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「屋根工事」について

2022.04.14 屋根の結露

結露が発生しやすい家の条件

1.結露が発生しやすい家の条件:はじめに

※ 写真は住宅街のイメージです。

最近、雨漏り事例が掲載されている雑誌などを読むと気づくことがあります。
それは、事例の住宅に、3方パラペットの片流れ屋根が多いことです。
「パラペット」とは、屋上やあまり傾斜がない屋根のまわりを取り囲んで立ち上がっている壁のことです。
「片流れ屋根」とは、その名の通り、一方向にのみ傾斜している屋根のことです。
正面から見た時のすっきりとしたモダンな外観、敷地が細長い場所でも空間を有効活用でき、住宅密集地でも軒先を北面にすれば採光条件を守れる、軒先を南面にすれば太陽光設置に最適などの理由で、新築での採用が広まっているのです。

しかし、タイトルにも書きましたが、片流れ屋根は換気を考慮して施工しないと結露が発生しやすいデザインのようです。

ところで、結露とは何でしょうか?
実際に水が家の中に侵入する雨漏りとは異なりますが、家に悪影響を及ぼすもののひとつとされます。
結論から言うと、結露とは、水蒸気(気体)が水(液体)に変わって家に入ってくる水のことを言います。具体的には「暖かい水蒸気をいっぱい含んだ空気が冷やされ、「飽和水蒸気量」を超えると余分な水蒸気が水に変わ」ることです。
今回参考とした旭化成のHP(※URLは本ブログ後方に記載)でも、以下の通り、温度によって水蒸気を含む限界量(飽和水蒸気量と言います)が記載されています。

湿度の基準として相対湿度というのがありますが、家の相対湿度はゼロでも100%でもなく、その間、つまり数十%となります(もちろん夏は湿気が多く冬は湿気が少ないので相対湿度も季節によって異なりますが)。そうなると、温度が高い部屋の湿気が急速に冷やされると(例えば外と中の境界線の内壁や小屋裏などの天井)、そこに水滴が出てくる=結露となります。

そして、結露は現代の家においては発生しやすい現象となりました。なぜでしょうか?
昔の家は家の構造として隙間が存在したため(そのため外気に近いので寒かったり暑かったりするのですが)、その分、結露はしにくい構造でした。そして世の中の進化とともに、気密性を高めて家を快適にしたいという要望を受け、現代の家では気密性が高まりました。しかしながらその結果、外気と家の中の空気の温度がかなり違うという現象が起きたのです。したがって現代の家では結露は切っても切り離せない現象となりました。

今回はそんな結露の実例として、日経アーキテクチュアの記事をご紹介します。

2.結露が発生しやすい家の条件:事例


早速、紹介していきましょう。
【事例】野地板(屋根材と防水シートの下に位置する木の板)に結露→棟側パラペット真下の屋根裏に染み

▼物件
3方片流れ屋根で、屋根断熱採用。断熱材と野地板の間には3㎝以上の通気層が確保されていました。
(「屋根断熱」とは、天井の裏に断熱材をしくのではなく、屋根の垂木と垂木の間などに断熱材を充填して外気を遮断する工法です。最近、吹き抜けや屋根裏収納を採用している家も多く屋根断熱が増えています。「垂木」とは棟~軒間を斜めに渡される木材。屋根の骨組みの一部です。)
片流れ屋根の軒天井(外壁から外側に突き出している屋根部分の裏)には換気口(給気口)が設けられていました。

▼事象
垂木の間に詰められた断熱材は、垂木との間を完全密封されてはおらず、室内からの暖かい空気は天井を抜け、垂木と断熱材の隙間をすりぬけ、通気層まで上昇しました。
事例の物件には棟側に換気口(排気口)が設けられていなかったため、暖かい空気は断熱材と野地板の間の通気層に滞留しました。
冬の放射冷却による屋根面の温度低下によって、野地板の室内側表面の空気内の水蒸気が結露し、野地板の室内側表面にカビ発生。断熱材の袋内にも水が侵入。

▼対策
・事例の物件は吹き抜けではなかったため屋根断熱を天井断熱に変更。
これにより、屋根裏全体が通気層となるので屋根裏の内壁に穴をあけ、排気口を設けました。
・棟側のパラペット内部にも穴をあけ、屋根裏に上昇した暖気が、新しく設けた屋根裏の排気口からこの穴を通じてパラペットにもともと設けられていた通気層へと抜けるようにしました。
・さらに、棟側のパラペット上面と笠木の間に換気部材を設置し、パラペット内の通気層の空気がスムーズに建物の外へ排気されるようにしました。

(P.74~77、新次元!雨漏り対策13 屋根断熱の通気不良で結露発生、「日経アーキテクチュア」、2022年1月)

 

3.結露が発生しやすい家の条件:まとめ

いかがでしたか?
3方パラペットの片流れ屋根は、棟から軒までが長いうえに屋根のまわりはパラペットでかこまれているので、確実に外部に排気される空気の通り道を考えた設計が必要だったのですね。
さらに屋根断熱で、屋根裏でも室温が保持されやすく、冬に結露しやすい環境でしたね。
また、軒先が北面であれば、冬は、日中、日差しが長く差し込む室内と、日の当たらない屋根の温度差は広がります。
事例のお家では、冬の間、結露が続いたため、広範囲で野地板のカビが発生してしまいました。

今回調べたところ、結露だけでなく、建物の重量の左右バランス、パラペットに囲まれた屋根面での雨の滞留、すべての雨水が一方向に流れることによる雨樋への高負荷と雨はねかえりによる軒天劣化、パラペットと屋根が接する部分やパラペット笠木の経年劣化による雨水侵入なども、デメリットとして挙がっています。

とはいえ、実際は、気候、立地や生活習慣などにより建物が受ける影響は異なりますし、換気や防水が適切に対策されているお家であれば問題ありません。

屋根のことでお悩みやご相談がありましたら、ぜひ「やねいろは」をご利用ください!

引用・参考:
・P.74~77、新次元!雨漏り対策13 屋根断熱の通気不良で結露発生、「日経アーキテクチュア」、2022年1月

参考:
https://www.asahikasei-kenzai.com/akk/insulation/customer/neo/mechanism/4-3.html
3. 結露はなぜおこる? | 人と住まいの健康のために | 断熱のすすめ | ネオマフォーム・ネオマゼウス【旭化成の断熱材】(検索日:2023/9/16)

・https://www.zephan.co.jp/news/yanekejyo-rainfall/
雨漏りしない建物を造るには?屋根形状が意外と重要って知っていますか? | 年間2000件 大阪の屋根・雨漏り修理【株式会社ゼファン】(検索日:2022/3/29)

・https://www.sotokabe.com/column/archives/20/
雨漏りが多いって本当?オシャレで人気の片流れ屋根の特徴と注意点 | 住まいるヒーローズ(検索日:2022/3/29)

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・https://mbp-japan.com/aichi/machino-daikusan/column/2304307/
片流れ屋根の家が増える理由⑨~パラペット屋根の雨漏り :一級建築士 鈴木敏広 [マイベストプロ愛知] (検索日:2022/3/29)

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著者:やねいろは編集部
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