梅雨や台風。雨量が多くなる季節は雨漏りのご相談も多くなります。
今回は雨漏りが起こる前に、雨漏りが起こった場合。
どんな工事が必要で、どれくらいの金額になるのかを一緒に見ていきたいと思います。
今回は外壁からの雨漏り編です。
と、その前に外壁工事の工法にはどのようなものがあるかをご紹介。
外壁材の工法には「湿式工法」と「乾式工法」があります。
湿式工法:セメントと水と砂でできたモルタルを使用して、下地をつくり、その上に吹き付け・タイル張りで外壁を仕上げていく工法。こちらの工法では水を用いるため「湿式」と呼ばれます。
乾式工法:接着材やビスを用いて下地に外壁材を張り付けていく工法。水を用いないため、こちらは「乾式」と呼ばれます。
これらを少しだけ頭の片隅に置いて頂くと、より次の内容がわかりやすくなるかと思います。それでは、さっそく本題に入っていきましょう。
外壁材、すなわち壁自体が傷んでいる場合は、どれくらいの金額で、どのような工事が必要になるのでしょうか。
まず、工事費用の目安からお伝えすると、外壁自体が傷んでいるという場合は、約300万円/100㎡は必要というのが一般的です。
また、外壁材の中身まで傷んでいるという場合は上記の金額にその痛みのある部分の工事費が追加されます。
ただし、劣化の状況や、どれだけ手入れが必要かによって金額は変化しますので、その点に関しては、見積もりを依頼した工事店の方に聞いてみてくださいね。
それでは、その金額の中には、どのような工事が含まれ得るのかについて、見ていきましょう。
2-1.サイディング張り工事
はじめにご紹介するのが、サイディング張り工事です。
ところで、サイディングとは、何なのでしょうか。
答えは、外壁に用いる外壁材です。現在では種類が豊富になり、お客さまのご要望に広くお応えできるのも特徴です。
現在主要なものを取り上げる天然の木材に塗装を施した木質系サイディングや、主原料にセメント質や繊維質の原料を用いた窯業系サイディング。
この他には塩化ビニル樹脂製の樹脂系サイディングや、金属板を成形して作られた金属系サイディングがあります。
素材によっても異なりますがサイディングと言えば上記のような外壁材を用います。
また、施工に関しては、窯業系サイディングは既存のモルタルで仕上げた壁を撤去してから
サイディングを張るという方法や、そのままモルタル壁に上から貼り付けるという方法(カバー工法)でも施工が可能なものもあります。
もちろん、どちらになるかで工事の金額も変わりますので、工事店の方としっかり相談してみてくださいね。
2-2.塗り替え工事
外壁も、屋根と同じように日々雨や風、雪、紫外線などの影響を受けています。
だからこそ、外壁の表面を守るようなメンテナンスは欠かせません。
そこで湿式工法・乾式工法を問わず、塗り替えをすることは必要です。
その際に、どんな性能をもつ塗料を用いるかでも金額に違いが生まれ、どれくらい保つかという違いも出てきますので、その点も工事店の方に尋ねてみてくださいね。
3.外壁工事の金額:コーキングの切れが起こっている場合
次に見ていくのが「コーキングの切れ」です。
そもそもコーキングが何かというと。サイディング同士の隙間やつなぎ目、ひび割れ部分などを埋めている目地材を指します。
しかし、このコーキング。年数を経ると徐々に硬化し、亀裂やひびが入ってしまうのです。
そして、この切れ目から水が浸入し、雨漏りの原因となることも少なくありません。だからこそ、放っておくことには危険がいっぱい。
では、こういったときにはどのような工事が必要になるのでしょうか。
それはずばり。コーキング材の打ち直しです。
実際にコーキングの打ち直しを行うとなると、金額の目安は100万円以内/100㎡が一般的です。
大切な家を守るためには、こういった小さな傷を見落とさないことも長い目でみれば重要なことですので、少しだけ、気にかけてあげてくださいね。
今回は外壁からの雨漏りの際の工事にはどれくらいの金額がかかるか、というところについてみてきました。
大きな面だと、サイディング、塗装。
小さな面だとコーキング。
まずはその部分が雨漏りの原因かを特定することが大切ですので、ぜひお近くの外壁工事も見ることができる屋根工事店の方に相談してみてくださいね。
参考:建築工事研究会、「積算資料ポケット版リフォーム編2018」2018年