やねいろは運営会社へ連絡します

工事店名と工事店番号をお伝えください。

工事店番号
※ご利用の際は、利用規約に同意したものとみなされます。
HOME > やねいろはブログ > 屋根工事 > 【完全ガイド】雪下ろしの安全なやり方・道具・費用・控除制度まで徹底解説

「屋根工事」について

2026.03.10 更新日:2026.03.13 雪と屋根

【完全ガイド】雪下ろしの安全なやり方・道具・費用・控除制度まで徹底解説

はじめに

豪雪地帯にお住まいの方は、毎年冬が来ると「今年はどれくらい積もるだろう」と、不安を感じていませんか?

雪下ろしは冬に欠かせない、しかし危険な作業です。毎年、転落事故や落雪による被害が発生しており、命に関わるケースも少なくありません。

国土交通省の統計では、雪下ろし中の死亡事故の約8割を65歳以上の高齢者が占めていると報告されています。

実際にやねいろはにも、「雪国に住む高齢の両親が心配で、屋根の雪対策を考えたい」というご相談が多く寄せられているんです。

この記事でわかること

  • 雪下ろしの基礎知識とタイミングの見極め方
  • 雪下ろしの安全なやり方
  • 業者に依頼する場合の費用相場と選び方
  • 雪下ろしを不要にする克雪住宅の種類と費用
  • 高齢者向けの支援制度や費用の税控除・保険補償のポイント

初めて雪下ろしを行う方や、高齢者・家族に代わって安全に作業を行いたい方にも役立つ内容です。

安全に冬を乗り越えるために、まずは正しい知識を知ることから始めましょう。

雪下ろしとは?基本知識と必要な理由

雪下ろしとは、屋根に積もった雪を地面に落として除去する作業です。豪雪地帯では建物の倒壊を防ぐために欠かせない作業ですが、危険も伴います。まず基本的な知識を押さえましょう。

雪下ろしの意味と目的

雪下ろし(雪降ろし、ゆきおろし)は、屋根に積もった雪の重みで家屋が倒壊しないように、雪を地面に落として除去する作業です。スコップやスノーダンプなどの道具を使い、主に人力で行います。

豪雪地帯では積雪が数メートルに達することもあります。雪の重さは1立方メートルあたり新雪で約50〜150kg、締まった雪で300kg以上になります。この重量が屋根にかかり続けると、建物に深刻なダメージを与えます。

※「雪颪(ゆきおろし)」は雪の降る前の雷鳴を指す気象用語であり、屋根の雪下ろしとは別の意味です。

雪下ろしが必要な地域と積雪量の目安

雪下ろしが必要になるのは、主に以下の地域です。

  • 北陸地方:新潟県・富山県・石川県・福井県(日本有数の豪雪地帯)
  • 東北地方:青森県・秋田県・山形県・岩手県の主に日本海側や山間部
  • 甲信越地方:長野県北部・新潟県中越地域
  • 北海道:内陸部の一部(ただし、多くの住宅は雪下ろし不要の設計)

建築基準法では、地域ごとに積雪荷重の基準が定められています。北海道では 雪下ろしを前提としない屋根構造(無落雪屋根など)が普及しているため、原則として雪下ろしは不要です。一方、北陸や東北では古い木造住宅を中心に、定期的な雪下ろしが必要です。

一般的な目安として、積雪深が1メートルを超えると雪下ろしの検討が必要とされています。

雪下ろしをしないとどうなる?放置のリスク

雪下ろしを行わずに積雪を放置すると、建物や周囲の安全に影響が出る可能性があります。ただし、近年の住宅は一定の積雪荷重を想定して設計されているため、すぐに倒壊するというわけではありません。

大切なのは、住宅の構造や築年数、地域の積雪状況に応じて適切に判断することです。

建物への荷重負担

屋根に積もった雪は、時間の経過とともに締まり、水分を含むことで重くなります。設計上の想定を超える積雪が続くと、梁や柱に負荷がかかり、きしみや変形が生じることがあります。

特に以下のような住宅は注意が必要です。

  • 築年数が古い木造住宅
  • 過去に耐震・耐雪補強をしていない住宅
  • 陸屋根や雪が溜まりやすい形状の屋根

やねいろはにも、「雪の重みで屋根が折れてしまった」「カーポートが壊れてしまった」というご相談が多く寄せられます。

施工写真

築40年ほどの板金屋根が雪の重みでへこんでしまった事例

施工写真

屋根雪が落ちてカーポートの屋根(劣化した明かり取りのポリカ)が破損した事例

一方で、新しい耐雪設計の住宅では、一定量の積雪に耐えられる構造になっているケースも多くあります。

落雪による事故の可能性

積雪が自然に滑り落ちる屋根では、軒下や隣地への落雪が発生することがあります。

大量の雪が一度に落下すると、人や車、カーポートなどに被害が及ぶ可能性があるため、敷地条件や屋根形状に応じた対策が必要です。

すが漏れ(雪による雨漏り)

