人生の壁が訪れる度に屋根工事への熱量が高まった。雨漏り・雨樋の修理も
伊藤工業
茨城県日立市の伊藤工業は、瓦屋根・金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)・雨樋修理を手掛ける屋根リフォーム店です。代表の伊藤友明さんは塗装もできる屋根職人。屋根に限らず、外まわりに関する作業も得意です。近隣の工事店や職人との連携も強く、お客さまの住宅のお悩み全般に幅広く対応できます。
工事店の想い
PERSON
母の苦労と重病を背負った息子。家族への想いが物事への向き合い方を180度変化させた

茨城県日立市の伊藤工業は2003年創業。瓦・金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)、外壁塗装や雨漏り修理、雨樋修理をメインとしています。工務店やハウスメーカーからの信頼も厚く、新築・リフォームを問わず様々な屋根工事に対応可能。そのため、職人が常に最先端の工事技術を習得できる環境にあり、高品質で丁寧な仕事が期待できる屋根リフォーム・屋根修理店です。
創業者であり代表の伊藤友明さん(以下、伊藤さん)は、元々勤めていた瓦屋根リフォーム店から独立して2003年に伊藤工業を開業。以来、ここ茨城県日立市で屋根リフォーム店を営んでいます。
「子どもの頃は本当にどうしようもなくて……。中学からは母にも心配かけたし、落ち着きのない悪ガキでした。でも、今こうやって真面目に仕事をしているので、これはこれで良かったのかな……」
生い立ち取材の冒頭、こう吐露した伊藤さん。初めは「生い立ちなんて、何を話したらいいですか。素行が悪かったので話せないことばかりかも」と戸惑っていましたが、記憶を辿りながら少しずつ丁寧に話をしてくれました。
小学生の頃は運動が得意で、勉強がそこそこのごく普通の少年でしたが、中学時代はやんちゃな同級生に影響を受け、先生に指導を受ける場面もしばしば。しかし、中学校3年生の時に両親が離婚。1人で子どもを食べさせていく母親の苦労を目の当たりにします。これがきっかけとなり、子ども心に「きちんと学校へ行って仕事に就く。そしてお母さんに楽をさせたい」と漠然と考え、真面目に勉強に取り組み始めました。
「家計が苦しいながらも、塾に通って生まれて初めて勉強をする習慣がつきました。志望校は中堅レベルの進学校だったのですが、担任に『公立へ行けるよう大事をとれ』と言われて、安全圏レベルの工業高校を勧められて。そんなものなのかなと思いつつ電気科を受験して、そこに進学しました」
そもそも伊藤さんは、「工業高校電気科」に興味があって受験をしたわけではありません。授業に興味が持てず、高校でも中学同様、友人と過ごす時間が楽しくなり、徐々に登校をしなくなってしまいます。「悪友に影響された……、というのは言い訳ですね。私がダメな人間だったのです。学校をサボって遊ぶのが何よりの楽しみで、1学期から学校に行かなくなりました。そのため入学して半年で留年決定の宣告をされて。ならもういいやって自主退学です。母には泣かれました。そりゃそうですよね。塾まで通って入学した公立高校を1年生のうちに退学なんて。今思い返すと情けないです」
高校を中退後、知人の勧めもあり塗装会社で働き始めます。
「塗装店では19歳くらいまで働きました。その他に、週末に時間があると知り合いの瓦屋でアルバイトもしていましたね。そうやって母と妹と暮らしていく中で、学生の頃は気が付かなかった、母の苦労を知りました。母を少しでも楽させてやりたい。その一心でより一層仕事に対してまじめに向き合うようになりました」
しかし、不景気により勤めていた塗装会社は倒産。その後はアルバイト先の瓦屋で職人見習いとして働き始めます。
「瓦屋では同年代の見習いが多くて、競り合いながら仕事をしていましたね。あいつより瓦を多く並べてやるとか、オレの作業の方が早いとか言いながら、1年位で一通りの作業を覚えました。大きなマンションの屋根を任されて、夜中の2時頃まで現場にいたこともありました。あの頃の私は、仕事を任されたい、稼ぎたいと必死でした」
そんな矢先、伊藤さんは瓦屋の社長から「うちの外注先として独立しないか」と打診されます。
