景に、屋根リフォームへの関心が高まる中、いえいろはでは、全国500名を対象とした屋根リフォームに関するWEBアンケートを実施しました。
本調査では、実際に屋根リフォームを実施した人と、実施しなかった人との間に見られる「情報源」や「価格感」の違い、意思決定におけるポイントを明らかにしました。
なお、本コラムでは、以下の2つのグループに分けて調査結果を整理しています。
Aグループ:屋根リフォームを実施した人(212名/42.4%)
Bグループ:屋根リフォームを検討したが、実施しなかった人(288名/57.6%)
特にBグループにおいては、実施に至らなかった要因(費用感・情報不足・補助金制度の認知など)を重点的に掘り下げています。
調査概要
◎調査名称:屋根リフォームに関する意識・実態調査
◎調査目的:屋根リフォームに関する意識や実態を把握するため
◎調査地域:全国
◎調査対象者:事前スクリーニングにより抽出した、持ち家(一戸建て)に住み、これまでに屋根修理や屋根リフォームを検討、または実施したことがある30代~70代の男女
◎調査人数:合計500名 ※有効回答者数
(男性250名、女性250名|各年代100名:男性50名、女性50名)
◎調査方法:インターネットによるアンケート調査
◎調査時期:2025年10月10日
なお、本コラムでは、以下の2つのグループに分けて調査結果を整理しています。
Aグループ:屋根リフォームを実施した人(212名/42.4%)
Bグループ:屋根リフォームを検討したが、実施しなかった人(288名/57.6%)
特にBグループにおいては、実施に至らなかった要因(費用感・情報不足・補助金制度の認知など)を重点的に掘り下げています。
調査サマリー
・実施者の7割以上が「築年数・老朽化」をきっかけに屋根リフォームを実施
・業者選定で最も重視されるのは「価格」と「技術力」
・実施に至らなかった最大の理由は「費用が高い」
・補助金・助成金の制度を知らず屋根リフォームを実施しなかった人が約4割、制度利用可で「前向きに検討」したい人は8割以上
実施者の7割以上が「築年数・老朽化」をきっかけに屋根リフォームを実施
調査詳細【Aグループ:屋根リフォームを実施した人(212名/42.4%)】
屋根リフォームを検討または実施したきっかけについて、最も多かった理由は「築年数・老朽化(Q.1-3)」で、71.2%と圧倒的多数を占めています。これは、多くの住宅所有者が経年劣化をきっかけとして屋根リフォームを実施した実態を反映しています。
次いで多かったのは「業者からの提案(Q.1-4)」で19.3%、その次が「雨漏り(Q.1-1)」で15.6%となっており、突発的なトラブルや第三者からのアプローチも重要なきっかけになっていることがわかります。
その他の項目では、「災害(Q.1-2)」や「デザイン変更(Q.1-6)」やといった理由は比較的少数であり、機能性向上や補助金活用といった前向きな理由も一定数あるものの、全体の割合としては低い傾向が見られます。
「実施した人」は212名/500名(42.4%) ※本調査のAグループに該当
業者選定で最も重視されるのは「価格」と「技術力」
屋根リフォーム業者を選定する際に、特に重視する(重視した)点として、最も高い割合を示したのは「価格(Q.3-1)」で59.9%、次いで「工事品質・技術力(Q.3-2)」が58.0%と、費用対効果に対する意識が非常に高いことがわかります。
さらに、「保証・アフターサービス(Q.3-3)」が「担当者の対応(Q.3-4)」とともに41.0%と並び、対人対応の質も重要視されていることが伺えます。
そのほか、「地元業者であること(Q.3-7)」は34.4%と比較的高く、地域密着型の信頼感が一定の評価を得ていることがわかります。
一方、「実績・口コミ(Q.3-5)」および「工期の短さ(Q.3-6)」や「補助金・保険のサポート(Q.3-9)」などは比較的優先度が低く、実用面や金銭的補助よりも、施工そのものの品質と信頼性に重きが置かれている傾向が見て取れます。
実施した人の情報源のトップは「以前利用した業者」と「知人の紹介」
屋根リフォーム業者を探す際、最も多く選ばれた情報源として「以前利用した業者(Q.4-9)」が42.9%、次いで「知人の紹介(Q.4-8)」が39.2%となっており、信頼できる人的ネットワークからの情報が圧倒的に重視されていることがわかります。これらは「実際の経験や実績に基づいた情報源」であり、消費者が不安の多い屋根リフォームにおいて、信頼性を最優先している傾向が明らかです。