屋根の雪が部分的に溶け、軒先で再凍結することで排水が妨げられ、屋根材の隙間から水が浸入する現象を「すが漏れ」と呼びます。

すが漏れイメージ図

引用:やねいろは「大雪で屋根に被害を受けてしまったときは?タイプ別の原因と修理方法」すがもりの構造(屋根の物理学 宮野秋彦著より抜粋)

これは積雪そのものというよりも、断熱・通気・屋根構造の問題が影響するケースが多く、根本的な対策として屋根改修が必要になる場合もあります。

判断に迷ったらどうする?

「雪下ろしをすべきかどうか」は、積雪の深さだけでなく、住宅の耐雪性能や雪質によっても変わります

  • 積雪が急増している
  • 屋根から異音がする
  • 過去に雪害を経験している
  • 築20年以上で耐雪補強をしていない

こうした場合は、無理に自分で判断せず、屋根の専門業者に状態を確認してもらう方法もあります。

現地確認のうえで「まだ大丈夫」「今回は不要」と判断されることも少なくありません。

屋根の雪下ろしの安全なやり方【手順と注意点】

雪下ろしは正しい手順と安全装備で行えば、事故のリスクを大幅に減らせます。ここでは作業前の準備から実際の手順、国の安全基準までを解説します。

作業前に揃えるべき安全装備チェックリスト

雪下ろしを始める前に、以下の装備を必ず準備しましょう。

  • [ ] 安全帯(ハーネス):転落防止の最重要装備。フルハーネス型が推奨
  • [ ] 命綱(ロープ):安全帯と接続し、屋根の固定アンカーに結ぶ
  • [ ] ヘルメット:転落時や落雪による頭部への衝撃を防ぐ
  • [ ] 滑り止め付きの長靴:雪面や氷面での滑りを防止
  • [ ] 防寒手袋:手の冷えを防ぎ、道具を確実に握れるようにする
  • [ ] はしご:屋根へのアクセスに使用。しっかり固定できるものを選ぶ
  • [ ] スノーダンプまたはスコップ:雪を移動・落下させる道具

装備が不十分なまま屋根に上るのは非常に危険です。特に命綱安全帯は、たとえ低い屋根であっても必ず使用しましょう。

雪下ろしの手順5ステップ

屋根の雪下ろしは、以下の5ステップで安全に進めます。

 
天候と周囲の安全確認
作業は天候が安定している日中に行います。吹雪や強風の日は避けましょう。屋根の下に人が立ち入らないよう、カラーコーンやロープで立入禁止区域を設けます。
 
はしごの設置と固定
はしごは安定した場所に立て、上部を屋根の縁にしっかり固定します。はしごの角度は約75度(壁からの距離:はしごの高さの約1/4)が理想です。足元が雪で滑る場合は板を敷きます。
 
安全装備の装着と命綱の固定
屋根に上る前に安全帯を装着し、命綱を屋根の固定アンカーに接続します。アンカーがない場合は、反対側の柱や安定した構造物に結びます。
 
屋根上での作業
屋根の棟(頂上部分)付近から作業を始め、軒先に向かって雪を落とします。一度に大量の雪を落とすと屋根にかかる荷重が偏るため、左右均等に少しずつ進めましょう。軒先ぎりぎりまで雪を取る必要はなく、30〜50cm程度残すと安全です。
 
作業後の確認
作業が終わったら、落とした雪が通路や道路を塞いでいないか確認します。必要に応じて、地上の雪も移動させましょう。
 

国土交通省「雪下ろし安全10箇条」

国土交通省は、雪下ろし作業中の事故を防ぐために「雪下ろし安全10箇条」を公開しています。屋根で作業を行う際の安全の基本を理解し、必ず守るようにしましょう。

①安全な装備で作業する

 ヘルメットや安全帯、滑り止め付き靴などの必須装備を必ず着用しましょう。

 

②はしごは確実に固定する

 地面や屋根にしっかり固定して、ずれや転倒による事故を防ぎます。

 

③作業は2人以上で行う

 単独での作業は危険です。複数人で見守りながら進める体制をとりましょう。

 

④足場を事前に確認する

 屋根や雪面の安定性を確認し、氷や凍結箇所がないかをチェックします。

 

