瓦葺き・屋根修理一筋35年。美しい瓦屋根をいわき市に取り戻したい

有限会社シゲル瓦工業

福島県 いわき・双葉

福島県瓦工事組合連合会

いわき瓦工事組合

有限会社シゲル瓦工業

福島県いわき市の有限会社シゲル瓦工業は、瓦屋根・金属屋根を専門に、化粧スレートや雨樋(あまどい)の設置などを施工する屋根リフォーム・屋根修理店です。現在は兄弟で会社を切り盛りし、身内ならではの息の合った段取りで、正確、かつスピーディな屋根仕事を心掛けています。

工事店の想い工事店の想い

PERSON「仕方なく」入社した会社。それでも、気がつけば誰よりも美しい瓦屋根にこだわる職人に

有限会社シゲル瓦工業(以下、シゲル瓦工業)は、1965年創業の福島県いわき市に拠点を構える屋根リフォーム・屋根修理店です。瓦屋根、金属屋根、雨樋(あまどい)など屋根まわり全般の工事を専門としていますが、太陽光パネルや塗装工事、内装工事など住宅リフォーム・修理の窓口となっており、幅広い住まいの悩みに対応できます。しかし、得意分野はやはり瓦屋根。「見映えのする瓦屋根」をモットーに、お客さまがご近所から羨ましがられるような、整えられた美しさを持つ瓦葺(ぶ)きを心掛けています。

「徳舛さん(※1)の瓦屋根仕事は美しいです。そして、話が明快でわかりやすい。私もあんな風に若い人に技術継承ができればと思いますが、なかなか難しいですね。昔は親方に『帰れ』と怒鳴られると、意地でも帰るかと歯を食いしばったものですが、今は『帰れ』と言ったら本当に帰ってしまうからなあ。技術を教える以前に信頼関係を築くまでが大変です」
代表取締役の下山田勝則(以下、下山田さん)さんは、昨今の屋根業界のご多分にもれず、シゲル瓦工業でも後継者問題は切実と話し、今後の人材育成に真剣に悩んでいる様子でした。そんな下山田さんに、子どもの頃からのこれまでのお話を伺いました。

「子どもの頃に熱中していたこと?なんだろうなあ。そうだな、小学5年生から始めた水泳は、中学の部活まで続けてキャプテンでした。大した成績はおさめていませんが、学校では仲間と楽しく過ごしていましたよ」と、少年時代を振り返ります。
実は中学校入学直後、下山田さんは1度卓球部に入部しています。しかし先輩陣の選手の層が厚く、レギュラーにはなれないと判断し早々と水泳部へ転身したそうです。
「それも1つの理由ですけどね。実は夏の体育館の暑さもキツくて。蒸し暑い中でラケットを振るよりもプールに入った方が気持ち良いじゃないですか」と、いたずらっぽい笑みを浮かべます。

下山田さんは中学生の頃、すでに父の瓦屋を手伝っていました。屋根工事の現場には運ぶものが沢山あり、中学生が手伝える仕事も多かったのです。
「子どもですから、屋根の上で出来る仕事はありませんでした。けど資材や道具運びは、中学生男子が丁度良かったのでしょう。頭も技術も使わないし、言われたものを言われた場所に運ぶだけ。でも家の手伝いというよりは、すでにバイト代が目当てでしたね」
しかし、会社の手伝いをしていたものの、当時は将来について全く考えていませんでした。シゲル瓦工業への入社の話が出たのは、高校卒業の時です。
「商業高校だったので、学校の就職課に沢山の求人がきます。私は当時地元で人気だった企業に応募しました。人気があるということは倍率も当然高い。高校時代にバイクで遊んでいたばかりの私にはハードルが高くて、当然落ちました。そこで親の会社です。『就職先が決まらないからしょうがない』そんな思いで入社しました。今考えると、自分のふがいなさを棚に上げて生意気を言うなって感じですね」
そのような思いを抱きながら入社した、父が経営するシゲル瓦工業。志が定まっていなかったので、若い頃は瓦屋根の仕事が嫌になりボイコットした時期もあったと言います。そんな下山田さんも、今となっては瓦屋根仕事一筋35年のベテラン職人です。
「私はよそで働いたことがないから、こんな歳だけど世間知らずかもしれません。時期を詳しく思い出せないのですが、それでもある時から仕事に真面目に取り組むようになりました。父にやり直せと言われたらくやしいし、クレームは怖い。それに父は酒を飲むと説教が長くて。酒を飲むたびに怒られると腹が立つじゃないですか。父にあれこれ言われずに仕事をするには、自分の上にいる職人たちを追い越して、1人前になるしかないなと考えました」

