1.地震や台風のときの屋根の応急処置とブルーシート:はじめに
2018年6月に起きた大阪北部での震度6弱の地震、
そして2019年9月に起きた台風21号と台風24号で、
2019年現在も、多くの方や住宅が被害に遭われました。
今回は化粧スレートの屋根の頂上部分の金属(棟包みと呼ばれます)が飛んだり、
瓦が飛んだりトタン屋根がずれたりして
屋根や壁に困っている方もまだなおいらっしゃいます。
そしてよく大阪の方から聞いたのが、ブルーシート。
屋根を修理してほしい、という依頼が数十万件ある中で、屋根職人は数千人。
とてもではないけど、すぐに工事することができません。
ただそのまま放置しておいたら雨が家の中にそのまま入ってしまう・・
そこで応急処置として雨を防ぐためにブルーシートが使われています。
今回はそんな災害が起こった時の応急処置の方法と
数種類あるブルーシートの選び方についてご説明します!
2.地震や台風のときの屋根の応急処置とブルーシート:屋根の応急処置の方法
さて、まずは屋根の応急処置の方法から説明していきますね!
実際に屋根屋さんとして今回は大塚瓦さんとホームセンターに一緒にお伺いして、
応急処置のアレコレを尋ねてみました。
まず、屋根の応急処置の方法について。
尋ねたところ、やはり雨や風を一時的にしのぐには、
ブルーシートを屋根の上に掛ける方法が一般的だそうです。
他の応急処置としては、テント生地のシートを
屋根の上に掛ける方法もあるとのことでしたが、値段が非常に高いため
なかなか応急処置の段階ではテント生地を使う職人さんは少ないそうです。
応急処置の時点で大きなお金を使うのは嫌だ、
という施主さんもいらっしゃるとのことでした。
3.地震や台風のときの屋根の応急処置とブルーシート:ブルーシートの選び方
では、実際にブルーシートを選ぶときにはどうしているのでしょうか。
ホームセンターに行って実際に見てみたところ
ブルーシートは、いろいろな種類のものがありました。
・#1000
・#2000
・#3000
・#4000
この「#1000」などの数値はどんな意味なのでしょう?
製造企画メーカーのエスエス産業株式会社さんのホームページによれば、
「#2000、#2500、#4000、#5000など様々ありますが、
これはすべて重さに関する表記になっております。
ブルーシートの最も基準的なサイズ3.6mx5.4mの大きさの製品の重さが
約3kg(3000g)なら#3000、約4kg(4000g)なら#4000というようになります。
また、最近ホームセンターで見かける薄手のシートは
だいたい#1100(約1100g)くらいのようです。
上記のように同じ大きさで重量が重いということは、
そのぶん厚みが厚くなり防水性、耐候性が増します。」
とあります。
つまり重さの数値ですが、数字が高ければ高いほど、
厚みと強さが高いということなのです。
実際にホームセンターに行くと、様々な重さのものを見つけることができますが、
#1000を触ってみると、薄い感触があります。
#2000は#1000より少し厚め、#3000は厚さをしっかり感じます。
大塚瓦さんに尋ねたところ、通常の屋根工事店であれば
#1000を使うことはあまりなく、#2000か#3000を使う人が多いのではないか、
とのことでした。
またブルーシートは一度か二度使ったらそれ以降は使わない場合も多いとのこと。
ちなみに、#4000やそれよりもしっかりしているテント生地は
値段が高く耐久性も高いので、何度も使います、と言われていました。
ちなみに厚さと耐久性は関係があります。
耐久性とは、紫外線によってどのくらいの期間でボロボロになるか、という感じです。
やはり#1000のブルーシートは、数日~1か月で
紫外線でボロボロになってしまうようです。
#2000~#3000のブルーシートはそれよりも持つとのことですが、
やはり1カ月~数か月経つとボロボロになってしまいます。
応急処置のためのものなので、長期間耐えられるものではないようです。
また値段は
#1000:20-50円/m2
#2000:50-100円/m2
#3000:90-150円/m2
くらいのようです。
よく使われる3.6m×5.4mのブルーシートの場合、
#1000:400-1000円
#2000:1000-2000円
#3000:1800-3000円
のイメージです。
屋根工事店も良いものを使いたいと思っていますが、災害時にはリフォーム店が
工事を取りたいがためにブルーシートをまとめ買いするので、
地元の屋根工事店にもブルーシートがあまり無い状態となります。
そういった場合はやむを得ず、屋根工事店でも#1000などを使う場合もあります
とのことでした。
ちなみに悪徳リフォーム店は少しでも値段を安く仕上げるため、
#1000をメインで使う場合が多いです。
4.地震や台風のときの屋根の応急処置とブルーシート:ブルーシートの設置の仕方
では実際に災害で屋根が落ちてしまった時の
ブルーシートの設置はどのようにやられているのでしょうか?
基本的には、以下の方法になります(他にもあるかもしれません)。
a.ブルーシートの穴(ハト目と言います)にロープを通して、
そのロープと樋のじょうご部分を括り付けてブルーシートを固定
b.ブルーシートのハト目に釘を通して、釘を瓦と瓦の間に入れて
動きにくいようにしてブルーシートを固定
c.ブルーシートのハト目に紐を通して、紐を土のうに括り付け、
屋根の頂点にブルーシートの中央部がかぶる形
(屋根にブルーシートを被せて両端の土のうで引っ張る形)で
ブルーシートを固定
a.については、樋のじょうご部にロープを括り付けるので、
強い風が吹くと外れる可能性があり、簡易での応急処置というイメージです。
b.についても同様に、瓦と瓦の間に釘を差し込むだけですので、
簡易での応急処置となります。
c.については、土のうを持ってきて屋根全体に掛けなければならないので
手間がa.b.よりも掛かり、材料費もかかるので、応急処置とは言っても
お金が高くなります。
その分、しっかりとした応急処置と言えると思います。
5.地震や台風のときの屋根の応急処置とブルーシート:まとめ
いかがだったでしょうか。
台風や地震の時の屋根の応急処置について理解が進んだなら幸いです。
災害の時はリフォーム店が営業に来ます。
もちろん、良いリフォーム店もありますが、災害の時だけ動く
悪徳リフォーム店も今なお存在することも事実です。
したがって、災害時には屋根職人に直接修理依頼を、と言いたいところですが、
実際に災害時には屋根職人に数百件、数千件の修理依頼が来て、
全ての修理を終えるのに1,2年かかるということが普通です
(一方で、災害時以外にはそこまで仕事がないので、屋根職人になっても
ご飯が食べられないということで若い人が入ってこない現実が
あることも知って頂けると幸いです。)。
またここまで応急処置の方法について述べてきましたが、未経験者が
応急処置をするのは極めて危険です。
足場がない状態で屋根に上がって落ちて死亡したということも
往々にしてありますので、その点には十分注意してください。
災害時には特に屋根職人と施主様の連携が必要になるもの。
もし悩んだら、一度「やねいろは」までご連絡ください!
参考
・エスエス産業株式会社、ブルーシートの「#3000」の意味は? | エスエス産業株式会社(検索日:2019/4/6)
http://www.ss-sangyo.co.jp/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E3%80%8C3000%E3%80%8D%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%91%B3%E3%81%AF%EF%BC%9F/
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