⑤雪を周囲に残す

 屋根下や周囲に雪を残しておくと、万が一転落した場合のクッションになります。

 

⑥屋根から落ちる雪に注意する

 自分の作業だけでなく、上方からの落雪や雪塊にも十分注意しましょう。

 

⑦道具や安全具を点検する

 スコップやスノーダンプ、命綱などの道具は使用前に点検し、故障や破損がないか確認します。

 

⑧除雪機の雪詰まりはエンジン停止後に取り除く

 除雪機を操作中に雪が詰まった場合は、必ずエンジンを止めてから棒やスコップで取り除きます。

 

⑨携帯電話などの連絡手段を携行する

 緊急時に備え、すぐ連絡できる手段を確保しておきましょう。

 

⑩無理をせず作業する

 体調不良や悪天候の場合は作業を中止し、安全を最優先に行動します。

引用:国土交通省「雪下ろし安全10箇条」

雪下ろしに使う道具の種類と選び方

雪下ろしの道具は、屋根に上って使うものと地上から使えるものの2種類に分かれます。作業の安全性と効率性を考慮して、適切な道具を選びましょう。

屋根用道具:スノーダンプ・スコップ・シャベル

屋根に上って作業する際の主な道具は以下の3つです。

  • スノーダンプ(ママさんダンプ):大量の雪を一度に運べる。プラスチック製で軽量なものが扱いやすい。屋根の広い面積を効率よく除雪できる
  • 角型スコップ:雪を切り出して落とす作業に適している。アルミ製やポリカーボネート製は軽量で屋根上での取り回しがよい
  • 剣先シャベル:固く締まった雪や氷を崩す際に使う。刃先が鋭いため屋根を傷つけないよう注意が必要

道具を選ぶ際は、軽量であること持ち手が滑りにくいこと屋根材を傷つけにくい素材であることを重視しましょう。金属製の道具は屋根のコーティングを剥がす恐れがあるため、プラスチック製やゴム付きのものが安心です。

地上から使える雪下ろし棒(スノーレーキ)のメリット

スノーレーキ(雪下ろし棒)は、地上から屋根の雪を引き落とせる道具です。伸縮式で最長6メートル程度まで伸びるタイプもあり、平屋やカーポートの雪下ろしに適しています。

最大のメリットは、屋根に上る必要がないため転落事故のリスクがゼロになる点です。国内外の雪下ろし研究者も、屋根上の作業は極力避け、地上からの除雪を推奨しています。

ただし、2階以上の建物やスノーレーキが届かない場所では使用できません。また、引き落とした雪が落下する方向に人がいないか、十分に注意が必要です。

雪下ろしは業者に依頼すべき?危険度チェックで判断

雪下ろしは正しい装備と手順を守れば安全性を高められますが、すべての人が自力で行うべき作業ではありません。

次の項目に当てはまるものがあるか、確認してみましょう。

□ 1つでも当てはまれば要注意

  • [ ] 65歳以上である、または持病・足腰に不安がある
  • [ ] 屋根の勾配が急(5寸以上)または2階建て以上の住宅
  • [ ] 命綱を固定できるアンカーが設置されていない
  • [ ] 過去に雪下ろしでヒヤリとした経験がある
  • [ ] 積雪が1.5mを超えている
  • [ ] 一人で作業する予定である
  • [ ] 屋根の老朽化(築20年以上)が気になる
  • [ ] 落雪スペースが狭く、隣家や道路に面している

▶ 診断結果の目安

  • 0個:安全対策を徹底すれば自力作業も可能
  • 1〜2個:無理をせず、家族や近隣と協力して実施を検討
  • 3個以上:専門業者への相談を強く推奨

特に「高齢」「急勾配屋根」「単独作業」は、重大事故につながりやすい条件です。

無理をしないことが最優先

雪下ろし中の事故は、経験の有無よりも「慣れ」「油断」が原因になることが少なくありません。

専門業者であれば、

  • 安全帯・足場・命綱を適切に使用
  • 作業人数を確保
  • 屋根材の状態を確認しながら除雪
  • 万が一の損害保険にも加入

といった体制で対応します。

「できるかどうか迷う」という段階であれば、一度現地確認だけ依頼するという選択肢もあります。

やねいろはがインタビューした屋根工事店の方のお話では、雪下ろしに慣れている屋根業者は 「屋根の施工をする立場だからこそ、屋根を傷つけないように細心の注意を払って雪下ろしをしている」 とのことでした。