それでも、若い下山田さんが仕事のやりがいを体感するようになったのは、それからかなり年月が経った頃。ある日、仕事を終えて屋根を見上げた時に、瓦のおさまりをいつも以上に美しいと感じ、さらにお客さまから「前より良くなった。ありがとう」と声をかけられたそうです。「その時に、屋根瓦葺きは良い仕事だと思いました。今でも、お客さまから言葉をかけられると、その瞬間が1番ホッとします。東日本大震災の屋根修理の時は、それを特に強く感じましたね。瓦屋根が崩れて肩を落としていたお客さまが、修理で見違えた屋根を見て明るい表情になるのです。職人として、こんなに嬉しいことはないと実感しました」
東日本大震災後は、瓦屋根から金属屋根へのリフォーム依頼や、同じ瓦屋根でも積み段数を減らして屋根を低くしてほしいという要望が山ほどあったそうです。瓦屋根が減っていく寂しさはもちろんありましたが、それよりも、下山田さんは屋根修理後のお客さまの表情が印象的で励みになったと言います。

シゲル瓦工業の今後の展望はと尋ねたところ、下山田さんからとても謙虚な答えが返ってきました。
「会社の現状維持が1番の目標ですね。今は私と弟の2人でやっているのですが、仕事を終えた後に職人さんと酒を飲みながら話している時が1番落ち着きます。自分の器量を考えたら、皆が食べていけるだけの仕事に真面目に取り組んでいくことが大切だと思うのです。会社の後継者問題はいつも頭の隅にあります。若い人に響く言葉で瓦の技術を伝えていきたいけれど、そうするにもどうしたらいいのか……。懸念は尽きませんが、それは長い目で見ていきます。それよりも目の前の屋根に真摯に向き合う、これからもこのスタイルで仕事をしていきたいですね」
このように、静かに答えてくれた下山田さんですが、話を聞くうちに瓦屋根への隠れた情熱が見えてきました。
「東日本大震災の後、化粧棟(※2)や飾り棟(※3)を外してしまった家が沢山あります。瓦屋根職人としては、入母屋(※4)が寂しく見えてしまって残念です。四国では、普通のお宅でも本葺きや化粧棟をこしらえて屋根が華やかでした。それを見て、この辺りの昔の屋根の景色が懐かしくなって。町並みを昔のものに戻したいというのが本音ですね」

※1…徳舛さん 京都の徳舛瓦店が開いている瓦職人のための学校を指す。
※2…化粧棟 屋根のてっぺんから軒先に向かって走る部分。家屋の屋根の1番目立つ箇所
※3…飾り棟 屋根のてっぺんを彩る瓦。鬼瓦など。
※4…入母屋 屋根の形式のひとつ。棟を取り囲む庇屋根が特徴

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WORKスピーディな段取りと仕事に自信あり。屋根の上では、兄弟ならではの呼吸を活かす

有限会社シゲル瓦工業は、瓦屋根、金属屋根、雨樋(あまどい)など屋根まわり全般の工事を専門としている屋根リフォーム・屋根修理店です。

シゲル瓦工業の強みは?と尋ねたところ、棟とり(棟工事)のスピード感だと下山田さんは言います。
「私たち兄弟は2人とも一級かわらぶき技能士を持っています。それぞれに得意な作業、好きな工程がありますが、一緒に屋根に上がっていると不思議とテンポよく仕事ができます。どちらかが飛び抜けて上手でも下手でもいけない。多分レベルが合っているのでしょう。兄弟だからなのかどうかはわかりませんが、息が合うってこういうことなのだなと思います」
仲が良いのですねと言うと、「いやいや、30年一緒にやっていますが、お互いに無口でね。屋根に上がったら黙々と仕事をしています。仲が良いとは少し違う感覚かな」と、屋根の上では男兄弟ならでは仕事ぶりのようです。