「まだ職人としては4年くらいの経験で、仕事ができるようになったとはいえベテランから見たら未熟です。何もかも1人でやる自信はなかった。でも、社長に『自信がないのか。しょうがねえなあ。ならウチで面倒を見てやる』とハッパをかけられて奮起しました。今思えば社長の挑発ですね。それに応戦して開業できたのは若かったからだと思います。当時、私には守るものもありましたけど、稼ぎたい気持ちの方が上だった」
伊藤さんは瓦屋に勤務中の22歳で結婚、上記の独立話の際には息子を授かって家族も増えていました。「家族のために稼ぐ」。自分は未熟と思いながらも独立に踏み切った背景には、そのような強い決意もあったそうです。
「実は、息子は生まれつきファロー四徴症という重い心臓病です。赤ん坊の時から手術を繰り返し、その度に恐怖のあまり泣き叫ぶ息子の表情は忘れられません。しかし、小さな手術でも大きな手術でも、それで息子の体がラクになるなら親としては何でもしてあげたい。でも当然、お金もかかります。独立に踏み切ったのは、もっと稼ぎたいという気持ちがあったからです。独立後はその必死さが営業先に伝わったのか、どうにか新規開拓もできて仕事をもらいました。息子は今、中学3年生です。小学4年生の時に人工弁を取り付ける大きな手術をして、普通に暮らしています。経過観察中なので通院は必須、激しい運動はできませんが、学校へ通って元気にやっています。私の子どもは男ばかり3人です。毎日騒がしいけど、幸せなことですね。瓦屋根修理と塗装工事ができるから、会社を切り盛りして家族と過ごせるのですよね。ロクでもない人生だと思っていたけど、案外こうなるように決められていたのかもしれませんね」と、伊藤さんは生い立ちを振り返りながら、今の幸せを噛みしめていました。
これからの伊藤工業の展望はという質問に、伊藤さんはこう答えます。
「現状維持で十分だと思っています。ただ、家族の将来を考えると、もう少し仕事と従業員が増えればいいですね。最終的には工事を職人にまかせて、私は現場の統括や経営に集中できるようになりたいですが、そこまでなるにはまだまだ時間と経験が必要です。いただける仕事を誠実にやっていきます。私は若く見られがちな外見なので、創業当時は営業をしても門前払いされがちでした。でも、そんな私を邪見にせずに使ってくれたお客さまとのお付き合いは、これからも大切にしていきたいです」
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WORK
手抜き仕事は必ず自分へ返ってくる。いつでも胸を張れる屋根リフォーム・修理をやり通す

伊藤工業は、瓦・金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)、外壁塗装や雨樋修理をメインに行う屋根リフォーム・屋根修理店です。ハウスメーカーや工務店から請け負う仕事も多く、最新の技術でクオリティの高い屋根リフォームができる環境が整っています。
伊藤工業の強みは、最新の技術で多種多様の屋根リフォームの施工ができること。
「工務店さんやハウスメーカーさんとの付き合いがあるので、雨漏り修理や耐震に関しての施工技術は最先端の情報が得られます。弊社には、その道30年50年のいぶし銀のような職人はいませんが、フットワークの軽さと、未知の技術への好奇心と探求心を持った若い職人がいます。新しい技術や資材を抵抗なく受け入れられるので、その時にできる最高の品質で耐震工事や雨漏り修理ができます。あと、私は塗装業出身なので、ペンキ塗りに関する工事もおまかせくださいね」
先日は、築40年超えの住宅を新築のようにリフォームしたとのこと。「新商品や新工法をふんだんに使って、見違える家になりました。私たちも日に日に綺麗になっていく現場で仕事ができて楽しかったです。最終的にはいつも同業の職人に見られても恥ずかしくない仕事を心掛けています。同業に『こいつやるな』なんて思われたら嬉しいですね」
屋根リフォーム・屋根修理をする上で大切にしているのは、お客さまの気持ちに寄り添う姿勢だと伊藤さんは言います。
「現場でいつも心に留めているのは、『自分の家でこうされたらどう思うか』です。職人として屋根仕事を丁寧にきっちりやるのは当たり前です。最近は、工事の技術以外のことにお客さまや世間の目が厳しくなっている気がします。現場でのタバコはご法度、後始末と清掃は丁寧に。それを徹底しています」
また、伊藤さんは「仕事の手抜き」に対して並々ならぬ想いがあります。