プロに依頼するのもひとつの手段だと覚えておくと、いざというときに役立つでしょう。

地域密着の屋根業者を比較できるサービスを活用すれば、複数社を効率よく検討できます。やねいろはでは、エリアごとに掲載基準を満たした屋根工事店を検索可能です。

無料相談はこちら

雪下ろしを業者に依頼する場合の費用相場と注意点

自分での作業が難しい場合や、安全面に不安がある場合は、雪下ろし業者への依頼を検討しましょう。ここでは、費用の目安から業者の探し方、選び方、支援制度まで、依頼前に知っておきたいポイントを整理します。

費用相場:1時間3,000〜8,000円が目安

雪下ろし業者に依頼する場合の費用は、1人あたり1時間3,000〜8,000円程度が一般的な目安です。

作業内容 費用目安 備考
敷地内の除雪・雪かき 1人あたり 1時間 1,500〜6,000円 最低出張費が設定される場合あり
屋根の雪下ろし 1人あたり 1時間 3,000〜8,000円 原則2人以上で作業するケースが多い
雪の運搬・排雪 10,000〜30,000円(1回) ダンプ使用・距離により変動
足場設置(必要時) 20,000〜50,000円 勾配や高さにより必要

※屋根の雪下ろしは安全確保のため2人以上で行うのが一般的です。実際の請求額は「単価 × 人数 × 作業時間」で計算されます。

費用は次の要素によって変動します。

  • 作業人数
  • 屋根の面積・勾配
  • 積雪量や雪質
  • 足場や排雪の有無

豪雪期は依頼が集中するため、早めに見積もりを取り、追加料金の有無を確認しておきましょう。

雪下ろし業者はどう探す?地域対応の専門業者を見つける方法

雪下ろしを依頼すると決めたら、次は地域で対応可能な業者を探します。特に冬季限定で対応する事業者もあるため、複数の探し方を知っておくと安心です。

 
地域名を入れて検索する
「〇〇市 雪下ろし 業者」「〇〇町 屋根 雪下ろし 依頼」など、地域名を含めて検索すると地元対応業者を見つけやすくなります。
 
屋根工事店・板金業者・工務店に問い合わせる
雪下ろし専門業者が見つからない場合でも、屋根業者や工務店が冬季対応していることがあります。
実際にやねいろはでも、雪国の屋根板金工事店や塗装工事店へのインタビューで「施主さまからご相談があれば雪下ろしも請け負っている」「意外と雪下ろしの依頼は多い」という声を度々耳にします。
屋根構造を理解している業者に依頼できるのはメリットのひとつです。
 
自治体や地域団体から情報を得る
市区町村の窓口、商工会、建設業協会などが地域の除雪対応事業者を案内している場合があります。
業者情報の入手手段として活用できます。
 
マッチングサイト・紹介サービスを利用する
地域密着型の施工店紹介サイトを利用すると、複数の業者を比較しやすくなります。対応エリアや実績を確認しながら候補を絞りましょう。
やねいろはでもエリアを絞った検索が可能です。まずは複数候補を把握し、比較検討できる状態を作ることが大切です。

※業者の探し方は、地域によって最適解が異なります。豪雪地帯(北海道・東北・北陸など)では、冬季常駐スタッフを抱える専門業者やシーズン契約に対応している会社を優先すると安心です。

一方、積雪が一時的な地域では、屋根工事店やリフォーム会社のスポット対応が中心となるため、実績や保険加入の有無を必ず確認しましょう。

信頼できる業者の選び方と注意点

候補が見つかったら、次は依頼先を見極めます。以下のポイントを確認しましょう。

  • 見積書に作業内容・人数・時間が明記されているか
  • 追加料金の条件が説明されているか
  • 損害賠償保険に加入しているか
  • 施工実績や口コミが確認できるか
  • 電話対応や説明が丁寧か

「今日すぐ契約しないと危険」などと過度に不安をあおる業者には注意が必要です。可能であれば複数社から見積りを取り、条件を比較しましょう。

高齢者向けの雪下ろし支援制度

自治体によっては、高齢者世帯や障がい者世帯を対象に、雪下ろし費用の一部を助成する制度があります。

  • 作業費用の一部補助
  • 登録業者の紹介制度
  • ボランティア除雪支援

制度内容や対象条件は地域ごとに異なるため、市区町村のホームページや福祉課窓口で確認しましょう。支援制度を活用することで、経済的負担や作業リスクを軽減できる場合があります。

