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「屋根工事」について

2018.05.11世界の屋根

インターン生のコラム:まるで絵本の世界!アイルランドのかや葺き屋根についてご紹介します



1.はじめに

こんにちは、インターン生のエバラです!
突然ですが、皆さん、ファンタジー映画は見ますか?
けっこう僕は好きで、もう二十歳なのですが魔法とかに憧れてしまいます。
……もちろん、現実とフィクションの区別はついてますよ!
ご心配なく。

しかし、今回ご紹介するアイルランドのかや葺き屋根の家を見ると、まるで絵本の世界に入ったような気分になってしまうかもしれません。
この記事では、そんなアイルランドのかや葺き屋根を日本のものと比較しながら紹介していきます。


2.かや葺き屋根って何?アイルランドってどこ?

本題の前に、そもそも、かや葺き屋根って何?と思われた方も多いのではないでしょうか。
かや葺屋根のかや(萱/茅)とは、屋根材に使う草木の総称のことで、具体的にはチガヤ、スゲ、ススキなどです。
これら、かやを刈り取って束にして、屋根に葺く、つまり敷き詰めていきます。
それで出来上がったものがかや葺き屋根なのです。
昔話に出てくるような民家を想像してもらえれば、一番わかりやすいと思います。
世界遺産にも登録されている白川郷もかや葺き屋根ですね。

そして、アイルランドなる国はどこにあるの?という疑問もありますよね。
アイルランドはイギリスの西側は位置する、小さい島です。
イギリスの隣なので、日本とはかなり離れています。
距離にしておよそ1万キロ。
そんな遠い国の屋根と、共通点なんてあるのでしょうか。


3.アイルランドのかや葺き屋根:日本の屋根との共通点

それが実はあるのです。
まず素材についてですが、どちらもかやを使用するのはもちろん共通ですね。
しかし、アイルランド式では特殊な葺き方のために、かやがまっすぐでないとだめらしいのです。
そこで、かやを毎年刈り入れて使用し、品質も高いまっすぐなものを選んでいます。

日本でも同様に、前年に刈り取って、春先に葺くというサイクルがあります。
また、葺く工程も共通しています。
どちらのやり方も、かやは軒から棟にかけて、つまり下から上に向かって敷き詰めていくのです。
日本とアイルランド、距離は遠くても手法は共通しているのですね。


4.アイルランドのかや葺き屋根:日本の屋根との違い

次は、両者の違いについてです。
違いは大きく3点あります。、

1点目はかやを屋根の上へ運ぶ方法です。
なんとアイルランドではかやを束ごと屋根の上にぶん投げるのです!
そして、上で待ち構えているもう一人の職人がそれをキャッチする。
かなり豪快なやり方ですね!
日本の白川郷の合掌造りの葺き替えでは、バケツリレー方式で上に運んでいました。
それを思い出すと投げるのは相当力が必要な気がします…。
屋根の規模によって、かやの大きさも変わるでしょうから、日本でも小さい屋根の場合にはそのようにやっている職人さんもいるかもしれません。
1回でいいからアイルランド式を見てみたいですね。

2点目が葺いたかやの扱いについてです。
日本式では、最後にかやを刈り込んできれいに整えるのに対して、アイルランド式ではそれをまったく行いません。
アイルランド式は、下地の板の上にかやをワイヤーで固定して層を重ね、それをラゲットと呼ばれるラケットのような道具で叩いて形づくっていきます。
日本でもかやを叩く工程はあるのですが、仕上げではありません。
アイルランドでは、最後の刈り入れをしないで、叩いて仕上げるために、かやはまっすぐでないときれいにならないのですね。

3点目は棟飾りの有無についてです。
棟とは、屋根の一番上にある水平な部分のことです。
アイルランド式ではそこに直系10ミリくらいの竹を用いて模様を編みこんでいきます。
その飾り付けの文様にはそれぞれいわれがあって、ザッチャー(アイルランドのかや葺き職人)からザッチャーへ引き継がれていく象徴的な紋章でもあるのです。
つまり、ザッチャーの個性がそこに表現される重要な箇所なんですね。
しかも、その飾り付けは家屋の一番目立つ部分にあるので、それが家のトレードマークになります。
由緒ある素敵な紋様がトレードマークになるなんて、もっと家のことが好きになりますね。。


5.まとめ

アイルランドと日本を比べてみると、共通点よりも違う部分が多いですね。
個人的にはアイルランドの紋章がとても素敵でした…!
だって、ファンタジーの世界に出てくるような家になっちゃうんですから。
さすが、アイルランドが「妖精の国」と呼ばれるだけありますね。

調べるともっと知りたくなる屋根の世界。
皆さんも、そのディープな世界観にふれてみませんか。





参考:
永原慶二、山口啓二(他編)(1983)、『講座・日本技術の社会史7 建築』、日本評論社、pp.285~296
守屋良介(2007)、『アイルランドから女性ザッチャーがやってきた ヨーロッパ式萱葺き屋根ができるまで』、文芸社、pp.114~130




 

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