1.日本一の板金職人を決める大会『第47回全国建築板金競技大会』に行ってきました!観戦レポート:はじめに
寒い日が少なくなり、徐々に春の気配を感じ始める3月。澄んだ空と綺麗な富士山が見守る中、静岡県富士宮市で日本一の板金職人を決める大会が開催されました。
本大会は、一般社団法人日本建築板金協会(日板協)と全日本板金工業組合連合会(全板連)が主催し、厚生労働省、国土交通省、静岡県、富士宮市、職業訓練法人全国建設産業教育訓練協会が後援の下、2025年の3/1(土)と2(日)に富士教育訓練センターで行われました。
やねいろは事務局では毎年この「全国建築板金競技大会」に参加していますが、ここで改めて大会の内容を実施要網よりお伝えします。
大会の目的
我が国の伝統ある建築板金の技能を後世に残し、将来の建築板金を担う若手の後継者の 発掘と育成を図るため、その技能を発表する機会を設け、その技術力を競技・研鑚させる。 それにより国民生活に欠かすことのできない「住」に係わる優秀な建築板金の人材育成を行 い、我が国の住環境の品質の向上・安心・安全に資するものとする。
□技能競技の部(ZIC)
技能者が新しい時代の要請に応えていくためには、技能の基本に立脚し、創意・工夫を重ねていかねばならない。具体的には建築板金業における「ものづくり」の基礎を成す<技能 >の継承及び国民生活向上に重要な役割を担う建築板金業の基本能力である<技能>の 振興に対する決意と取り組みを内外に表明する。
□建築技術の部(NYAC)
建築板金業における良質工事の確保に必要な施工管理技術の向上に資すると共に、建築の様式や工夫の変化に対応した施工技術の向上と有能な技術者を建築板金業界に確保し、国民の住生活の向上と、重要な役割を担う建築板金業の施工管理能力<責任施工能力>の向上に対する決意と取り組みを内外に表明する。
具体的な競技内容として、技能競技の部(ZIC)の今年の課題は、銅板による「置時計」の作成です。毎年銅板を使った立体物の制作が課題となり、過去にはティッシュケースやカバン、じょうろなど、細かい作業が求められる小物が出題されます。
一方、建築技術の部(NYAC)の課題は、「2 世帯住宅のリノベーション計画」に関する施工図2枚の作成です。こちらの部門では毎年図面の作成が課題となります。
大会は2日間にわたって行われます。1日目は、開会式と道具の点検があり、2日目が競技本番です。そして気になる審査結果は後日、3月の下旬を目処に一般社団法人日本建築板金協会から発表されます。
当日の競技参加者数は、技能競技の部(ZIC)38名、建築技術の部(NYAC)19名です。両部門とも去年より参加者が増えて、注目の高まりを感じますね。
2.日本一の板金職人を決める大会『第47回全国建築板金競技大会』に行ってきました!観戦レポート:開会式・道具点検
さて、会場に入った選手たちは開会式に参加し、その後道具の点検に立ち会います。
開会式会場のロビーを歩いていると、1日目は競技がないので、皆さん全国から集まった仲間と楽しくお話されています。
そんな中、少しそわそわしている選手の方がいました。
話を聞くと、「点検で道具が取り上げられてしまうかもしれないんです。」とのこと。
競技の公平性を保つため、大会で使用する工具の形状や長さに基準が設けられているのですが、もしかして改造した道具を持ってきてしまったのでしょうか?
「いや、使い込んですり減ってしまって(笑)普段は養生テープを巻いて使っていたので違和感がなかったんですが、さっき点検のためにテープを外してみたら、規定の長さに達してないかもと思い始めたんです。」
使いすぎで形が変わったという驚きの理由でした。
この点検、選手にとっては緊張の場面です。
体育館で持参の工具を並べ、選手たちは一旦外に出ます。なんとそこから1時間以上待機するのです。その間、体育館で何が行われているかいうと、全選手の工具一つ一つを点検し、2種類の付箋を貼るそうです。
1つは1発アウトの付箋、もう1つは工具の説明が求められる付箋です。
1発アウトの付箋が貼られた工具は大会で使用できなくなり、説明が求められる付箋が貼られた場合は、改造品ではないことや、どこの店で正規に売っているものかを説明して問題なしと判断されれば使用できるとのこと。
公平な競技をするために厳しい審査があるのですね。
3.日本一の板金職人を決める大会の観戦レポート『第47回全国建築板金競技大会』に行ってきました!観戦レポート:選手をサポートする人たち
建築技術の部(NYAC)の会場前で、設営スタッフの青い上着を着た中浦さん(中浦板金の紹介ページ)にお会いしました。
聞くと、仲間が選手として出場するとのこと。
「僕は今回スタッフなんですが、同じ県の仲間が男気で出場するんです。僕らの先輩が、県外から講師を呼んで勉強会を開いてくれて、自分たちのためにそこまでしてくれた先輩のためにっていう話で。自分の仕事もやりながら睡眠時間を削って準備しているのを聞くと、本当にすごいなと思うし、僕もスタッフとして頑張ろうと思いますね。」
建築板金に興味があれば誰でも参加可能となっているこの大会ですが、選手として参加するには覚悟が必要です。それが分かっているから選手をサポートしたいと思う気持ちが自然に生まれるんでしょうね。
選手のサポートの話は、別のところでも耳にしました。
ロビーで談笑している塚本さん(吉川板金工業有限会社の紹介ページ)と谷口さん(乃野工業の紹介ページ)にお会いしました。
大阪から選手の付き添いで来た谷口さんに「新幹線で来たんですか?」と聞くと、「いやいや、車です。」との答えが。理由を聞くと、
「だって、選手はギリギリまで練習したいから。新幹線にすると、道具を会場に送らないといけないので、練習時間が減っちゃうんです。だから僕は運転手として来ました(笑)」
なるほど、そういうサポートもあるんですね。
笑いながら話す谷口さんは、ひとまず無事に選手を送り届けてホッとしているようでした。
ついに明日3/2(日)8:00から第47回全国建築板金競技大会が開催されます!ここまで必死に準備してきた全ての選手たちが、努力の成果を存分に発揮できるのを祈って、明日の競技本番に臨みたいと思います。
(ブログ本文冒頭から2983文字)
引用・参考:
第47回全国建築板金競技大会【実施要項】
https://www.zenban.jp/wp/wp-content/uploads/2024/11/ddf52b7656790321fdf91310c872cdaa.pdf
第47回全国建築板金競技大会【課題及び審査基準(抜粋)〈技能競技の部〉】
https://www.zenban.jp/wp/wp-content/uploads/2024/11/7a43b490245fac0d98df7860977e6f58.pdf
第47回全国建築板金競技大会【課題及び審査基準(抜粋)〈建築競技の部〉】
https://www.zenban.jp/wp/wp-content/uploads/2024/11/d64bd7c679d807fd979788bf86e8b6e2.pdf
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