「これくらいいいだろう、という甘えた仕事は許さないし、絶対にしません。手抜き仕事は必ず自分たちに返ってきます。若い頃はそれが原因で厳しい状況に置かれたこともありました。自分とお客さまの双方で納得できる仕事を心掛けています。誰に何を言われても動じない屋根仕事を目指します」
次に、実際に屋根修理や屋根リフォームに至った雨漏り修理事例を尋ねたところ、最近は経年劣化による雨漏りがとても多いとのことです。
「スレート瓦(※1)の経年劣化が多いですね。セメントが劣化により少しずつ崩れていって、ホコリが隙間にたまります。そして、そのホコリに水が吸い上げられてスレート瓦の裏側に入ってしまう。毛細管現象というやつですね。スレート瓦が劣化していると、大抵ルーフィング(※2)も傷んでいることが多いので最終的には葺き替えを提案します。あとは資材そのものの品質も影響しています。メーカーも原料も様々ですから一概には言えませんが、昔の防水シートや油紙(※3)、アスファルトルーフィング(※4)は、今とは格段に品質が違います。その他、銅板の劣化による雨漏りもよく見ますね。瓦の釉薬のせいか雨の酸性化のせいか科学的な原因はわかりませんが、経年劣化で銅板に穴が空いている事例も結構多いです」
さらに、伊藤さんが多いと感じている屋根修理は、心ない工事業者が行った屋根修理の後始末。
「最近は耳にしませんが、一時期横行していた訪問の工事業者ですね。『屋根の点検をします』と言って屋根に上がる、自分で屋根瓦や板金を破損させて写真を撮る、そして滅茶苦茶な工事をして法外な修理代を取る。屋根にとって良いことのないやり方をする工事業者には憤りを感じます」
次に気候に沿った屋根リフォームについて伺いました。茨城県日立市は「強風地域」に指定されています。予想される風速で基準工事の釘の本数が決まっていますが、伊藤さんは強風対策にガイドライン以上の釘の本数で施工をするようにしています。
「他には、あまり顕著ではないと思いますが、茨城県の海沿いは塩害があるかもしれませんね。それには錆に強いステンレス釘を用いれば対策になります。茨城県日立市の辺りは、台風の直撃も滅多にないですし、暮らしやすい気候です。ただ、怖いのは地震ですね。東日本大震災の直後は、私にも電話が鳴りっぱなしでした。知り合いという知り合いから連絡がきました。毎日、電話をしながら屋根修理の作業をして、事務所に戻ってからは夜中まで見積もり作成。神経をすり減らすことばかりで、仕事の依頼を嬉しいとは思えなかった。瓦屋根を直して沢山のお客さまに感謝されましたが、もう二度とあんな酷い地震は起こってほしくありません」
※1 スレート瓦…セメントに繊維を合成し強度を高めた原料の薄い屋根材。コロニアル、カラーベストともいう
※2 ルーフィング…屋根材の下に敷く、防水シート
※3 油紙…ルーフィングシートが使われる前の昔の防水シート
※4 アスファルトルーフィング…アスファルトが原料の防水シート
※5 コーキング剤…建築物において気密性や防水性のために使う。隙間を埋めるために用いられることが多い
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MESSAGE
お客さまの安心が何より大事。時間をかけた丁寧な説明で信頼関係を築いていく

伊藤工業のアフターサービスは、「呼ばれたら駆けつけます。屋根修理後はもちろん、新たに気になる箇所が見つかったら気軽に相談してください。私も現場で実際に確認をして、気がついたところは点検後に報告をさせていただきます」と、親身で柔軟な対応を心掛けています。
最後に、「やねいろは」をご覧になっている、屋根の不具合でお困りのお客さま、そして屋根リフォームを検討中の方へメッセージです。
「私たちは、新しい技術を積極的に取り入れて、高品質の屋根リフォーム・屋根修理をお約束します。技術は一流メーカーと同等のレベルであると自負しているので、仕上がりでは他の工事業者に負けません。そして、お客さまが安心して私たちに屋根リフォームをお任せできるよう、お客さまにわかる言葉で、丁寧に修理個所や施工方法について説明させていただきます。中には、質問するのが気が引ける、億劫だと思われる方もいらっしゃいますが、疑問や不安は打ち合わせの段階で解決していきましょう。お互いが納得しないと、屋根リフォーム・屋根修理の工事が始まってから、または完工後に『本当はこうしたかった』『そんなことは聞いていない』というトラブルになりがちです。わからないことはどんどん質問してください。私たちは、お客さまの安心のための労力を決して惜しみません」