※記録的豪雪時には自治体要請により自衛隊が災害派遣される場合もありますが、個人が直接依頼できるものではありません。

雪下ろしのタイミング判断|いつ・どのくらいで必要か

雪下ろしの判断は、積雪深と建物の耐荷重に基づいて行います。科学的なデータと便利なツールを活用して、適切なタイミングを見極めましょう。

積雪深と荷重の判断基準

雪下ろしが必要になる基準は、建物の構造や地域によって異なります。一般的な目安は以下のとおりです。

  • 積雪深1メートル以上:雪下ろしの検討を始める基準
  • 積雪深1.5メートル以上:多くの一般住宅で雪下ろしが必要
  • 積雪深2メートル以上:速やかに雪下ろしを実施すべき状況

ただし、雪の重さは種類によって大きく異なります。新雪は軽く、湿った雪や締まった雪は数倍の重量になります。積雪深だけでなく、雪質も判断材料に加える必要があります。

建築基準法では、積雪1センチメートルごとに1平方メートルあたり20ニュートン(約2kg)以上の荷重を想定するよう定められています。特定行政庁が地域ごとに上乗せ基準を設けている場合もあります。

「雪おろシグナル」で積雪重量を確認する方法

防災科学技術研究所が提供する「雪おろシグナル」は、全国の積雪重量をリアルタイムで確認できる無料のWebツールです。

使い方は簡単で、地図上から自分の住む地域を選ぶだけで、現在の積雪重量(kg/m²)を確認できます。数値は以下の基準で色分けされており、目安として次のように判断されることがあります。

  • 緑色(100未満):雪下ろし不要
  • 黄色(100〜300):大雪が予報されている場合は注意
  • 赤色(300以上):雪下ろしの検討が必要

定期的にチェックすることで、急な積雪増加にも対応できます。特に短期間での大雪が予報されている場合は、事前に雪下ろしの準備を整えておきましょう。

参考:防災科学技術研究所「雪おろシグナルの使い方」

屋根材別リスク比較|材質ごとの雪下ろしリスクと注意点

屋根の材質によって、雪下ろしの危険度や作業時の注意点は大きく異なります。自宅の屋根材に応じて、適切なタイミングや方法を確認しましょう。

屋根材 雪下ろしリスク 注意点 寿命・補修傾向
瓦屋根(粘土瓦・陶器瓦) 重量があるため積雪で割れる・滑りにくく足場確保が難しい 屋根材を傷つけないようスコップやプラスチック製道具使用 割れやすく、雪害による部分補修が必要になることがある
スレート・コロニアル 薄くて割れやすく、凍結で破損リスク増 足元注意・割れ防止のため1枚ずつ雪を除去 補修は部分的に交換可能だが破損時は費用高
金属屋根(ガルバリウム鋼板など) 軽量で滑りやすく、落下事故リスク高 滑り止め付き安全靴・ハーネス必須 基本的に耐久性は高く、雪による破損は少ない
樹脂・プラスチック屋根 変形や割れのリスク スノーダンプなど重量のある道具は避ける 軽量で雪に強いが、劣化による脆さに注意

ポイント

  • 瓦屋根やスレート屋根は割れやすく危険 → 作業は慎重に、必要なら業者に依頼
  • 金属屋根は滑りやすい → 命綱や滑り止めの装備が必須
  • 屋根材別に作業方法や道具を変えることで、事故や建物へのダメージを最小化できる

命綱アンカー設置工事|安全な雪下ろしの必須装備

雪下ろし作業で最も危険なのは、屋根からの転落です。特に積雪の多い屋根や傾斜の急な屋根では、命綱や安全帯を活用しても固定ポイントが不十分だと十分な安全性を確保できません。

そこで重要になるのが、命綱アンカーの設置工事です。

命綱アンカーとは

命綱アンカーとは、屋根や建物の構造にしっかりと固定することで、作業者が安全帯やロープを取り付けるための支点となる金具のことです。正しく設置されたアンカーにより、転落時の衝撃を建物が受け止め、安全に作業を行えます。

設置のポイント

  • 耐荷重確認:積雪の重さや作業者の体重に耐えられる強度が必要
  • 設置場所:屋根の棟や屋根面の補強された箇所に取り付ける
  • 複数箇所設置:作業中の移動範囲を考慮し、複数の支点を設置すると安全性が向上
  • 施工は専門業者に依頼:取り付け位置や強度計算を誤ると、転落防止効果が十分に発揮されないため、雪国での施工実績がある業者に依頼するのが望ましい

メリット

  • 転落事故のリスクを大幅に軽減
  • 安全帯やロープの使用が可能になり、屋根上での作業効率が向上
  • 克雪住宅など改修住宅においても、補助金対象になる自治体がある場合がある