また、下山田さんが実際に屋根リフォーム・屋根修理の仕事をする上で心に留めているのは、「いつでも普段通りの仕事をすること」だそうです。
「奇をてらった技術は必要ありません。いつも通りが大切。すなわち手元に集中するということですね。あれこれ考えずに目の前の仕事に向かう。それがミスや事故の1番の防止策になります」

さらに、屋根瓦の技術面でのこだわりは、「見映えのする屋根」に仕上げること。下山田さんの考える「見映え」とは、建物の芯と瓦の芯が揃っている美しい状態を指すのだそうです。
「このこだわりは、もしかしたら瓦屋根職人しか理解できないかもしれません。私は、屋根の芯(※1)(この場合、屋根の頂点をさす)と瓦の桟芯(※2)(瓦の重なり部分の1番高いところ)と谷芯(※3)(瓦の重なりの最も深いところ)がきちんと揃うように施工します。ここが揃っていると、見た目がビシッとしていて気持ちがいい。とても美しい屋根になります。そうなっている屋根を見ると、この職人やるな!と思いますね」

普段、お客さまとのやり取りで気をつけているのは、朝の挨拶や話し方。お客さまと話す時は普段よりも冷静かつ丁寧にと心がけています。
「普段、兄弟で仕事をしているせいか、話し方がくだけてしまいがちです。お客さまと話す時は意識して切り替えるようにしています。打ち合わせの際も、お客さまへの提案は専門用語を並べ過ぎないよう丁寧に説明します。お客さまの予算や要望を聞き取って、それに沿った屋根リフォーム・屋根修理を一緒に考えていきたいです。特に、何回やっても直らない雨漏りに関しては時間をかけて話を聞いて、点検しますね。それに、同じ雨漏り修理でも、予算が50万と30万ではやれることが違ってきます。でも、金額が高い屋根修理が良いとは一概に言えません。お客さまがその家に何年住むのかなど、ライフスタイルの見極めが大切です」

次に、実際の雨漏り対処事例を伺いました。
最近は、施工した職人の腕の良し悪しにはさほど関係のない、建物の経年劣化による雨漏りが多いそうです。
「私が見たお宅ですが、ベランダの防水機能が落ちている例が多いですね。あとはサッシの付け根のパッキンが硬くなっていたり、昔の工法で捨て谷(※4)がなかったり。それは職人の腕の良し悪しは関係ないと思います。いくらメンテナンスをしていても、建物は時間が経てばあちこち痛んでくるものですから。ただ、何度も修理している屋根は、私の修理の後に同じことにならないように原因究明に尽力します。天井裏へもぐって調べても原因がはっきりしなくて、結局は壁が原因だったということも多いですね」
下山田さんが言うには、最近の屋根材は高品質。マニュアル通りに施工すれば、悪い仕上がりにはならないだろうとのことです。
「昔は屋根葺(ぶ)きに使う粘土も職人が独自に調達しました。だからどうしても仕上がりに差が出ましたね。質のよい材料の目利きも瓦職人の腕のうちでしたが、今はメーカーが良いものを作ってくれているので良い時代だと思います。あと、一時問題になっていた屋根塗装後の雨漏り。あれば縁切り(※5)がなされていないために水の流れが悪くなって起こる現象ですが、今は塗装後に縁切りするのが常識になってきているようなので、少し安心しています」

最後にここ福島県いわき市の気候の特性による屋根リフォーム・屋根修理についてです。
「このあたりは、いわきの空っ風といって冬に強い風が吹きます。昔は、風が強くて瓦が吹き飛ばされたり、屋根葺きの作業をあきらめて仕事を切り上げたりすることもありました。今は防災瓦を使っているので、空っ風で葺き飛ばされることはほぼありません。その他には、海沿いの塩害でしょうか。それはステンレス釘を用いて対策をしています。あと、東日本大震災後は、屋根の棟部分を強化するための棟金具(※6)を追加するようになりました。耐震対策は年々強化されていますね」

