瓦屋根の伝統と技術を守りながら、時代のニーズにも柔軟に応えたい

有限会社貝塚瓦店

千葉県 勝浦・鴨川

千葉県瓦工事業組合

有限会社貝塚瓦店

千葉県夷隅郡(いすみぐん)の有限会社貝塚瓦店は、瓦屋根・金属屋根工事、雨樋工事を手掛ける屋根リフォーム店です。「お客さまと沢山話して、最適な屋根リフォーム工事を」。家族の生活と未来を見据えた屋根修理を心掛けており、その仕事ぶりには地域の皆様から定評があります。

工事店の想い工事店の想い

PERSON瓦屋根職人はダサいと思っていた少年時代。今では次世代継承を悩むほどの熱心な職人に

有限会社貝塚瓦店(以下、貝塚瓦店)は、千葉県夷隅郡大多喜町にある1977年創業の屋根リフォーム店です。創業時は瓦屋根工事1本で営業していましたが、ここ数年は時代の流れと共に金属屋根工事、雨樋(あまどい)工事も行います。

千葉県夷隅郡(いすみぐん)大多喜町。自然豊かな国道297号線沿いの広大な敷地に、貝塚瓦店はあります。
手入れの行き届いたグリーンの垣根と、その上に光り輝く瓦屋根。鋭角に並ぶ瓦の中に馴染むように作りつけられた「有限会社 貝塚瓦店」の美しい看板。その瓦屋根の社屋は、さすが瓦屋さんと惚れ惚れするほどのたたずまいです。この屋根瓦店を、若くして引き継いだ3代目代表取締役の貝塚将太さん(以下、貝塚さん)に、幼少期からこれまでの話をお伺いしました。

「創業の時はね、かやぶき屋根から瓦屋根への転換期だったの。だから良かった。今の時代は大変よね。人口も減るから仕事も減るでしょう。仕事があっても働く人がいないもの……」と、机の向こうから創業当時の話を聞かせてくれる貝塚さんの祖母。
「そういう話はいいから。脱線させないで」と、それを苦笑しながら制す貝塚さん。
貝塚さんの祖父の代から続く、家族経営のアットホームな屋根リフォーム店。事務所の温かい雰囲気が、取材スタッフの緊張を解いてくれました。

貝塚さんは生まれた時から千葉県夷隅郡住まい。サッカー、野球、水泳にソフトテニスとスポーツばかりしていた子どもでした。
「勉強が苦手で、体育以外は嫌いでした。でも完全な体育会系ではなかったです。小学生の時は野球をやっていましたが、中学では野球部の丸坊主がイヤでソフトテニスを始めました。高校でもその流れでソフトテニス部でした。ずっとスポーツをしていましたが輝かしい戦歴はないし、思い出といえば友人と楽しく過ごしたってことですね」

高校卒業後は、瓦屋の後継ぎらしく愛知県の瓦高等職業訓練校(以下、瓦学校)へ入学。その頃から、すでに瓦職人になる覚悟があったのですかという質問に、貝塚さんからは意外な答えが返ってきました。
「瓦学校は家族の勧めでした。実は当時、屋根瓦職人なんてダサいと思っていました。屋根や建築の仕事にも興味がなかったし、きつい仕事です。子ども心に『もっと華やかな仕事がしたい』と考えていました。華やかって何って感じですけど、まあ子どもだったので……」
しかし、ある人の言葉で、瓦屋根職人に無関心だった貝塚さんは決意します。当時の恋人に瓦学校のことを相談したところ、至極あっさりと「職人って格好良いじゃない」。このひとことで、貝塚さんの瓦学校入学の意思は固まったそうです。その恋人は、のちに貝塚さんの妻になりました。

瓦学校時代は屋根瓦職人の親方の家へ住み込みで、週の半分は仕事、もう半分は学校というスケジュール。仕事の日は朝5時起床、5時半には現場到着。18歳の貝塚さんが現場でできることは雑用と掃除くらいでしたが、体力的にきつい毎日だったそうです。
「厳しい親方でしたし、つらい毎日でしたが、瓦学校での出会いが当時の私にとってすごく救いになりました。瓦屋や、屋根リフォーム店の後継ぎが沢山いました。自分の境遇について話ができる同志です。ほとんどが愛知県外から来ている人で、たった1年しか一緒に過ごさなかったけれど、今でも仲が続いています」
そして1年後、瓦学校を修了して貝塚瓦店へ入社。初めは先輩職人と現場へ行き、実作業の流れを覚えていきました。
「瓦学校と下宿先の親方に基礎は教わっていたので、思ったよりスムーズに仕事に馴染みました。1年だけでも、実家から出て勉強したのが良かったですね。知人から、『あの学校は、すぐに現場で役立つ技術を教えてくれる』と聞いていましたが、その通りでした」