一方で、「インターネット検索(Q.4-1)」が20.8%と一定の割合を占めており、自ら積極的に情報収集を行う層も存在しています。「チラシ・ポスティング(Q.4-4)」は12.7%で、従来型の宣伝手法も一定の効果があるといえます。
「比較サイト・口コミサイト(Q.4-2)」「SNS(Q.4-3)」「テレビ・新聞・雑誌(Q.4-5)」などのオンライン・メディアやマスメディアの影響力は比較的小さいことが示されています。
実施予算は「100万円以下」が6割超
屋根リフォームに対して、負担してもよいと思う金額帯、または実際に実施した金額帯で最も多かったのは「50万〜100万円(Q.5-2)」で、全体の45.8%を占めています。次に多かったのが「101万〜200万円(Q.5-3)」で25.5%、続いて「50万円未満(Q.5-1)」が18.9%でした。
この結果から、全体の約6割(64.7%)が100万円以下の予算を想定または実際に支出していることが分かります。これは、消費者が屋根リフォームに対して比較的低予算を想定している傾向を示しており、価格に対する感度が高いことが裏付けられます。
一方、「201万〜300万円(Q.5-4)」は6.6%、「301万円以上(Q.5-5)」はわずか3.3%と、高額帯になるにつれて割合は急減しており、高額な屋根リフォームは少数派であることが明らかです。
最も多く使用された屋根材は「瓦」
屋根リフォームで最も多く使用された屋根材は「瓦(和瓦、洋瓦、フラットタイプ)(Q.6-1)」で、32.5%を占めています。これは日本の住宅における伝統的な素材としての信頼性や耐久性の高さが評価されている結果と考えられます。
次いで多かったのは「金属屋根(Q.6-2)」で24.8%、その後「カラーベスト(Q.6-3)」が22.8%と続いており、近年人気の軽量屋根材も多く選ばれていることが分かります。これらの素材は、地震への備えや工期の短さ、コストパフォーマンスなどが支持の背景にあると考えられます。
その他の選択肢としては、「アスファルトシングル(Q.6-5)」が1.5%、「石付板金(Q.6-4)」が0.5%と少数にとどまりました。また、「わからない(Q.6-6)」と回答した人も18.0%おり、施工内容に対する理解や関心の差も垣間見えます。
屋根材カラーの人気は「ブラック系」と「グレー系」に集中
屋根リフォームにおける屋根材の色で最も人気があったのは「ブラック系(Q.7-2)」で、30.7%と全体の約3割を占めています。次いで「グレー系(Q.7-3)」が29.2%とほぼ同水準で続いており、これらの結果から、落ち着いた無彩色の濃淡カラー(ブラック・グレー)が全体の6割を超えて支持されていることが分かります。
続いて、「ブラウン系(Q.7-7)」が18.9%、「ブルー系(Q.7-4)が8.0%、「グリーン系(Q.7-5)が7.5%と、比較的自然や建物に調和しやすい中間色や寒色系も一定の支持を得ています。
一方、「オレンジ系(Q.7-6)」「その他(Q.7-8)」「ホワイト系(Q.7-1)」はいずれも2%台以下と低い割合にとどまっており、鮮やか・個性的な色味は選ばれにくい傾向が伺えます。
工事を「自分」の意見で決める人が過半数
工事を決める際、最も多く選ばれたのは「自分(Q.8-1)」の意見という回答で、57.1%と過半数を占めています。
次いで「夫(Q.8-2)」が24.1%、「妻(Q.8-3)」が3.3%と続き、配偶者の意見も一定の影響力があることがうかがえます。
一方、「祖父」「祖母」「息子」「娘」「孫息子」「孫娘」など、親族・家族の意見が主導的に決定された割合は非常に低い(すべて0.5%以下)傾向があります。
また、「その他(Q.8-10)」も12.3%と比較的高く、この中には屋根リフォーム業者、知人、専門家など第三者の助言が含まれている可能性があります。
補助金・助成金の制度を知らず屋根リフォームを実施した人が6割以上
屋根リフォームに関して、補助金や助成金の制度があることを、「知っていた(Q.9-1)」と回答した人は33.5%、「知らなかった(Q.9-2)」は66.5%、という結果になっており、約3人に2人が補助制度の存在を認識していなかったことが明らかとなりました。
この結果は、補助金制度が存在していても、多くの消費者に情報が届いていない、あるいは認知されていないことを示しています。
制度利用可で「前向きに検討」したい人は8割以上
