1.シェアリングエコノミーの波に乗る太陽光発電:はじめに
前回の記事(「岡山は「ため池」。太陽光発電は神出鬼没?」)に続き、今回も「シェアリングエコノミー」の話にお付き合いください。
これまでに一度は、古本や古着を購入されたことのある方がほとんどだと思います。
これは「リユース」をしているということで、要するに「それを使える人がいるなら何度でも使おう」という考えが根底にあります。
ただリユースは基本「モノ」を対象としています。
これを「場所や空間」にまで広げて解釈したものを「シェアリングエコノミー」だと理解していいと思います。
意識していようといまいと関係なく、スマホの普及と通信速度の向上で、この「シェアリングエコノミー」関連のサービスがどんどん誕生しています。
有名どころでいうとレンタルスペースの「スペースマーケット」や、「車を持っていれば誰でもタクシー運転手という「ウーバー」、そして民泊プラットホームの「エアービーアンドビー」などがあります。
そんなシェアリングエコノミーが農家に進出しました。
「農家が電力会社に土地をシェア」するのです。 今回はその取り組みを取り上げてみたいと思います。
2.シェアリングエコノミーの波に乗る太陽光発電:農家の新事業「ソーラーシェアリング」
これまでの農地を活用した太陽光発電では、農地を潰して、野立ての太陽光発電所を作ることがほとんどでした。
そこに、土地を農地として維持し作物を生産しながら、その上に支柱を立てて太陽光発電を行うという「ソーラーシェアリング」が登場してきました。
どういうことかというと、耕作地の上約3mの位置に架台を作り、そのうえに細長い太陽光パネルを並べるというものです。
作物の上に、隙間の多い屋根があるイメージです。
パネルで遮る太陽光の割合は約30%ですが、強すぎる光はかえって作物のストレスになることもあるため都合がいいようです。
いずれにしろ、作物の生育に支障がないように設計されています。
このソーラーシェアリングが可能になれば、停電や機器トラブルなどのリスクを軽減することができます。
そして、売電での収入が見込めます。
1反(10m×100m)で年間およそ80万円の売電収入が入ってくることもあるようです。
これは農家にとってはとても嬉しいことです。
しかし、農作による収入より効率が良くなると、農業をやらないで太陽光発電だけをやりたいという人も出て来る可能性があります。
そこで農水省は、ソーラーシェアリングは許可するが、収穫を減らすのは2割までという条件をつけているようです。
目的はあくまで「質の高い農業を持続させるための経済支援」ということなのでしょう。
このソーラーシェアリングの象徴として、今年の4月に「匝瑳メガ・ソーラーシェアリング第一発電所」が誕生しました。
落成式には、元首相である、細川護煕氏、小泉純一郎氏、菅直人氏が参席しました。
いわゆる「政治界の重鎮」と言われる3人が一堂に会したのはなぜなのでしょうか。
農業とエネルギーは日本の長年の政治的課題でもあります。
その打開策の一つとして大きな期待を寄せられているのかもしれません。
3.シェアリングエコノミーの波に乗る太陽光発電:中国の「海上太陽光シェアリング」
「陸といったら海」ということで、海上での太陽光発電も調べてみました。
日本では兵庫県加西市で約2.3メガワットのメガソーラーが2015年に売電開始したようです。
また中国では、更に大きな海上メガソーラーがあります。
場所は上海の近く淮南(わいなん)市です。
中国の太陽光発電企業「SUNGROW」が関わっているもので、かつては石炭を産出していた地域に、海上メガソーラーを建設したとのことです。
その発電規模は40メガワットで、日本の場合だと1万世帯が賄われる規模になります。
陸上でないタイプの太陽光発電施設としては世界最大とのことです。
海上であれば、人々の生活や経済活動が阻害されないため、都市部に近いところで電力源を確保することができるというメリットがあります。
また陸上に比べて外気温が低くなるために、高熱に弱い太陽光パネルの寿命にも良い影響があります。
インドにも海上メガソーラーは設置されているということなので、国土が大きく安定した海域を保有している国だからこその取り組みなのかもしれません。
4.シェアリングエコノミーの波に乗る太陽光発電:まとめ
いかがでしたか?
「シェアリングエコノミーを通して、農地と発電が両立できるようになった」。
また「陸と海上、また国によって太陽光発電のカタチが異なる」ことをご紹介させて頂きました。
参考: http://solar-sharing.org/solarsharing/ 一般社団法人ソーラーシェアリング協会、ソーラーシェアリングとは(検索日:2017/12/27)
http://www.earth-garden.jp/study/47745/ earth garden、畑の上の太陽光発電「ソーラーシェアリング」の生みの親 長島彬に聞く『エネルギーと農業で日本の未来を変える』(検索日:2017/12/27)
http://enect.jp/pps/solarsharing-03/ みんな電力、【最終回】ソーラーシェアリング 農業とエネルギーの融合(検索日:2017/12/27)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO89045590Y5A700C1000000/ 日本経済新聞、世界最大規模の水上メガソーラー 池に9000枚のパネル(検索日:2017/12/27)
https://www.digitaltrends.com/cool-tech/china-floating-solar-power-plant/ Digital Trends、The world’s largest floating solar power plant just went online in China(検索日:2017/12/27)
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