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「屋根工事」について

2019.03.22屋根のイベント

日本一の屋根瓦職人を決める大会『第30回技能グランプリ2019(かわらぶき部門)』に行ってきました!~観戦レポート(後半)~

1.はじめに

「第30回技能グランプリ」。
瓦の技能グランプリは、「全瓦連技能グランプリ」と「技能グランプリ」の2種類の大会が近年は毎年交互に開催されています。今年開催の技能グランプリは、各職種の熟練技能者が技能の日本一を競い合う大会で、厚生労働省と中央職業能力開発協会、社団法人全国技能士会連合会が主催しています。今回は兵庫県の神戸国際展示場をメイン会場として、全国から30職種533名のその道の熟練技能者たちが出場しました。「かわらぶき部門」では選ばれし13名の瓦葺き師たちが、同じ課題に挑み、いかに正確に美しく葺けるかを競いました!
今大会の概要については、「日本一の屋根瓦職人を決める大会『第30回技能グランプリ2019(かわらぶき部門)』に行ってきました!~観戦レポート(前半)~」をご覧ください。

https://yaneiroha.com/blog/yane/article/95/

それでは実際の競技を見ていきましょう!

2.瓦技能グランプリ:競技(3月2日8:45~10:15)

競技1日目。前日までに開会式や競技前の準備を済ませた選手たち。
緊張感が張り詰めた空気に、開始の合図で一斉に選手が動き出します。

瓦を葺く前の準備として、加工が必要な部位の瓦の削りを行う選手もいれば、先に屋根の平部(屋根の大きい面)に瓦を葺き始める選手もいます。
各々の作戦や施工方法で作業が進んでいきます。


施工する架台(屋根の土台)は競技開始の前日に抽選で決まります。
同じように用意された架台ですが、その状態や勾配(屋根の傾き)は厳密には異なるため、個々の架台に合わせて瓦の削りや並べ方を調整していかなければなりません。
状態や環境に合わせた瓦葺きをできることが、プロの瓦葺き職人なのですね。


瓦葺きをきれいに仕上げるためには、屋根や瓦同士の形に沿って瓦が並ぶことが大切です。
「合端(あいば)」と呼ばれる作業で、金槌・鏨(たがね)・やすりを使い、瓦の合わせ目がきれいに並ぶように形を微調整していきます。
選手は合端台(あいばだい)で瓦を計測し、重なり具合などを確認します。


開始最初のこの時間は、瓦を叩く音が会場に鳴り響きました。

3.瓦技能グランプリ:競技(3月2日10:30~12:00)

15分の休憩を置いて、作業が続きます。
瓦の合端作業が一段落して、屋根架台に瓦を葺く作業に入る選手が増えてきました。
平部に瓦が少しずつ並び、瓦屋根の雰囲気が出てきます。
屋根の端や瓦同士がぶつかる部分は、瓦を切ったり削ったりしながら、瓦が葺かれていきます。
銅板の瓦型を使って形成する選手もいます。

この大会の日まで、出場者のみなさんは数か月に及ぶ練習を行ってきています。
考えてきた工程を予定通りに進めるために、休憩で区切られた時間ごとの終了間際は選手たちの動きも速まり、緊張感が漂います。


各時間の最後には、選手たちは自分の作業スペースを一旦きれいに片付けます。
競技では瓦葺きの技術だけではなく、段取りのよさや作業場所が整理整頓されているかということも評価の要素になるのです。
実際の屋根工事の現場でも、毎日の作業の終わりに材料や道具が整頓されていると、家主さんにとっても安心ですよね。


ここで午前中の競技を終了する合図が鳴り、一息つく選手たちの姿が見られました。

4.瓦技能グランプリ:競技(3月2日13:00~14:45)