補助金や助成金の制度が利用できる場合、屋根リフォームについて、「前向きに検討したい」「ある程度検討したい」と回答した層は合わせて71.7%にのぼり、7割以上の人が補助制度の有無によって屋根リフォームへの関心が高まることが明らかです。これは、金銭的支援が意思決定に与える影響が非常に大きいことを示しています。
一方で、「あまり変わらない」「検討しない」といった補助制度の有無によらず慎重または消極的な層も約3割存在しており、これらの層に対しては補助制度以外の別の動機づけ(耐震性・断熱性向上、資産価値維持など)が必要とされる可能性があります。
実施しなかった人も検討のきっかけは「築年数・老朽化」が最多
調査詳細【Bグループ:リフォームを実施しなかった人(288名/57.6%)】
屋根リフォームを検討したきっかけとして、最も多く挙げられたのは「築年数・老朽化」で、全体の56.3%を占めました。過半数の人が経年劣化をきっかけとしてリフォームを検討していることから、住宅のライフサイクルとメンテナンス意識の関連性が浮き彫りになりました。
次いで多かったのは「雨漏り」(26.7%)や「業者からの提案」(14.2%)であり、突発的なトラブルや第三者からのアプローチも屋根リフォーム検討の後押しとなっている様子がうかがえます。一方で、「災害」や「補助金制度の利用」など、外的要因や制度的な動機づけは比較的低調であり、意識啓発や情報提供の工夫が求められる結果となりました。
実施に至らなかった最大の理由は「費用が高い」
屋根リフォームを検討したが、実施しなかった主な理由として、最も多かったのは「費用が高かった(Q.2-1)」と回答した人は51.4%おり、全体の過半数がコストを最大の障壁と感じています。
高額な費用感が、意思決定を躊躇させている大きな要因であり、価格に見合う価値の提示や補助制度の案内が不可欠といえます。
次いで、「急ぎではなかった(Q.2-3)」が37.5%、「必要性を感じなかった(Q.2-2)」が17.7%と、緊急性・必要性が低いことも検討にとどまる理由となっています。
また、「信頼できる業者がいなかった(Q.2-4)」「情報不足で判断できなかった(Q.2-5)」に見られるように、工事を依頼するための情報不足も重要な課題であると推察されます。
実施しなかった人も「価格」「技術力」を重視
屋根リフォーム業者の選定において最も重視されたのは「価格(Q.3-1)」(62.5%)で、次いで「工事品質・技術力(Q.3-2)」(57.6%)、「保証・アフターサービス(Q.3-3)」(42.4%)が上位に挙げられました。全体として、費用と技術力のバランス、さらに施工後の安心感が意思決定の主要な要素となっていることが分かります。
また、「担当者の対応(Q.3-4)」(29.9%)や「地元業者であること(Q.3-7)」(18.4%)にも一定の関心が寄せられており、信頼関係や地域性も業者選びの判断材料として機能している様子がうかがえます。一方、「工期の短さ(Q.3-6)」などの項目は相対的に優先度が低く、短期的な利便性よりも、長期的な品質と信頼を重視する傾向が顕著です。
「インターネット検索」のみでは約半数が実施に至らず
屋根リフォーム業者を探す際の情報収集方法として最も多かったのは「インターネット検索(Q.4-1)」(46.2%)で、全体の約半数近くがWeb検索を活用していることが明らかとなりました。これは、能動的な情報収集手段としてインターネットが定着している現状を反映しています。
次いで多かったのは「知人の紹介(Q.4-8)」(27.8%)、「以前利用した業者(Q.4-9)」(23.6%)であり、過去の信頼関係や口コミも依然として重要な情報源であることが伺えます。その他、「比較サイト・口コミサイト(Q.4-2)」(26.7%)や「チラシ・ポスティング(Q.4-4)」(16.3%)といった手法も一定の支持を得ており、多様なメディアが併用されている実態が読み取れます。
検討段階では全体の約9割近くが200万円以下の予算感を想定
屋根リフォームに対して「負担してもよい」金額帯として最も多かったのは、「50万〜100万円(Q.5-2)」で34.4%を占めました。次いで「50万円未満(Q.5-1)」(28.1%)、「101万〜200万円(Q.5-3)」(25.3%)、が続いており、全体の約9割近くが200万円以下の予算感を想定していることがわかります。
