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屋根の構法

こちらでは屋根の構法について説明します。屋根の構法は屋根材によって大きく異なるため、屋根の構法を選ぶことは屋根材を選ぶことに似ています。
また屋根に要求される性能は、建築物が建てられる地域の降雨量や降雪量・風・日射の状況などによって異なるため、同じ屋根材であっても構法は地域ごとに少しずつ異なっています。しがってこちらでは屋根材別の代表的な構法について紹介します。

屋根の構法の選び方ですが、まず屋根は自然条件や周りの環境に対して、十分に安全でないといけません。また、防火性や耐久性、耐震性などの検討も重要です。
まず風については、耐風性をもった構法にするとともに、小屋組みや屋根の垂木が十分な強度をもち、風によって振動が起きないようにする必要があります。また地震に対しては、重量の軽い方が有利です。最後に、積雪のある寒冷地では、「すがもれ」という現象にも注意しなくてはなりません。これは室内の暖かい空気が小屋裏を通って屋根の上に積もっている雪をとかし、そのとけた水が軒の上で冷やされて氷堤(氷のかたまり)となり、その結果、たまった水が屋根材の下へ染み出して水漏れする現象です。

屋根材共通部分

屋根の構造は以下の通りです。
家の最も外にあるのが屋根材、その下に野地板という木の板があり、その間に下葺き材という防水材料を入れた構造となっています。したがって、屋根材から雨水が漏れたとしても、雨水は下葺き材を通って家の外に流れる構造になっており、その意味で屋根材と同じ位、下葺き材も重要です。
下葺き材の種類としては、アスファルトルーフィングの他に、改質アスファルトルーフィング、合成高分子系シート等があります。

下地

屋根の表面で大部分の水を流す部材を葺材といい、葺材の下地を野地板と呼びます。現在は野地板として、合板などのボード状の材料を用いることが多いです。また断熱性能をもった材料を野地板に用いることもあります。
また野地板の上には防水シート(アスファルトルーフィング、樹脂系ルーフィング等)を貼ります。
また強風を伴う雨により、雨水が防水シートの面までまわることがあることもあるため、野地板の上の屋根材のみで全て雨水を受ける訳ではないことについても付け加えておきます。

主な構法

瓦葺

瓦を屋根に付ける場合は、野地板の上にルーフィングを敷き、その上に長い木(桟木と言います)を等間隔で留め付け、桟木に瓦を引掛けてステンレス釘などで留め付けます。

カラーベスト葺、アスファルトシングル葺

化粧スレートやアスファルトシングルを屋根に付ける場合は、野地板の上にルーフィングを敷き、その上に直接化粧スレートやアスファルトシングルを留め付けます。瓦と異なるの長い木(桟木)を使わず、直接野地板に屋根材を留め付ける点です。 留め付ける際は、化粧スレートやアスファルトシングルを重ねた上で並べ、釘などで固定します。横方向にすきまができますが、屋根材を交互(千鳥)で葺いていくことで、屋根材と屋根材の間のすきまに入った水を下の屋根材で受けることができます。

金属板葺

金属屋根材を屋根に付ける場合、様々な構法があるため一概には言えませんが、一つの分け方として、野地板を付ける場合と野地板を付けない工法があります。
野地板を付ける構法は住宅向けの屋根によく見られます。化粧スレート、アスファルトと同様に、野地板の上にルーフィングを敷き、その上に金属屋根材を留め付けます。留め付け方法は幾つか種類がありますが、吊子と呼ばれる金属の小さな板を野地板と金属屋根材にそれぞれ留め付けることで金属屋根材と野地板を固定する方法がよく見られます。
野地板を付けない構法は工場などの屋根に見られることが多いです。一例としては、金属の柱や梁に金属の金具(タイトフレームと言います)を付けて、その上に金属屋根材を留め付けます。
以上、ざっくりと説明しましたが、金属屋根の構法についてまとめると、以下のようになります。
野地板を付ける構法
一文字葺

社寺建築に代表されるような、曲線が多く使用された屋根によく使われる構法です。庇などの小さな屋根にも向きます。防水の関係上、勾配は3寸以上が可能と言われています。

瓦棒葺(心木あり)

金属屋根の間に心木と呼ばれる木が入っている構法です。特別な加工機器を必要とせず、簡単に施工ができます。瓦棒は角型と丸型どちらも可能です。勾配は0.5寸以上が可能と言われています。

瓦棒葺(心木なし)

瓦棒葺で中に心木がないタイプの構法です。長尺で住宅から工場、倉庫など比較的大きな規模の屋根まで対応できます。勾配は瓦棒葺(心木あり)と同じく、0.5寸以上が可能と言われています。

立平葺

瓦棒葺のもつ長尺と防水性を備えた長尺屋根です。比較的安価で付けられることから、風の影響を比較的受けにくい小さな屋根に適している構法です。

横葺

屋根面を横の線でデザインした形式の屋根で、意匠性が高い屋根によく使われます。

金属瓦

瓦や化粧スレートに似せたデザインの屋根です。

野地板を付ける構法
波板葺

簡易的な建物の屋根や工場などの越屋根に適します。重ねをハゼにしたものもあります。

折板葺(重ね折板葺、ハゼ折板葺、嵌合折板葺)

山と谷を作った金属板の山部分を重ねて留める構法です。重ね折板葺は梁の上に直接葺くことが可能で、種々の荷重に耐えることができます。ハゼ板葺は重ね折板葺の防水性能をさらに向上させたもので、外表面にボルトが露出しないので安価かつボルトの錆が出ないという利点があります。また嵌合折板葺はハゼ折板葺の施工性をより向上させた折板です。

横葺

屋根面を横の線でデザインした形式の屋根で、意匠性が高い屋根によく使われます。

金属瓦

瓦や化粧スレートに似せたデザインの屋根です。

溶接防水工法

金属板同士を連続シーム溶接するため、高い防水性能を得ることができる構法です。また複雑な屋根形状にも対応することができます。

人工スレート葺(波型)

人工スレート(波型)を屋根に付ける場合は、金属屋根葺きの折板葺と同様に、山と谷がある人工スレートの山部分を重ねて留めます。
軽量鉄骨の梁にボルト(フックボルトと言います)で止め付ける場合が多いですが、風などによる振動でナットが緩んで抜けて外れることがないよう留意しなくてなりません。また下地材を用いないため、断熱性は期待できません。したがって、人工スレート(波型)の内側にロックウールなどを吹き付けて断熱性を向上させる場合も多く見られます。

その他

過去、農家などでは、かや葺が用いられてきました。かや葺のような葺き方は世界各地に見られます。
かや葺はススキなど地域材料を用いた屋根葺き構法として優れた景観を造ってきました。また、かや葺の中でも日本の伝統的な葺き方として、ヒノキの皮を用いた檜皮(ひわだ)葺があり、日本では最も格式の高い葺き方として用いられてきました。しかしながら、メンテナンスが困難などの理由から、急速に減少しました。
火災に弱いことも欠点ではありますが、通気性があるなど、利点も多いです。