注意点

  • 古い屋根材や劣化した構造にはアンカーが設置できない場合がある
  • DIYでの設置は強度不足や固定不良のリスクが高く、必ず専門業者に依頼する

命綱アンカーの設置は、雪下ろしの安全性を確保する上で非常に重要です。特に瓦屋根やスレート屋根など割れやすい屋根材では、作業中の滑落リスクが高まるため、アンカー設置を検討することをおすすめします。

命綱アンカーによって屋根上での雪下ろし作業は格段に安全になりますが、より根本的なリスク解消方法もあります。有効なのは、屋根自体の構造や住宅全体を雪に強いものに改修することです。

次のセクションでは、雪下ろし不要の家を実現する 「克雪住宅」 の種類と費用について詳しく解説します。

雪下ろし不要の家にする方法|克雪住宅の種類と費用

毎年の雪下ろしの負担や事故のリスクを根本的に解消する方法として、「克雪住宅」への改修があります。克雪住宅とは、雪下ろしをしなくてよい構造の住宅です。

融雪式・耐雪式・落雪式住宅の特徴と比較

克雪住宅には主に3つのタイプがあります。

タイプ 仕組み メリット デメリット
融雪式 屋根にヒーターや温水パイプを設置し、雪を溶かして排水する 雪が自動的に処理される ランニングコスト(電気代・灯油代)が高い
耐雪式 建物自体を雪の荷重に耐えられる強度で設計する。雪庇対策も含む メンテナンスが少ない 建築費用が高い。主に平屋向き
落雪式 屋根の傾斜を急(5寸勾配以上)にし、雪が自然に滑り落ちる構造 エネルギーコストがかからない 落雪スペースの確保が必要。落雪事故の対策が必須

それぞれ一長一短があるため、敷地の広さ、周辺環境、予算に応じて最適なタイプを選ぶ必要があります。

リフォーム費用と補助金制度

克雪住宅へのリフォーム費用はタイプや住宅の規模によって異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。

  • 融雪式への改修:100〜300万円(屋根面積や設備による)
  • 耐雪式への補強:200〜500万円(構造補強の程度による)
  • 落雪式への改修:150〜400万円(屋根の形状変更を伴う場合)

多くの豪雪地帯の自治体では、克雪住宅への改修費用や命綱アンカーの設置費用に対する補助金制度を設けています。

自治体によって助成内容や期限は異なるので、都度お住いの自治体の情報を確認し、問い合わせてみるといいでしょう。

参考:長野県「令和7年度克雪住宅普及促進事業補助金のご案内」

新潟県「補助金のお知らせ(克雪すまいづくり支援事業・命綱固定アンカー普及促進事業)」

やねいろはでの施工事例|無落雪屋根へのリフォーム

克雪住宅とは、屋根に雪を載せたまま処理する・自然落下させる・融雪するなど、雪処理の方法を建物側で設計する住宅の総称です。

その中でも「無落雪屋根」は、屋根上に雪をとどめて落雪を防ぐ構造を採用した代表的な克雪屋根の一種です。雪下ろしの負担軽減や安全性向上を目的に、既存住宅のリフォームでも採用されています。

ここでは、実際に無落雪屋根へ改修した施工事例をご紹介します。

三角屋根から勾配屋根方式(スノーストッパールーフ)へ

施工写真
 
施工写真

一般的に「三角屋根」と呼ばれる切妻屋根の住宅です。

お客さまから「雪はねが大変になってきたので、雪を屋根にとどめておきたい」とご相談があり、横葺きの金属屋根から、スノーストッパールーフの金属屋根に葺き替える工事を行いました。

屋根の構造を変える工事でなければ、費用は比較的抑えることができます。

項目 内容
地域 北海道旭川市
屋根種別 金属屋根(取替)
使用部材 ガルバリウム鋼板(株式会社マキタ/スノーストッパールーフ)
施工面積 75〜100m²
施工期間 4〜5日
建物種別 一戸建て
価格 75〜100万円

無落雪屋根の葺き替え工事

施工写真施工写真
 
施工写真施工写真

「無落雪屋根が雪の重みで壊れてしまったので見てほしい」というご依頼がありました。写真では、屋根が折れ曲がってしまっているのがわかりますね。

ヒアリングを行うと、過去に雨漏りもしたことがあると判明。現地調査の結果、屋根全体の劣化も著しかったため、全面葺き替えをして長く安心して暮らせるようご提案しました。

項目 内容
地域 北海道小樽市
屋根種別 金属屋根(取替)
使用部材 ガルバリウム鋼板(JFE鋼板株式会社/平成ルーフ・和みFIT つやあり)
施工面積 100〜125m²
施工期間 9〜10日
建物種別 一戸建て
価格 150〜175万円