一方で、「201万〜300万円(Q.5-4)」は9.4%、「301万円以上(Q.5-5)」は2.8%と、高額帯での回答は少数にとどまりました。この結果は、屋根リフォームに対して消費者が比較的低〜中価格帯での工事を想定しており、価格に対する感度が高いことを示しています。適正価格とともに、コストパフォーマンスの高い提案や補助制度の活用が、導入促進の鍵といえます。
「実施していない人」は288名/500名(57.6%) ※本調査のBグループに該当
検討段階で希望する屋根の色は「グレー系」が最も人気
屋根材の色に関する選択では、「グレー系(Q.7-3)」が最も多く32.6%を占めており、全体の約3分の1がこの色調を理想または実際に選んだことがわかります。グレーは汚れが目立ちにくく、周囲の景観にも調和しやすいことから、実用性とデザイン性のバランスを重視する傾向がうかがえます。
次いで「ブラック系(Q.7-2)」が24.0%、「ホワイト系(Q.7-1)」が15.3%と続き、モノトーン系の人気が高いことが明らかになりました。これらの色は、スタイリッシュで現代的な印象を与えるため、外観にこだわる層に支持されていると考えられます。
一方で、「グリーン系(Q.7-5)」「オレンジ系(Q.7-6)」などのカラフルな色はそれぞれ1〜3%台にとどまり、少数派に分類されます。これは、周囲の住宅との調和や長期的な視点での飽きにくさを意識した結果と推察されます。
「その他(Q.7-8)」も13.9%と比較的高く、既存の選択肢に当てはまらないこだわりや、地域特有の事情などもあると考えられます。今後の提案においては、人気色に加え、こうした多様なニーズに応える柔軟なカラーバリエーションの提示も求められます。
工事を検討中に「自分」の意見で決めると回答した人が6割
工事の意思決定において、最も多かったのは「自分(Q8.1)」と回答した人で、全体の66.0%を占めました。次いで多かったのは「夫(Q8.2)」が19.8%で、この2種類で85%以上を占めています。
補助金・助成金の制度を知らず屋根リフォームを実施しなかった人が約4割
屋根リフォームに関する補助金・助成金制度の認知状況について、「知っている(Q.9-1)」と回答した人は53.8%と半数を上回りました。一方で、「知らなかった(Q.9-2)」とする回答も46.2%と高く、制度の存在が十分に浸透していない実態が浮き彫りとなっています。
これは、経済的な支援策があるにもかかわらず、それが十分に活用されていない可能性を示唆しており、特に費用面を理由に屋根リフォームを見送る層にとっては大きな機会損失といえます。補助制度の認知が広がれば、屋根リフォーム実施の後押しにつながる可能性が高いと考えられます。
今後は、自治体や業者側が制度情報を積極的に発信・説明することが重要であり、問い合わせ時や見積もり段階での丁寧な案内が、意思決定を前向きにする一因となるでしょう。
制度利用可で「前向きに検討」したい人は8割以上
補助金や助成金制度が利用できる場合の屋根リフォーム意向について、「前向きに検討したい(Q.10-1)」が36.8%、「ある程度検討したい(Q.10-2)」が43.4%となり、合計で約8割(80.2%)の回答者が制度の活用によって前向きに検討する意向を示しています。
この結果から、費用負担の軽減が屋根リフォームに対する意欲を大きく後押しすることが明らかです。とくに、実施に踏み切れなかった理由として「費用が高かった」が最多であったQ2の結果とも一致し、経済的支援の有無が意思決定に与える影響は非常に大きいといえます。
一方で、「あまり変わらない(Q.10-3)」が14.9%、「検討しない(Q.10-4)」が4.9%と、制度の有無にかかわらず屋根リフォームに消極的な層も一定数存在しています。この層に対しては、補助金以外の観点(将来的な資産価値、住環境の改善、災害対策など)からのアプローチが求められます。
全体として、補助制度の案内強化や申請支援などのサポート体制を整えることで、屋根リフォーム実施率の向上が期待できる結果といえるでしょう。
総括
今回の調査で、屋根リフォームに対する関心は高い一方で、“信頼できる業者との出会い”や“費用感への不安”が障壁になっていることが浮き彫りになりました。今後とも、いえいろはでは、エンドユーザーがより分かりやすい情報発信と、良質な工事を適正価格で提供する工事店紹介による信頼構築を強化してまいります。
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