これからの貝塚瓦店の展望は?の質問に、貝塚さんが少し考えた後にこう答えました。
「これからは、瓦屋根以外の金属屋根や雨樋工事の仕事も積極的にやっていきます。瓦屋ですが、やはりお客さまのニーズには柔軟に応えられる体制を整えていきたい。職人として、やれることは1つでも多い方が良いですからね。ただ、瓦屋根自体が減ってきているので、あと30年、40年と、長く続けていける仕事なのかどうか最近考えます。もし、自分の子どもが私と同じ仕事をしたいと言ってくれたら、こんなに嬉しいことはないです。そのためにも、これからの私の動きが重要になってきます。子どもたちが大人になった時に、誇りを持って譲れる屋根工事会社でありたいですね」

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WORK屋根工事前の打ち合わせを重視。屋根リフォームは、お客さまのご要望を把握することから

貝塚瓦店は、創業41年。ここ千葉県夷隅郡で、3代に渡り地域の住宅屋根リフォーム・屋根修理に携わってきました。ここ数年は瓦屋根の他に金属屋根工事にも注力し、お客さまの要望に柔軟に対応できるよう、未来を見据えた体制づくりをしています。

「私たちの強みは、フットワークの軽さと対応の早さです。屋根リフォーム・屋根修理は4人で回していますが、雨漏り修理の依頼があった際は、素早く現場へ駆けつけられる仕事の組み方をしています」
貝塚瓦店の強みを尋ねたところ、このような返答でした。さらに、何よりも自信があるのは、やはり瓦屋根に関する知識だそうです。しかし、そうは言いながらも、貝塚さんはやや浮かない表情。
「最近のお客さまのニーズが、『安いもの』に移行してきているのを肌で感じています。私たちの強みが時代とマッチしていない不安があります。金属屋根と比較すると、瓦屋根は費用がかさみますが、耐久性や耐候性(※1)で金属屋根には劣りません。もっと屋根瓦のメリットが世の中に伝わるといいですね」

実際に屋根リフォーム・屋根修理をする上で大切にしていることを伺ったところ、貝塚さんはこう答えます。
「屋根リフォームをする前に、お客さまの要望をきちんと把握するようにしています。雨漏りしている屋根をどの程度直したいのか、応急処置でいいのか、この家に一生涯住むのか等々、家に対してどんな考えをお持ちなのかを知るのが非常に大切です。家族構成も気にしますね。若い世代の5人家族と、お年寄りの1人暮らしでは、要望も予算も違います。そういったことは、お話をしているうちに少しずつわかってきます。もちろん、お客さまから積極的に意見を言っていただくのも助かりますね。実は、私は屋根リフォームの仕事が大好きです。新築だと『どっちが安いか』『どのデザインがいいか』の話で終わってしまいますが、リフォームはお客さまのこれからの暮らしを見据えて工事を考えていきます。雨漏りの原因を探り当てた時も、『やった!』と思うし、打ち合わせでお客さまと沢山話ができることが嬉しいです」と、お客さまへの対応をしている貝塚さんの姿が、目に浮かぶ回答でした。

次に、実際に屋根修理や屋根リフォームに至った雨漏り対処事例を尋ねたところ、最近は銅板の劣化による雨漏り事例を挙げてくれました。
「谷板金の銅板(※2)に穴が空いて雨漏りをしている事例が多いですね。それは、銅板からステンレス板に取り換えて対応しています。他には、日本瓦の屋根にリフォーム屋さんが漆喰を上塗りしてしまって雨漏りを引き起こしている例、瓦の隙間をコーキング剤(※3)で固めてしまった例もありました。この施工は、屋根瓦の特性を無視して水の通り道を埋めてしまっているので、雨漏りするのは当然です」

ここ千葉県夷隅郡付近の海岸沿いは風が強く、台風の際にも暴風雨に見舞われます。そのため、貝塚さんは強風対策のために、釘打ちに細心の注意を払います。また、強風により雨樋(あまどい)や屋根瓦の隙間に枯葉やゴミが詰まり、それが原因で雨漏りを引き起こす屋根も多いそうです。
「強風対策もしていますが、最近多いのはやはり地震への対策ですね。屋根を軽くしたいという要望が後を絶ちません。東日本大震災がきっかけで、屋根瓦に対する良くない風評が立っています。しかし、地震で建物が崩れるのは、決して『屋根の重量』だけが原因ではなく、地盤や住宅の造りも十分に関係しています。それをきちんと説明したいですが、地震が怖いから屋根を軽くしたいと言うお客さまに、瓦のせいじゃないとは強く言えません。でも、瓦屋根が葺(ふ)ける建物は造りが頑丈なはずです。耐震を考えるなら、屋根の重量だけを気にするのではなく、地盤や建物の耐震補強にも気を配るべきですね。そして、今の瓦葺きの施工は、昔とは技術も材料も違って比較にならないほど丈夫になっています。これらのことを踏まえた上で、屋根瓦の利点を世間の方々に理解していただけたらいいですね」
そして、貝塚さんは次のようにも言います。
「東日本大震災以来、屋根を軽くという話ばかりが浮上して、少し落ち込んでいた時期がありました。瓦屋根は重くて危ない、では瓦屋根職人は、世の中にとって必要のない仕事なのだろうか? でも、日本の風土には瓦屋根が合っている。瓦屋根を葺く技術は素晴らしいものだ。そんな様々な感情が渦巻いて葛藤していました。しかし今は、やはり瓦屋根の美しい町並みは日本の誇りであり、屋根瓦職人の誇りだと考えています。瓦屋根工事が減っていくのはさびしいですが、瓦葺きと同様に金属屋根の腕も磨いて、次世代に引き継げる技術を身につけていきたいです。どんな分野でも、職人というのはそんな想いを抱きながらやっているのかもしれませんね」
 