競技1日目の午後がスタートです。

瓦が乗った平部に木の板が掛けられます。
この板は屋根の上部の作業をする際に、職人が足を置く足場として使うものです。


隅棟(屋根の隅で斜め方向に傾斜している棟部分)の合わせ目に漆喰(しっくい)が塗られ、その上に瓦を銅線で固定していきます。


今年の大会で使用されている瓦は、淡路のいぶし瓦です。
使われる瓦は毎年の大会ごとに違い、淡路瓦以外に三州瓦や石州瓦も使われます。
瓦は地域の気候に合わせていろんな種類があり、材質によって加工の仕方も少しずつ異なります。
出場する選手は全国から集まっていますが、普段、淡路瓦を使っていない地域の選手は、一段と練習をしてきたのかもしれませんね。


いぶし瓦は直接手で握ると表面に跡が付く素材のため、取扱には注意が必要です。
選手たちは手袋をして作業し、瓦を葺き終わった部分には汚れ防止と作業で滑らないようにカバーを掛けます。

5.瓦技能グランプリ:競技(3月2日15:00~16:45)

競技1日目のラストスパートです。
のし瓦、鬼瓦や丸瓦など、特徴的な形の瓦がどんどん出てきます。
先に固定した瓦の形と合うように、切って削ってを繰り返し、乗せていきます。

集中して作業を進める選手たち。
瓦を1枚1枚並べながら、頭の中はフル回転していることでしょう。
真剣な眼差しで瓦を見つめ、俊敏に動く職人の姿は心に迫るものがあります。


ここで1日目の長い戦いが終了です。
明日は完成に向けて、どんな風に仕上がってくるのでしょうか!

6.瓦技能グランプリ:競技(3月3日8:45~10:15)

競技2日目。残り半日となりました!

選手たちは屋根のてっぺんの棟と斜めに流れる隅棟を各々の方法で仕上げていきます。
棟どうしが重なる部分では、形や向きが異なる瓦をぴったりくっつけるという至難の業が必要とされます。


その部分の瓦の形成は3次元のパズルのようなもので、やねいろは事務局のスタッフは考えるだけでも目がまわりそうです。

ここで、過去の瓦技能グランプリで2冠を獲った岐阜県の成田屋根工事店の成田さんにお話を伺うことができました。
去年と5年前のグランプリで優勝された成田さん。
当時グランプリの出場が決まってからは、忙しい仕事の合間で数か月にわたり練習を続け、特に大会前の2~3週間は毎日夜中まで練習していたとのこと。
「大会に向けての練習では、部分的なところから全体の通しまで何回も繰り返しました。去年出場した時の課題は、袖瓦や拝みの部分が難しかったですね。今年も大変な課題だと思います。競技というのは独特なもので、選手と審査員の思惑が合致するかどうかがポイントとなります。求められるものに応えることかできる力が大事だと思います。」
経験者ならではの視点で、競技の世界の厳しさを感じたお話でした。

7.瓦技能グランプリ:競技(3月3日10:30~12:00)

そして、9時間半に渡る競技の最後の時間となりました!

今回の課題で特徴的な部分、
「鳥衾(とりぶすま)」(棟の先端に突き出した瓦)を仕上げに掛かります。
悠々と沿った鳥衾が乗ると、「屋根が完成した!」という見栄えになり、見ているこちらも感慨深くなります。

制限時間がせまり、瓦の表面の汚れをふき取ったり、素早く整理整頓を進める選手たち。
作業を終えた選手が手を挙げて終了の合図を出すごとに、会場から歓声と拍手が送られます。

鬼気迫る会場の雰囲気のなか、全体の終了の合図が鳴り響きました。


競技を終え集合した選手は安堵と充実した表情です。
2日間の競技は集中力と体力の勝負だったことでしょう。
どの架台も立派な屋根に仕上がりました。

8.瓦技能グランプリ:競技作品展示見学(3月3日15:00~16:00)

競技が終わると審査に入るため、選手や観客は一旦退場します。
他の職種の競技も同じ時間帯には終了し、翌日の表彰式に向けて各会場では審査員が作品を囲んでいます。
「かわらぶき部門」は、全日本瓦工事業連盟から選ばれた審査員により採点されます。

審査終了後、会場が開放され、完成した屋根架台を見ることができます。
近くで細かい部分を見てみると、各選手の作品によって仕上げ方が違うことがわかります。
屋根に整然と並んだ瓦や綺麗に伸びたツヤは、実際の屋根よりも小さい架台とはいえ、かなりの迫力があります!