※1…屋根の芯 屋根の頂点
※2…桟芯 瓦の重なり部分の1番高いところ
※3…谷芯 瓦の重なりの最も深いところ
※4…捨て谷 屋根の表面から見えないように作られた集水加工された部分
※5…縁切り 水の通り道を作るために、塗装を施した瓦と瓦の間や、スレート屋根の間に隙間をあけること
※6…棟金具 瓦屋根葺きの際に、屋根の棟部分に使う耐震・補強用の金具

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MESSAGE口下手であれど、瓦葺きのセンスは秀逸。近隣地区が羨む、美しい屋根と町並みを目指す

シゲル瓦工業のアフターサービスは「何かありましたらいつでもご連絡を」とのこと。
「何年保証という決まったアフターサービスは設けていませんが、不具合が見つかったらいつでもお電話いただければと思います」と、下山田さんは日頃から柔軟な対応をしています。

最後に、「やねいろは」をご覧になっている、屋根の不具合でお困りのお客さま、そして屋根リフォームなどを検討中の方へメッセージです。
「私の強みは、現場での判断が早いことだと思っています。自分の持っている知識を現場で存分に活かして、お客さまの屋根の不具合に最適な屋根リフォームや屋根修理を提案できます。また、近所の方が羨むくらいの綺麗な屋根に仕上げてみせます。これは他の業者から言われた言葉なのですが、『うちより立派にしないでよ』ってね。自分ではどこがと説明できないのですが、私の瓦の積み方や盛り上げ方には、独特のセンスがあるようです。18歳からやっているので、それなりに何かが培われているようです。このあたり、もっと自分の長所としてうまく言葉にできるようになりたいです。伝えるって難しいですが、とにかく私は誠実に仕事に向き合います。プロの目はもちろん、お客さまの目にも安心できる屋根リフォーム・屋根修理をしていきます」と、下山田さんはインタビューの最後まで謙虚な姿勢でした。

「真面目に地道に」
下山田さんの話しぶりは、まさしくそんな言葉が当てはまります。仕事への取り組み方や会社の展望にも、決して大風呂敷を広げません。目の前の仕事を丁寧に片付ける、その真摯な姿勢はきっとお客さまを安心させてくれるでしょう。派手なパフォーマンスはないけれど、下山田さん兄弟がお客さまの屋根を大切に扱う姿が、終始目に浮かぶ取材となりました。

(2018年8月取材)

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屋根工事店プロフィール屋根工事店プロフィール(有限会社シゲル瓦工業)

一番の強み 頭の中にあるこれまでの経験と知識を使って、瞬時に「ここは、こういう風に進めよう」という方針を立て、工事を進めることができるところ
会社名 有限会社シゲル瓦工業
対応工事
  • 屋根工事
  • 樋工事
  • 太陽光工事
  • 塗装工事
  • 瓦屋根
  • 金属屋根
  • 陸屋根
  • その他
  • 外壁塗装
  • 屋根塗装
従業員数 社員:2名
保有資格者 ・一級かわらぶき技能士 2名
・巻上げ機運転者 2名
・石綿取扱作業従事者 2名
・職長安全衛生責任者 2名
・玉掛作業者 2名

特徴 屋根工事業
樋工事業

対応エリア

福島県

  • 南会津
  • 相馬
  • 白河
  • 猪苗代・表磐梯
  • 会津
  • 裏磐梯・磐梯高原
  • いわき・双葉
  • 福島・二本松

茨城県

  • 水戸・笠間
  • 大洗・ひたちなか
アフターフォロー体制 建設事業基本特約付事業総合保険加入(富士火災保険)

代表者 下山田 勝則
代表者経歴 有限会社シゲル瓦工業 代表取締役
1981年3月:いわき市立植田中学校 卒業
1981年4月:福島県立勿来高等学校 入学
1984年3月:福島県立勿来高等学校 卒業
1984年4月:シゲル瓦工業(現・有限会社シゲル瓦工業) 入社
2000年10月:有限会社シゲル瓦工業 代表取締役 就任
所在地 〒974-8252
福島県いわき市仁井田町烏内9-1 大きな地図で見る
営業時間 毎週月~土曜日 7:00~18:00
定休日 日曜日、夏季休業(お盆休み)、大型連休(ゴールデンウィーク)、年末年始休業、祝日

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