 

車の雪下ろし方法と注意点

雪下ろしは屋根だけではありません。降雪地帯では、車に積もった雪の除去も日常的に必要な作業です。

車の雪下ろしが必要な理由

車の雪を放置したまま走行すると、以下のリスクがあります。

  • 視界不良:加速や減速時にフロントガラスに雪が落下し、視界が遮られる
  • 後続車への危険:走行中に屋根の雪が後方に飛散し、後続車の視界を塞ぐ
  • ボディの損傷:1メートル以上の積雪が続くと、ルーフやボンネットがへこむ
  • ガラスの破損:重い雪の荷重でフロントガラスが割れることがある
  • 罰金のリスク:雪を積んだまま走行すると、地域によっては指導や違反になる場合がある

運転しない日でも、車に雪が積もったら早めに除去しましょう。

正しい手順と3つの注意点

車の雪下ろしは、スノーブラシを使って以下の順番で進めます。

  1. ルーフ(屋根)の雪を落とす
  2. フロントガラス・リアガラスの雪を落とす
  3. ボンネット・トランクの雪を落とす
  4. エンジンをかけ、暖房でガラスの氷を溶かす
  5. ウインカー・ライトに付着した雪を取り除く

注意点は3つあります。

注意1:ワイパーを立ててから作業する。 ワイパーを寝かせたままスノーブラシを使うと、ワイパーが破損する恐れがあります。

注意2:熱湯やお湯をガラスにかけない。 温度差でガラスが割れるリスクがあります。また、お湯が再凍結して状況が悪化します。

注意3:雪は車の左右に落とす。 前方に落とすと進路を塞ぎ、後方に落とすとマフラーに雪が詰まる原因になります。

車のボディにコーティングを施しておくと、雪が付着しにくくなり、雪下ろしの負担を軽減できます。

雪下ろし費用は確定申告で控除できる

意外と知られていませんが、雪下ろしのために業者に支払った費用は、確定申告で税金の控除を受けられる場合があります。

対象となるのは「雑損控除」または「災害減免法」による所得税の軽減・還付です。雑損控除を適用する場合は、雪害に関連する費用(雪下ろし代、雪害による修繕費など)の合計が一定額を超える必要があります。

具体的な適用条件は以下のとおりです。

  • 対象費用:業者に依頼した雪下ろし費用、雪害による住宅の修繕費
  • 対象外:自分で作業した場合の費用(人件費は発生しないため)、ボランティアによる作業
  • 計算方法:損失額 −(総所得金額 × 10%)= 雑損控除額
  • 必要書類:業者からの領収書、被害の写真(修繕の場合)

確定申告の際は、税務署または税理士に相談して、適用可能な控除制度を確認しましょう。領収書は必ず保管しておくことが重要です。

火災保険で補償されるケースと注意点|雪害補償の基礎知識

雪下ろし費用そのものは、原則として火災保険の対象外です。

しかし、雪の重みや落雪によって建物に被害が発生した場合は、「雪災(せつさい)」として補償対象になることがあります。

1. 補償される可能性があるケース

次のような被害は雪災補償の対象になる場合があります。

  • 屋根や雨どいが積雪の重みで破損した
  • カーポートや物置が倒壊した
  • 落雪によって外壁や付属設備が壊れた
  • 雪の影響で雨漏りが発生した(※因果関係の確認が必要)