9.瓦技能グランプリ:表彰式及び閉会式(3月4日10:00~12:00)

前日までの競技から一夜明け、いよいよ結果発表です。
閉会式の会場には大勢の人が詰めかけています。
主催団体から入賞者が順番に発表され、それぞれの健闘が讃えられました。

今大会で優勝に当たる金賞および厚生労働大臣賞は熊本県の選手、銅賞は長野県の選手に授与されました。表彰された2名の選手は壇上に上がり、握手を交わしました。
特に優秀な成績を収められた入賞者は以下の県の方々です。
金賞および厚生労働大臣賞:熊本県
銅賞:長野県
敢闘賞:兵庫県、岡山県、香川県、茨城県

10.瓦技能グランプリ:観戦者の感想(表瓦株式会社 表宏明さん、有限会社田上瓦店 田上清悟さん)

大会が終わった後。
観戦者の方に感想をお聞きしました。
まず初めに、昨年もこの大会でお話を伺った表瓦株式会社の表宏明さん。
今年は地元兵庫での開催で、準備や応援などで奔走されているところに感想を伺いました。
「今年は、『鳥衾(とりぶすま)』と呼ばれる瓦があるのと、架台が大きくかつ形がシンプルなためごまかしが効かないというところが特徴的です。屋根全体がシンプルな分、鳥衾の部分がきれいに仕上がると目立つ作りになっています。そんな課題だったので、選手たちは瓦の合端などの準備に時間を掛けていましたね。作品を見ると、鬼瓦が上に傾いている作品がありましたが、鬼は(下から)にらむということで少し下を向いているくらいが良いのです。また、瓦が一部欠けている作品もありましたが、いかに丁寧に作業できたかが審査では見られたのではないでしょうか。いずれにしても、例年は完成までに至らない作品もあるのですが、今年は選手全員が完成にこぎ着けることができたのが素晴らしいですね。時間に追われたなかで、優劣付けがたい仕上がりだと思います。」

次に、2年前の第29回技能グランプリ入賞者である有限会社田上瓦店の田上清悟さんにも感想を伺いました。
「私が出場した技能グランプリの時と比べると、工数(作業手順の数)が多いように思いました。こうして競技の様子や出来上がった架台が並んでいるのを見ると、2年前に自分もこの場所にいたとは思えないほどです。競技ものならではの手順があったりするので、準備期間が必要ですし、大会の場所では独特の緊張感が漂いますね。瓦の納め方は様々で、のし瓦と丸瓦が重なる部分はどちらの瓦を削るかの判断になりますが、制限時間があるなかで加工がより難しい丸瓦の方を削った作品があったのが面白いと思いました。選手それぞれの工夫や努力が見られて感慨深いです。」

11.瓦技能グランプリ:番外編(かわらぶき以外の職種は?)

技能グランプリには30職種もの各分野の熟練技能者たちが集います。
普段目にすることのできない、職人たちの技能を間近で見ることができます。
会場にはご家族連れや将来の仕事を考える学生さんなど大勢が訪れていました。

かわらぶき以外にも、染色補正や寝具、石工、機械組立て、園芸装飾など……
多くの仕事でその道の職人と呼ばれる人たちがいることを実感できるイベントです!

12.まとめ

1年に一度の瓦職人の熱き戦い、瓦の技能グランプリ。
「全瓦連技能グランプリ」と「技能グランプリ」の2種類の大会が全国各地で毎年交互に開催されます。
瓦葺きの技巧を近くで見ることができるチャンスです!
皆さまもぜひ会場で一緒に瓦職人さんを応援してみませんか?

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