納品後にお客さまにがっかりされたくない。
同業に見られて指摘を受ける屋根仕事をしたくない。
伊藤さんは、若い頃から負けん気が強く、これまでこのような想いを抱きながら仕事に臨んできたそうです。独立創業して15年。それらの想いは伊藤さん個人のものではなく、確実に伊藤工業の会社としての信念になっています。その信念の行く先は「お客さまの安心と満足のため」。伊藤工業は、これからも安心・確実な屋根リフォーム・屋根修理を茨城県日立市周辺の皆さまに届けるでしょう。
(2018年7月取材)
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特集(伊藤工業)
伊藤工業は、
「やねいろはでクチコミのある工事店」
の特集に取り上げられています。
屋根修理・屋根リフォーム事例(伊藤工業)3件

屋根工事
(取替)
S.H様 (茨城県日立市)
更新日 2022.07.28
before

after

-
建物種別
-
一戸建て
-
価格
- 50~75万円
-
施工期間
- 4~5日
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お客様の声・インタビュー記事(伊藤工業)
屋根工事のクチコミ評価(伊藤工業)
2件
新着クチコミ
ユーザーからのコメント
丁寧な工事、有り難うございました。友達から相談を受けたら自信を持って紹介出来ます。今後も宜しくお願いします。
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屋根工事店プロフィール(伊藤工業)
一番の強み |
さまざまな種類の屋根修理を、高品質で行い、工事内容をお客さまにわかりやすく説明できるところ
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会社名 |
伊藤工業
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対応工事 |
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従業員数 |
社員:1名 専属外注4名
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特徴 |
リフォーム業
瓦屋根工事業
金属屋根工事業
その他屋根工事業
雨樋工事業
屋根塗装工事業
外壁塗装工事業
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対応地域 |
福島県
茨城県
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アフターフォロー体制 |
連絡をいただければすぐに駆け付けて、点検させていただきます。
お客さまがご希望であれば、工事単位で保険に加入しますのでご相談ください。
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代表者 |
伊藤 友明
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代表者経歴
(名称は当時のもの) |
伊藤工業 代表
1995年3月:日立市立台原中学校 卒業
1995年4月:茨城県立日立工業高等学校 入学
1995年10月:茨城県立日立工業高等学校 中退
1995年11月:有限会社トコー松村 入社
1999年3月:有限会社トコー松村 退社
1999年4月:有限会社共栄瓦工業 入社
2003年3月:有限会社共栄瓦工業 退社
2003年4月:伊藤工業 設立 代表就任
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所在地 |
〒316-0024
茨城県日立市水木町1-32-21
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営業時間 |
毎週月~土曜日 8:00~18:00
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定休日 |
日曜日
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