⚠ 契約内容によっては「雪災補償」が付帯していない場合があります。まずは保険証券を確認しましょう。

2. 補償対象にならないケース

次のようなケースは原則として補償対象外です。

  • 経年劣化による破損
  • 施工不良が原因の雨漏り
  • 単なる雪下ろし作業の費用
  • 被害発生から長期間経過している場合

「雪が原因かどうか」が判断のポイントになります。

3. 保険申請で必要になるもの

雪害補償の申請には、次の書類や記録が必要です。

  • 被害箇所の写真
  • 修繕見積書
  • 被害発生日の記録
  • 保険会社指定の申請書類

屋根上の被害は目視確認が難しい場合があるため、専門業者による現地調査が必要になることもあります。

4. 無理な保険申請に注意

近年、「保険金が必ず下りる」と勧誘する業者とのトラブルが報告されています。

保険申請は事実に基づいて行うことが重要です。

  • 契約内容を確認する
  • 保険会社に直接問い合わせる
  • 見積内容をよく理解する

冷静に対応することで、トラブルを防げます。

5. 雪害が疑われる場合の対応手順

屋根や外壁に被害が疑われる場合は、以下の手順で対応します。

  1. まずは安全を確保
  2. 被害箇所の写真を撮影
  3. 専門業者に状態を確認してもらう

被害の有無を確認したうえで、保険が使えるかどうか判断することが、トラブル回避の近道です。

まとめ

雪下ろしは豪雪地帯の暮らしに欠かせない作業ですが、毎冬発生する転落事故や落雪事故は深刻な問題です。安全に作業を行うためには、正しい手順と装備が不可欠です。

この記事のポイントを振り返ります。

  • 安全装備は必須:命綱・安全帯・ヘルメットを必ず着用し、2人以上で作業する
  • 道具を適切に選ぶ:スノーダンプ、スノーレーキなど用途に合った道具を使う
  • 業者依頼も選択肢:費用は1時間3,000〜8,000円が目安。高齢者向けの支援制度も活用する
  • タイミングを見極める:「雪おろシグナル」で積雪重量を確認し、早めに対応する
  • 根本解決策もある:克雪住宅への改修で雪下ろし自体を不要にできる
  • 費用は控除対象:業者への支払いは確定申告で雑損控除の対象になる場合がある

無理をせず、自分で作業が難しい場合は業者やボランティア、自治体の支援制度を積極的に活用しましょう。安全第一で冬を乗り越えてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 雪下ろしは何センチから必要ですか?

一律の基準はありませんが、積雪深1m前後が判断の目安とされることが多いです。

ただし、湿った雪は非常に重くなるため、深さよりも「積雪重量」が重要です。

防災科学技術研究所の「雪おろシグナル」などで、積雪重量(kg/m²)を確認しながら判断しましょう。

Q2. 雪下ろしは1回だけでも業者に依頼できますか?

可能です。多くの業者がスポット対応(単発依頼)に対応しています。

ただし豪雪期は予約が集中するため、

  • 早めに相談する
  • 複数社に問い合わせる

ことが重要です。

Q3. 夜間に雪下ろしをしても大丈夫ですか?

原則として夜間作業は避けるべきです。

視界不良・凍結・疲労により転落リスクが大幅に高まります。

作業は日中、天候が安定している時間帯に行いましょう。

Q4. 女性や高齢者でも雪下ろしはできますか?

体力差よりも安全装備と環境条件のほうが重要です。

ただし、屋根上作業は転落事故のリスクが高いため、

少しでも不安がある場合は無理をせず業者依頼を検討してください。

屋根工事のご相談ならやねいろはへ

「雪国の屋根工事に詳しい業者を探したい」と思ったら、まずはやねいろはでお住まいのエリアを選択して検索!

克雪屋根や無落雪屋根は「施工不良」がトラブルの原因になるケースが多いため、必ず雪国での施工実績が豊富な業者に相談しましょう

「やねいろは」は当社規定の掲載基準をクリアした、顔が見える地元の屋根工事店のみ掲載。お客さま自身が直接、地元の屋根工事店に依頼が可能です。屋根工事依頼をお考えの方は、ぜひご活用ください。

無料相談はこちら

・当社及び記事作成者は、当サイトに掲載されている記事や情報の内容に関しては十分な注意を払っておりますが、それらについての正確性や確実性、安全性、効果や効能などを保証するものではございません。

・当サイトに記載された情報のご利用については、ユーザー自身の責任において行われるものとし、ユーザーが当サイトから入手した情報に基づいて直接的または間接的に被ったいかなる損害について、当社および記事作成者は一切の責任を負いません。

著者:やねいろは編集部
yaneiroha editorial department
屋根リフォーム工事に関わる有益な情報をお届けします。屋根工事の種類や材料、屋根工事店の選び方、修理やメンテナンス方法など、幅広いトピックについて紹介。皆様の屋根リフォーム工事に関する疑問やニーズにお応えできるよう、わかりやすい情報にまとめて提供していきます。

屋根のことで困ったときは
「やねいろは」へご相談ください!

「やねいろは」は当社規定の掲載基準をクリアした、顔が見れる地元の屋根工事店のみ掲載。お客様自身が直接、地元の屋根工事店に依頼が可能です。屋根工事依頼をお考えの方は、ぜひご活用ください。

地元の屋根工事店を探す

あなたの地元の屋根工事店を自分で探せます。気になる工事店があれば、工事店にお問い合わせすることも出来ます。

電話でのお問い合わせ

0120-920-302

受付時間9:00~18:00(土日祝日を除く)

屋根トラブルでお急ぎの方や電話でご相談したい方は、上記フリーダイヤルにお気軽にご連絡ください。
※ご利用の際は、 利用規約に同意したものとみなされます。

「屋根工事」についての関連記事一覧