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MESSAGE「言われたことだけ」では済まない職人気質。細やかな点検で、安心できる住まいに

貝塚瓦店のアフターサービスは、フットワークの軽さを生かした対応の早さ。
「連絡をいただければ、なるべく早く伺います。また、私は、屋根修理の点検の際には雨樋(あまどい)のチェックをしてゴミや枯れ葉が詰まっていないかなどもチェックします。水の滞りは雨漏りの1番の原因ですからね。気になるところはその場で解決したい性分です」と、職人ならではの細やかさで、お客さまの屋根を日々メンテナンスしているようです。

最後に、「やねいろは」をご覧になっている、屋根の不具合でお困りのお客さま、そして屋根リフォームを検討中の方へメッセージです。
「私は屋根に上がらせていただいたら、雨漏り箇所だけではなく、隅から隅まで点検します。経年劣化による雨漏りは、その場所以外にも傷みがある場合が多いです。そこから、すぐに直すべきところ、数年後には屋根修理が必要になるところなどをご説明いたします。また、瓦屋根職人というと、お客さまは年配の男性をイメージするかもしれません。私は若く見られがちですが、実は屋根仕事一筋17年です。屋根の心配事は何でも相談してくださいね」

将来の瓦屋根の在り方に不安を覚えながらも、積極的に金属屋根仕事にも取り組んでいる貝塚さん。貝塚瓦店は、瓦屋根一筋でやっていた前世代から、大きな転換期を迎えています。しかし、工事の種類に変化はあっても、お客さまが快適に過ごせるようにと屋根のリフォーム方法を提案する姿勢は昔から変わらないようです。さらに、現在の貝塚さんが抱く瓦屋根に対する情熱と将来への懸念を聞くと、子どもの頃に「屋根職人なんてダサい」と敬遠していた人だとは到底思えません。目の前の仕事に真摯に取り組む姿勢は、日本の伝統を背負う誇り高い職人。伝統技術を継ぐのは、「手仕事を覚える」という単純なものではなく、その背景にある歴史や想いを継ぐものなのだと、改めて気づかされた取材でした。

(2018年7月取材)

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屋根工事店プロフィール屋根工事店プロフィール(有限会社貝塚瓦店)

一番の強み お客さまとしっかりと話し合い、熱心に屋根リフォームに取り組むところ
会社名 有限会社貝塚瓦店
対応工事
  • 屋根工事
  • 樋工事
  • 太陽光工事
  • 塗装工事
  • 瓦屋根
  • 金属屋根
  • 陸屋根
  • その他
  • 外壁塗装
  • 屋根塗装
従業員数 社員:6名
建設業許可 屋根工事業 千葉県知事許可(般―55)第11828号
保有資格者 瓦屋根診断技士 1名
瓦屋根工事技士 2名
一級かわらぶき技能士 1名
二級かわらぶき技能士 2名
特徴 屋根工事業
樋工事業
太陽光事業
対応エリア

千葉県

  • 九十九里・銚子
  • 館山・南房総
  • 木更津・君津
  • 勝浦・鴨川
  • 千葉・市原
アフターフォロー体制 連絡いただければ、屋根の点検をさせていただきます。
代表者 貝塚 将太
代表者経歴 有限会社貝塚瓦店 代表取締役
1996年4月:大多喜町立大多喜中学校 入学
1999年3月:大多喜町立大多喜中学校 卒業
1999年4月:千葉県立大原高等学校 入学
2002年3月:千葉県立大原高等学校 卒業
2002年4月:愛知県瓦高等職業訓練校 入学
2003年3月:愛知県瓦高等職業訓練校 卒業
2003年4月:有限会社貝塚瓦店 入社
2008年9月:有限会社貝塚瓦店 代表取締役 就任
所在地 〒298-0223
千葉県夷隅郡大多喜町上原331-3 大きな地図で見る
営業時間 毎週月~土曜日 8:00~19:00
定休日 日曜日、大型連休(ゴールデンウィーク)

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